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20.07.19 WeekendBrewを思考する

ご覧くださってありがとうございます。

この記事は、Standart JapanからリリースされているWeekend Brewについて。
(毎週日曜日に届く、コーヒーやそれに関連した世界のニュース・一押し音楽や本・コーヒー豆など勉強になる&ハッピーになれるニュースレターです。)

とても興味深い話題が多くて、感想を書けばTwitterの140文字でははるかに足りないので、noteで記録させていただきます。

Weekend Brewアーカイブはこちら。
https://www.standartmag.jp/pages/weekend-brew

今週のニュースレターで特に気になった項目を2つほど語らせていただきます。

・ドイツJacobs University Bremenでは、コーヒー豆を焙煎するときにはがれるチャフ(シルバースキン)から消毒剤を作り出す研究が進行中。
・「ラテのミルクは培養牛乳で」なんて声がカフェで聞こえてくる日も近いかも。組織培養技術を使って乳製品を生成するシンガポールのスタートアップTurtle Tree Labsが約3.4億円の資金を調達。
(Weekend Brewニュースレターより引用)

チャフを活用した消毒液について

この記事をうけての私のファーストリアクションとしては、“新型コロナウイルスが流行しているこの時期にこういった新たな,しかも捨てられるはずだった資源を活用するなんてイイネbb!”。

しかし、しばらく思考していると純粋な疑問が湧いた。
”いったいどんな成分を抽出しているんだろうか?”

というのも一言で”消毒剤”といってもいろいろな種類があって、
万能ではなく、殺菌できる細菌やウイルスとできないものとが消毒剤の種類によってそれぞれあります。
また、即効性のあるものと殺菌に時間を要するもの、あるいは高濃度を必要とするもにと低濃度でも効果的なものともあります。

まずはこちらの図をご覧ください。

スクリーンショット 2020-07-19 14.35.29

(参考記事:https://www.kenei-pharm.com/cms/wp-content/uploads/2016/11/shoudokukannrenn_03.pdf)

ちなみに新型コロナウイルスはエンベロープを持つウイルスです。

今回ニュースで取り上げられているドイツのJacobs University Bremen、
Prof. Dr. Nikolai Kuhnert研究室のHPや彼らのPublicationsをちらっとみてみたのですが、
おそらくコーヒーのチャフやカリン、シャクナゲ由来のフェノール類(特にポリフェノール)成分が殺菌効果に寄与しているものだと思われます。
(参考文献:https://europepmc.org/article/MED/28450876
https://www.researchgate.net/publication/330442457_Rhododendron_natural_products_as_sources_of_novel_antibiotics)

だとすると…コロナウイルスをはじめとするエンベロープを持っているウイルスに効果的かと言われれば、△といった答えとなるでしょうか…
とはいえ、研究の詳細や結果がまだPublishされてはいないのでこれから論文がPublishされるのがとても楽しみです!

P.S.
Prof. Dr. Nikolai Kuhnert研究室、取り組まれている研究がとてもとても興味深いです!
カカオの発酵段階におけるモデリングなどをやっていて、
まさしくコーヒーにおいて私がやりたいことと一致していて、私はただただゾクゾクとしました。
世界は本当に広いものですね。
こんな偶然の出会い(一方的ですが)に感謝です🙏🙏

組織培養技術を使って乳製品を生成する

小さな頃から生活に浸透していて、もはやないと違和感すら感じてしまう牛乳。
学校給食ではとにかく苦手で、毎日涙目になりながら鼻をつまんで飲み込んでいた牛乳。
ハニー珈琲でのバイトを通して、大好きなものになったし、非常にお世話になった牛乳。

牛乳って言い方を変えれば”牛の母乳”なわけです。
そして母乳ってなんとも素敵なストーリーのもと、分泌されているんです。
なので、果たしてそれを組織培養で完全再現などできるのだろうか?という疑問が生じます。

ここからは、私の言わんとしていることをさらに詳しく説明させていただきます。

まず、母乳が分泌される仕組みってご存知でしょうか?
赤ちゃんが生まれれば自然に分泌されるという訳ではないのです。
母乳が出るまでの出発点はまず、生まれた赤ちゃんがお母さんに搾乳刺激するところから始まります。
この刺激によってプロラクチンやオキシトシンといったホルモンが母体の脳から分泌され、
その信号を受けて母体の血液が乳腺房の乳腺細胞に入り、赤ちゃんの成長に必要なものだけをチョイスして加工し母乳を作る。
それがお母さんの胸を通して赤ちゃんへ供給される。
簡単に言ってしまうとこういった仕組みだそうです。
(参考記事:https://ja.wikipedia.org/wiki/母乳)

つまり、母乳に含まれている成分はお母さんの血液を材料に作られています
そして血液は我々自身が摂取してきたものによって作られています
これは人間でも牛でも同じ。

話は戻って、組織培養によって牛乳を作ることについて考えてみます。

組織培養で牛乳を作るにしても材料は必要となります。
色々ググってみたものの私の検索スキル不足か、
詳細な情報は得られなかったので(全部わかったら儲からないものね…)、何を出発物質としてどう作っているのかわからないけれど、
牛乳に変わるものとしての役目を果たせるのかなーといったことが現時点では疑問です。
これからプロジェクトが進んでいって、明るみに出て行くことが楽しみでなりません。

はたまた個人的見解ですが、
牛乳を完全再現するのではなく味や品質に特化した新しい形の飲み物が生み出されてもおもしろいな!!と思っています。

というのも、母乳は本来赤ちゃんが成長する為に作られたものであって、
乳児期を過ぎた人間のためのものではないので、美味しさとか品質とか(日持ちとか)を考えた時に足りない成分や余分となっている成分も含まれているものと思います。

ところが組織培養であれば細胞の遺伝子を操作することも今の技術では十分可能なので、”狙った成分だけを作らせる”みたいなことも可能だと思うんです。
例えば、カフェラテに特化した超美味しい牛乳なんて。すごいロマンチックじゃないですか??笑

考えるだけでワクワクしちゃいます。

まとめ

今回は、WeekendBrewより
・コーヒーチャフを活用した消毒液生産の研究
・組織培養技術を使って乳製品を製造する

以上2点について語ってみました。

Weekend Brew、今回で2回目となりますが、様々なトピックに触れるきっかけとして本当に楽しませていただいています。感謝です🙏

今週もどうか素敵な一週間でありますように。

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