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20.08.30 WeekendBrewを思考する

ご覧くださってありがとうございます。
この記事は、Standart JapanからリリースされているWeekend Brew
(毎週日曜日に届く、コーヒーやそれに関連したュースレター)から
個人的に気になった何点かのトピックについて、
Twitter140文字では表現しきれない感想やさらに深掘りしたことをアウトプットしていきます。

今回のWeekend Brewもコーヒーに関わる方達の様々な取り組みを垣間見、
興味深いものがたくさんでした。

絶賛リモートワーク中(リモート研究中)の今、リモートワークを成功に導く8か条 を拝見して、私って生産性低い仕事しているな…と反省した今日この頃です。
中でも、大変私の胸に刺さった項目をピックアップさせていただきます。

1. 非同期コミュニケーションを意識する
 タスクが完了するまで、メールやチャットに反応しない。
2. 身の回りの環境を整える
 脳を仕事モードに切り替えましょう。
(Standart HP ブログ『リモートワークを成功に導く8か条 by Standart』より)

わたくし寝起きでパジャマ、化粧もせず、何なら時折寝転がりながら作業していました。メールやチャットにはもちろん基本即レスでした。
反省から改善せねば。ということで、
この日曜日は、作業スペースから布団が見えないように部屋のレイアウト変更したり、チャット通知設定を変更したり、『ちゃんと着替えるし化粧もするぞ!』と心に誓ったりなどしてとても有意義に過ごしました。
これで少しでも生産性が上がることを願います。

さて、今回私が特に気になったもの以下の2点です。

・多様化するコーヒーかすの再利用
 コーヒーかす100%の粘土、バイオ燃料、サングラス、堆肥…etc
・カリフォルニアFrinj Coffeeが環境NPOと協業し、環境再生型農業(Regenerative Agriculture)に注力
(Weekend Brewニュースレターより引用)
(詳細は是非、アーカイブをご覧ください)

『環境』『循環』『サステイナブル』と言ったワードが印象に残ったように思います。
なぜなら、温暖化や環境問題はこれらの問題を引き起こす一地球上の生物として知っておかなければと思いつつ、全貌を把握するにはあまりにも規模が大きく感じられ、これまで詳しく学ぶことは避けてきたテーマだからです。

農学部を出ておりながら、環境問題への知識が浅いというはなんとかせねば。という想いもあり、この機会に調べてまとめてみました。

これらの問題の原因・現状・対策、全てを学ぶことは、
私には時間もかかりとても難しいことに思われますので、今回取り上げた上記2点関わる部分とその背景のみに絞ってご紹介していきたいと思います。
(※たくさんの問題が歯車のように絡み合っているため、あくまでその一部分になります。ご了承ください。)

多様化するコーヒーかすの再利用ーゴミ問題と地球温暖化

世界各国でコーヒーかすを利用して様々なプロダクトが作られ、再利用されているようです。

このニュースを拝見した時、これはゴミ問題と地球温暖化の二つの問題と関わりあっているなと感じました。
(森林破壊や生物多様性などの他の問題もそうなのですが)
これらの環境問題は歯車のようにお互いに作用しあっているように思います。
文献から調べて自分なりにまとめてみたものか以下の図になります。
(太文字が今回のニュースレターに関わっている部分です。)

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(参考文献:Adam Hart-Davis監修 日暮雅通監訳(2011)『サイエンス大図鑑』河出書房新社、国立研究開発法人 国立環境研究所HP )

日本では、コーヒーかすのような燃えるゴミは再利用しない限り、焼却処分されてCO2等の気体や灰となります。
そして、灰の大部分は埋立地に埋め立てられるようです。

ここで生じるのがゴミ処理の過程で発生する温室効果ガス排出や、廃棄したものと同等の製品を作るために必要となる燃料消費や資源消費に伴う温室効果ガス排出、またコストや埋立地などの問題です。
そのため、本来捨てられるものを資源として再利用すれば、こうした温室効果ガスや埋立地の問題を削減できるというわけです。
(参考文献:国立研究開発法人 国立環境研究所HP 平成20年度「温暖化に立ち向かう~低炭素・循環型社会を目指して~」講演4 ごみ問題・3Rと温暖化のかかわり
http://www.nies.go.jp/video_lib/index02.html)

さらに、コーヒーかすを用いたエネルギー生産は、化石燃料からバイオマス燃料への代替を助長しており、さらにCO2削減につながるように思います。

こうして、ゴミ問題への取り組みは、温暖化への取り組みへと繋がっています。

また、ここで私が感じたこととして、再利用資源としてのコーヒーかすには何か他の資源にはない付加価値があるのかな?あったらいいな!ということです。

こちらの文献には、牛糞、馬糞、生ゴミを使ったコンポストとは違い、コーヒーかすは悪臭がしないので堆肥製造過程や畑に撒く際に臭いが発生しないことが挙げられていました。

堆肥としてコーヒーかすの利用は、
コーヒーかすの物理的構造(多孔で空気や水を含みやすい)により微生物が生育しやすく堆肥を作るのにも有用であるそうです。

コーヒーかすを使った堆肥はすごくたくさんの報告があり、土壌改良のためにどんな手法があるのかとでも気になります。またの機会に調べてみたいなと思います!

また、消臭効果があることを利用して、牛舎に藁と一緒に敷いていたり、家庭でも靴箱の消臭に使ったりなどされているようです。

余談:コーヒーかすの再利用。私の失敗例

これは余談なのですが、私は今年の梅雨明けにちょうどコーヒーかすを利用して家庭で何かできないかと考え実行していました。

これは失敗したなーと思ったので誰にも言わずしまっておいたのですが、とうとう日の目を浴びる機会がきたようです。

コーヒーかすで蚊取り線香を作りました

きっかけは、すごく香りのいい素敵なコーヒーをいただいて、この豆香りをアロマみたいな感じで利用できないかと思ったことです。
夏が始まる時期だったので、蚊除け効果があれななおいいな…と思い、お香の基材であるダブ粉にコーヒーかす、そして除虫菊の粉をブレンドしました。

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コーヒー豆の形にして、”コーヒ豆の再構築”を行ってみました。笑

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完成して火をつけてみたのですが、うーん、イマイチ。
完全に蚊取り線香の匂いなんです。虫除け効果はとても感じられたのですが、期待していたコーヒーの香りは全くしない。

抽出かすなので仕方がないし、そもそもお湯による抽出と燃焼ではわけが違うといえばそれまでなのですが…。
燃焼でなんか良い感じの(覚醒効果あるいはリラックス効果とか)作用のある臭気成分が出ていたら嬉しいな。なんて思いました。

形はかわいいし、お香としては機能してくれたのでそれなりに満足しています。
現場からは以上です。

コーヒー栽培を通した環境再生型農業の実現ー地球温暖化との関わり

続いて取り上げたいのは、カリフォルニアFrinj Coffeeが環境NPOと協業し環境再生型農業(Regenerative Agriculture)に力を注いでいるという話題です。

そもそも、環境再生型農業とは何なのでしょうか?私は初めて耳にしました。

農場廃棄物のリサイクル、堆肥の利用、家畜の管理下での放牧、輪作、多品種カバークロップなどを通して、
肥沃度の損なわれた土壌の再生→収量向上、生物多様性の向上、水循環の改善→干ばつに強い土壌、土壌の炭素固定量の増加→温暖化対策などを実現し、
環境を再生しながら農業を行う取り組みです。
(参考文献:Regeneration International HP
ANNOTATED BIBLIOGRAPHYに様々な参考になる文献が掲載されています!)

ここでも温暖化対策が出てきました。

地球温暖化対策には大きく2つあると解釈していて、
一つは前項目で述べたようなバイオマス燃料等を通してCO2を減らすアプローチ。
もう一つが大気CO2の吸収量を増やすアプローチです。
そして今項目の環境再生型農業は、後者に一役買っているといえます。

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そもそも、待機中に排出されるCO2の約半分は陸地や海吸収されています(炭素隔離)。
土壌における炭素隔離では、まず植物がCO2を大気中から取り込み光合成し、自己組織を作ります。そして、植物は枯れると土に還り、組織が土壌微生物の働きにより、腐敗して行きます。この過程で炭素が土壌から抜け出し、大気中に戻ります。

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(気象庁HP:気象庁>気象研究所>温暖化による日本付近の詳細な気候変化予測に関する研究>温暖化予測地球システムモデルの開発>陸域生態系炭素循環過程から引用)

このサイクルが起こる中で、土壌中の鉱物と炭素が結合して植物が固定した炭素の長期保存ができます。それは地中深くにあればあるほど長期間保存できます。
そして炭素を豊富に含む土壌は、健全で肥沃で柔らかいため、水分や養分を多く含むことができます。
そのため、土壌の炭素固定量増加が土壌肥沃度の改善につながり、さらには大気中CO2を土壌に隔離し大気中CO2を削減できるそうです。

土壌および植物を利用した炭素隔離のお話は、プレゼンテーション番組TEDでいくつかとてもわかりやすく、かつ面白く紹介されています。
 *Allan Savory “砂漠を緑地化させ気候変動を逆転させる方法”
  :環境再生型農業の話
 *Asmeret Asefaw Berhe “私たちの足元にある気候変動の解決策"
  :土壌における炭素隔離の話
 *Joanne Chory “気候変動に立ち向かえるスーパー植物とは”
  :改良した根の構造により土壌での炭素隔離を助長する話←私のおすすめ!!

そのほかにも、天然ガスによる発電の過程で純粋なCO2を取り出すというTim Kruger氏によるプレゼンテーションや、
大気中CO2を回収するためのエア・コンタクタを設計したというJennifer Wilco氏によるプレゼンテーションなど、
この分野は様々な奇抜でクリエイティブなアイデアが提案・研究されていて近未来的で面白いです!
実現したらどうなるんだろうと今後が気になります。

まとめ

今回は、WeekendBrewより
・多様化するコーヒーかすの再利用
・カリフォルニアFrinj Coffeeが環境NPOと協業し環境再生型農業(Regenerative Agriculture)に注力
以上2点について語ってみました。

比較的長編でお送りしてしまいました。
環境問題って考えれば考えるほど、様々な問題が付随してきて、手をつけると止まらなくなります。
また、たくさんの研究者によって様々な対策が考案されていますが、
結局実行フェーズに移されてうまく社会に取り入れられているものは極めて少ないし、地球規模のことなので定量も難しい。
そのため、比較も難しいですよね。

何と言っても私は、環境問題を考えていると、人間ってつくづく地球の邪魔者だななんて思ってしまい、
それでも地球資源に頼りっぱなしの自分がとても嫌になったりします。

とにかく現状の問題を自覚し、日常生活でできることから見直していかねばなりません。

しかし、今年の夏は本当に暑いです。
断腸の思いで冷房をつけています。
在宅ワークが推奨されていますので、会社や学校など集まった場所でというより各家庭で分散して冷房が利用されますから、
気温との相乗効果もあり、地球環境への影響たるや…末恐ろしです。

今週のWeekendBrew、たくさんの学びがあり、たくさん考えました。
非常に有意義な時間を過ごせたと思います。ありがとうございます🙏

暑さの次は台風がきています。
自転車での移動は強風で煽られて超危険です(経験談)。
いのちを最優先に、どうかお気をつけください。
今週も残り半分ほど。平穏に乗りきれますように。


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