フランス日記:11月19日「フランス人はまず友達を頼る」
ホームステイ先のマダムがテレビとインターネットの機器(JCOM的なサービスだと思われる)を新しいものに取り替えるとかで、滞在初日から「échange échange」(交換)と言っている。
ついに今日、一緒に新しい機器を取りに行き、テレビとインターネットに繋げる作業を行った。
ところがうまくいかない。説明書に書いてある内容と、手元の配線が異なるのだ。
おそらくそんなに機械の取り付けに詳しくないマダムと、機械の取り付けも詳しくなければフランス語の説明書がろくに読めない私だ。
信号が見つかりませんの「 Pas signale 」の画面を前になす術もなく、ケーブルを抜いたり挿したりを闇雲に繰り返す。
そのうちマダムは外出してしまった。
マダムがいないうちに取り付けを完了してたら、さぞ喜んでもらえるだろうと初めてGoogleの画像翻訳を使って説明書を翻訳するが、どうもよくわからない。
マダムが帰ってきたらサポートセンターに電話することを提案しようと思い、諦めて昼寝をしたり散歩したりしているとマダムが帰宅した。
帰宅するなり「アニエスとフランシスコに聞いてみるわ!」と言い出し、まずはアニエスに電話をし出す。
ちなみにアニエスについては「妹の娘」とだけしか説明されなかったので、特に機械に詳しい人というわけではないらしい。アニエスと小一時間電話をするうちにどうにか無事に機器がネットに繋がった。
残るはテレビと機器との接続だ。アニエスにお礼を言い、次にマダムの息子の友達のフランシスコに電話をかける。既に夜9時を過ぎていたが、なんとフラシスコが家までケーブルを繋ぎに来てくれるという。
「ナイトメア・ビフォアクリスマス」のパーカーを着てフラシスコは現れた。
彼も特に機械に詳しいというわけではなくスマホでアレコレと検索しつつ30分ほどで作業を無事に完了させてくれた。
日本ならこういう時にはサポートセンターへ電話しそうなものだが、フランスだとまず知り合いを頼るのだろうか。
日本には「人様に御迷惑をかけてはいけない」という考えが重要視されている。
だから電化製品の付け替えができないぐらいで、友人を数時間拘束することは「礼儀」として避けられるべきなのだろう。
しかし「人に迷惑をかけないこと」が美徳な社会より「多少迷惑をかけられても親切に対応してあげる社会」の方が美しいのでは?と思ったりした。
フランシスコはマダムからの熱烈なお礼のビズ(キス)を受けて、マルゼルブ通りへの自宅へと帰っていった。
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