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2歳の女の子は平成を知らない。
私の仕事はこども写真スタジオのお姉さんだ。
お宮参りから七五三、入園入学など様々な記念日の撮影をしている。
そんなスタジオでの小さなお話。
誕生日の撮影でご来店したパパとママと2歳の女の子。
「いらっしゃいませ。
こちらでアルコール消毒と検温をさせていただきます。」
パパとママが順番にアルコール消毒をして、女の子もスプレーに向かって手をお皿にして向けてくれた。
2歳といえばまだ話すこともままならない年頃だけど、ちゃんと大人の行動をみて、ここで消毒と熱を測ることを知っている。
「ちゃんと消毒できるの偉いね!」
と私が女の子に話しかけると、ふとパパがこう言った。
『生まれた時からこのご時世ですからね。
この子にとっては当たり前なんですよ。』
衝撃だった。
確かにその通りだ。
この子にとっては外に出たらマスクをすることや、消毒や検温をすることは、「こんにちは」とあいさつするのと同じくらい当たり前のことなのだ。
そう思うと急に悲しくなる。
この子たちは外の空気をいっぱいに吸い込んで、何も気にせずに外で遊んだことがないのかもしれない。遠くに出掛けることができていないのかもしれない。
私たちが過ごしていた平和な平成を知らない。
そんな中、大人たちは平和な世の中を知っているからこそ、この自粛期間に痺れを切らせてしまうことがある。「もういい加減これぐらいいいだろう」という考えが頭をよぎる。そんな甘えた考え方をしてしまった自分が急に悔しくなった。
今一度この世の中を受け入れて、気持ちを改めなくてはならないな。
2歳の女の子とそのパパに気づかされお話でした。
由佳
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