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2403_ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家

 個人賛助会員になっている初台オペラシティから招待券をいただいた。
 同封されていたチケットもパンフレットも、シンプルで静かな雰囲気が漂う。少しだけ施してある箔の加工がおしゃれで、行ってみたいと感じた。

 ガラス作家の山野アンダーソン陽子さんの作品を起点に、言葉や絵や写真で作られた作品の展示機会創出ということで開催されている本展。
 壁に印字された文字と、ガラスの器が案内通りのセンスのよい空間を演出しており、メインの作品であるガラスを扱うような丁寧な展示だった。


 食器等の身の回りの道具にこだわりが出てきたのはつい最近のことだ。
 家電は最低限の役割をこなせればいいし、日用品は見た目の良さよりも「壊れない」が何より大事だった。
 そんなセレクトをしてきたので、ガラスの器は自分の生活というより外出先で使わせていただくものというイメージが強い。
 どうでもいい道具を使っていると、普段の生活がどうでもよくなってしまう。
 大事に扱うものの代表が「ガラス」という認識をしているのかもしれない。

 ガラスは光を吸収して反射する。そうやって常日頃写真を通して関わっているので、馴染みが深い。それだけではなく、ガラスは映り込む。展示されていた油彩絵画の作品で、映り込みがとてもきれいな作品があった。
 作者のガラスを通して見ているものの深さが、実物と絵画で共存する展示だからこそ味わえるひと時だった。


 身の回りの日用品をセンスよく取り揃えるには生活に余裕が必要で、時間にしろお金にしろ「自分の生活」に割くには優先順位が低くなりがちだ。

 まだ丁寧に扱える自信がなくて買えないうすはりグラス。
 購入する日を楽しみに、似合う人に早くならなくてはとわくわくしていた。

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ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家
会場:東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区西新宿3-20-2)
会期:2024年1月17日(水)― 2024年3月24日(日)
開館時間:11:00-19:00(入場は18:30 まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、2月11日(日・全館休館日)
入場料:一般 1,400 円 / 大・高生 800 円 / 中学生以下無料
https://www.operacity.jp/ag/

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