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日本に拠点を移しました/Relocated from London to Tokyo

7年半ぶりに東京に拠点を移すことにいたしました。(English will follow)

2016-19年は、米国のワシントンで(ジョージタウン大学外交政策学院アジア研究科の修了、米戦略国際問題研究所(CSIS)での勤務)、2020-223は、英国のロンドンで、同市に本拠地がある外交・安全保障系シンクタンク国際問題戦略研究所(IISS)で4年間リサーチ・フェローとして活動しましたが、特に最後の4年間はジェットコースターのような期間でした。

具体的には、最初の2年間は、2019年にIISSに新設された日本部門の初代リサーチ・フェローとして(API松本佐俣フェローとしての派遣)、次の2年間は、防衛軍事分析部門にも所属をし、日本やインド太平洋地域の安全保障・技術政策担当のリサーチ・フェローとして活動を行いました。

ハイライトとしては、

  • 2回のIISSシャングリラ・ダイアローグ(アジア閣僚級安全保障会議)と3回のマナマ・ダイアローグ(中東閣僚級安全保障会議)

シャングリラ・ダイアログのプレナリーの様子(2023年6月)
シャングリラ・ダイアローグのヤング・リーダープログラムで二年間モデレーターを務めました。(2023年6月)
  • 様々な長さやフォーマットで計20の論考の出版(英語)

  • 計30以上の国際会議での登壇(計10カ国への渡航)

  • 計23のJapan Memoポッドキャストのエピソードをホスト(僭越ながら、世界で唯一の日本の外交安全保障分野に特化したポッドキャストで、2021年9月に立ち上げました!)

  • 元Google社長エリック・シュミット氏によるSchmidt Futuresが立ち上げたInternational Strategy Forumの日本代表フェローに選出

シュミット・フューチャーズ主催International Strategy Fellow の初めてのグローバル会議の様子(2023年2月)

等でしょうか。

上記の成果を残せたものの、正直最初の頃は業界のトップシンクタンクのリサーチ・フェロー(研究事業の企画立案・資金調達・実行を担当氏、計2万5000ワードの執筆量がミニマムで求められるポジション)として活動する上でも、新しい部門を立ち上げるという責任あるポストを全うする上でも、常にギリギリの状態でした。ロンドンでは着任後間も無くパンデミックが始まり不安もありましたし、この役目をこなす上で、自分の能力が追いついていないと感じており、自信もありませんでした。

何より、世界で最もグローバルな都市であるロンドンに身を置く中で、自分は過去の生い立ち・経験上日本と米国しか知らないということにも思い知らされ、とにかく世界中の政策関係者や研究者と触れ合い、人と対面で会い、話を聞き、学ぶ機会を大事にしようと思いました。

コロナ後の二年間は、特に机に向かって論文や本を書き上げる作業に加え、海外出張や登壇の機会も増え、高いプレッシャーと緊張感のある毎日でしたが、場数をこなしたり、尊敬できる上司やメンターにトレーニングいただいたお陰で、4年前の自分よりも研究者としても1人のプロフェッショナルとしてのバイタリティーも、鍛えられたように感じております。やはり二冊の本を共著で残すことができ、確実な成果を出せたことが、自分の一つの自信になりました。

二冊目についてのnote記事はこちら↓↓

上司として日々の研究のご指導やキャリアのサポートくださったロバート・ウォード(IISS初代ジャパン・チェアで地経学部門部ディレクター)と、バスチアン・ギガリッヒ(IISS新所長、元防衛軍事分析部門部長)には心から感謝を申し上げます。

また、4年前にIISSに入った時から、気にかけていただき、シャングリラ対話で岸田総理への質問の機会をくださったり、日本でのプロジェクトでは共同企画立案者としてを一緒に事業立ち上げを手掛けさせてくださったりしたジョン・チップマン氏(IISS会長、IISS所長1993-2023)、日本関連の活動をご支援くださったビル・エモット氏(IISS理事会会長、元エコノミスト誌編集長)にも、大変お世話になり、本当に感謝をしております。

左からウォード氏、エモット氏、チップマン氏。最初の共著のローンチイベントにて(2022年7月)
IISS新所長のギガリッヒ氏と(2023年12月)

何より、IISSというグローバルでアカデミックなシンクタンクならではの経験をさせていただくきっかけとご支援をいただいた、船橋洋一先生(国際文化会館グローバル・カウンシ ルチェアマン)、松本恭攝さん(ラクスル株式会社 取締役会長、ジョーシス株式会社 代表取締役CEO)、佐俣アンリさん(ANRI代表パートナー)には感謝をしてもしきれません。

ご参考までに、API松本佐俣フェローの背景について過去フォーブスに掲載された記事はこちらです↓↓

昨年一年間を振り返れば、30代に突入し、プライベートや今後のキャリアをどう上手くバランス取っていくか、これまでで1番悩んだように感じております。二つを両立させるため、そもそもどのような選択肢や形があり得るのか、なかなかクリアにならないことも多く、苦しい一年でもありました。

その過程で、上手くいかないこと、自分にはどうにもならないことによりプランが影響される等、思い通りになかなかならないこともありましたが、親身に相談に乗ってくださった恩師やお世話になっている方々の温かいサポートもあり、自分なりのベストな次の選択肢や方角が少しずつ見えてきたように感じております。今は日本での新しいチャプターが始まることがとにかく楽しみです。

この7年半振り返ると、日本から飛び出して、米国、欧州、アジアで自分の視野や政策・研究者コミュニティーのネットワークを広げるため、「ブルドーザー」のように進んできた期間でした。気がつけば、30年のうち半分弱の13.5年を海外で過ごしており、成人してから日本に住んだ期間は2年だけ。

今後は、日本に「帰る」という感覚ではなく、新鮮な目で日本を見つめ直し、日本でしかできないこと、日本にいないとできないこと、を行い、東京を拠点にグローバルで独自のインパクトを出せるような研究者、アナリスト、プロフェッショナルとして頑張りたいと思います。

帰国前、国際文化会館のグローバル・カウンシルのメンバーに就任された、元FT編集長とコーヒーをする機会を頂きましたが、

‘Use your own asset, be a special force(自分がこれまで培ってきた経験や鍛えてきたアセットを上手く活用して、特殊部隊のように動け)’

というアドバイスをいただきました。この貴重なお言葉を忘れずに大切に過ごしたいと思います。

今年からもIISSには引き続き非常勤の研究員として席は残りますが、具体的な次の進路はまた来年シェアできる段階になりましたらご報告させていただきます。

直近では、年度末までにシンガポール、インド、韓国、フィリピン、米国で、国際会議等に参加をする予定ですので、またシェアさせていただきます。

日本にいらっしゃる皆さん、これからまたどうぞよろしくお願いいたします😊

帰国前に撮影したテムズ川の景色。

Some personal updates: relocating to Tokyo from 2024!! 🇯🇵

Happy New Year everyone!! 🎉 Wishing you all a great year ahead!

After spending 3.5 years in Washington DC 🇺🇸 and 4 years in London 🇬🇧, I am excited to start my new chapter in Tokyo!  

It has been an absolutely rewarding experience serving as the inaugural Research Fellow for Japanese Defence and Security policy (2020-21) and then as Research Fellow for Security and Tech policy (2022-23) at the International Institute for Strategic Studies (IISS) over the past four years.

Highlights include…
- an entrepreneurial experience building the brand new Japan Chair Programme from scratch
- publishing two books as co-author and co-editor
- taking part in two IISS Shangri-La Dialogues and three Manama Dialogues
- publishing 20 analyses in various forms
- making 30+ overseas trips to speak at a policy conferences (in 10+ countries)
- co-hosting 20+ Japan Memo podcasts (the world’s first and only podcast programme dedicated to Japan’s strategic issues)
- selected as an Internatioanal Strategy Forum Fellow (2023) run by Schmidt Futures

I am very grateful to my supervisors, Robert Ward (IISS inaugural Japan Chair and Director of Geo-economics) and Bastian Giegerich (IISS Director-General and former Director of the Defence and Military Analysis Programme) for their guidance to help me grow quickly as a professional and a foreign and security policy analyst at the IISS.

I would also like to express my deep appreciation to all my other mentors at the IISS and beyond, particularly Sir John Chipman KCMG  (IISS Executive Chairman and IISS Director-General 1993-2023) for giving me invaluable experiences and warm support throughout my time at the IISS and Bill Emmott (IISS Chairman of the Trustees) for all his support to the Japan related activities as well as Dr Funabashi Yoichi (Chairman of the Global Council at the International House of Japan), Yasukane Matsumoto (Founder & CEO Josys), and Anri (General Partner of ANRI) for the API Matsumoto-Samata Fellowship in my first two years.

I am in discussion to continue my affiliation with the IISS in a non-resident capacity from 2024, but am very excited to pursue my research and career ambitions in Tokyo!

More updates on next steps to come in soon on my next steps!

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