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就活は、自分軸(ありたい自分)、価値軸(大切にしたいこと)に気づくチャンスです

 コロナ禍と共に大学へ入学した息子。ビザがおりず、2度の留学断念。そして、最後の留学のチャンスが大学3年の冬にやってきた…

 海外の学費は日本とは比べ物にならないくらい高額。留学にもいろいろありますが、目指したいのは交換留学。単位互換など学業面でのメリットだけでなく、日本の大学への学費を納めればよいので、親のお財布にも優しいし、何より在籍大学の提携先なので安心です。とはいえ、交換留学は誰でもいけるわけではなく、学内選考、相手の大学の選考を受けることがほとんど。(枠を潤沢にもっている私立大学などはほぼ無条件に行けるところもあるようですが)息子は大学2年の時に念願の中国の大学への交換留学の選考に通り、ビザの申請まで終えていました。しかしゼロコロナ政策をとっていた中国。ビザがおりない、ビザがようやくおりても、大学側からオンラインでの留学指示が出て、結局、息子は渡航の留学を断念せざるを得ませんでした。(オンラインで授業は少し受けていたようですが)

 大学3年生となり、いよいよ就活をスタート。しかし大学入試の時点で海外大も考え、熟慮した結果、日本の大学に入り、在学中に留学をすることを決めていた息子は就活をしていても、どこかで留学に未練がある様子でした。ある日、「留学に行けるかもしれない。でもその場合、満足のいく就活ができなくなるので、4年での卒業はしないかもしれない」と。

 人生100年時代。日本にもモラトリアムを愉しむ文化が必要だと感じている私は、留学にチャレンジできるなら1年など、何の問題もない。むしろそうしてほしいというくらいの気持ち。大賛成でした。

 息子は大学4年でイギリスへ留学することが決定。内定をいただいていた企業には入社を1年待ってもらえないかを交渉すると、どの企業も「来年、確実にわが社へ入社すると約束をしてくれるなら待ちますよ」との返事。不安だ~と悩みつつ、結局、すべて内定辞退をしてイギリスへ旅立つのでした。

 イギリスでは人口問題や社会制度などを学びながら、寮生活でいろいろな国の方との共同生活。異文化の中での生活は様々な学びがあった様子。留学から戻り、同級生は卒業、そして社会人へとなっていく中、就活を再スタートさせた息子。

「つらい人、困っている人に寄り添える自分でありたい」
「持続可能な少子高齢化社会を作りたい」
「日本がどこよりも早く少子高齢化の限界点を迎える。日本で持続可能な少子高齢化社会の仕組みができれば、それは世界の未来に役立つはず」
「40歳までの自分のキャリアを2040年問題に向けて使いたい」

 0歳から保育園に通っている息子は何でも親に話す子ではありません。しかしいつの頃からか、私は息子の壁打ち相手として、息子の頭と心の整理のために対話をする存在になっていました。就活の間も息子とはいろいろ対話をしてきましたが、これらの言葉は息子が自分軸を見つけたことを実感し、親として安堵の気持ちを持ちました。

 自分がやりたいことが実現できるところからご縁いただいて帰ってきた日、「長かった…」としみじみ一言。2年以上にも及ぶ就活。親から見れば、そこまでやらなくてもと思うくらい、自己分析をしたり、たくさんの人に話を聞きに行ったり…親世代とは比べ物にならないほど、本気で将来を考えているなぁと感じていました。

 息子は就活を通じて、自分軸を手に入れることができました。著書の中でも書いているように、自分軸を持つ=自分らしい幸せな人生を生きることができると思っています。息子が4月から進む道は決して楽な道ではありません。恐らくかなりの激務になるでしょう。待遇も決していいわけではありません。それでも数あるお声がけの中から、自分が大切を感じること、自分がやりたいことを選んだ息子なら、きっと乗り越えられると信じています。

 ありたい自分に気づく、自分軸を持つことは幸せへの第一歩です。

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