見出し画像

「シュガータイム」 / 読書メモ

小川洋子さんの「シュガータイム」を読みました。

通勤時間でちょこちょこ読み進めていたのですが、スーパー銭湯に持ち込んで本格的に読み始めたら止まらなくなってしまった・・のがこの作品です。

登場人物は大学生たち。大学生4年生の主人公、大学院生の彼(付き合っているのかは?)、主人公の弟、友人、家族など。

本作では、主人公の女性が過食になったり、弟にはとある障がいがあったり、少しずつ設定にいわゆる「ただの普通」との違いがあります。

そしてそれとは別に、主人公と彼の関係の、本人たちは幸せそうながらちょっと不安定な雰囲気、途中から作品に柔らかな温度と少しひんやりとした空気を連れてきます。

大人になった今見ていると「ああこんなこともあったな・・」と胸がちくっとする感じ。

青春の1ページの記憶を、たどるように読み進めていくと、ラストの展開に涙。正直、大人は予想できることですが、覚悟していても止まらない。過去の記憶が呼び起こされるようで、とてもかなしい。

「出会ってしまった」と思える出会いがあることは幸せなこと。でも巻き込まれる方はたまったもんじゃないよなー、とも思うのです。

「シュガータイム」は1994年の作品です。淡い恋や心の動きを追ってみたい方は、ぜひご一読ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?