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編著本『The Importance of Shinzo Abe: India, Japan and the Indo-Pacific』リリースのお知らせ

先週末、安倍晋三元総理が暗殺されるという、恐ろしい事件から1年が経ちました。

この一年間、国内外の研究者や実務家が安倍元総理のレガシーについて様々な視点から振り返り、外交・安全保障分野でも「安倍ドクトリン」等が研究されるようになりましたが、今月、インドのハーパー・コリンズ出版社から、日本とインドの研究者・実務家等16人による編著 The Importance of Shinzo Abe: India, Japan and the Indo-Pacificが出版されました。

テーマとしては、

  1. 日本にとっての安倍元総理のレガシー(Abe’s Legacy for Japan)

  2. 安倍元総理と日印関係(Abe and Japan-India Relations)

  3. 安倍元総理とインド太平洋(Abe and the Indo-Pacific)

に分かれており、私は僭越ながら最後のテーマの中で、‘Shinzo Abe’s Grand Strategy: Drivers and Legacy’という章を担当させていただきました。

光栄にも、ジャイシャンカル外相が前書きを寄稿くださり、本のローンチイベントでも登壇してくださることになりました。日本からは、兼原信克先生(同志社大学特別客員教授、元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)、竹中平蔵先生(慶應義塾大学名誉教授、小泉内閣の経済財政政策担当大臣)、谷口智彦先生(慶應義塾大学教授、元内閣官房参与)、堀本武功先生(岐阜女子大学客員教授)がそれぞれのご専門やご経験をもとに素晴らしいエッセイを寄稿されています。

寄稿者一覧です

このような編著が出されるということは、インドにとって、いかに日本との関係が大事なものであり、また、中でも安倍元総理が重要な役割は果たしたかということを物語っているのではないでしょうか。

安倍元総理の評価は国内政治という視点では大きく分かれているものの、外交安全保障における貢献という意味では国内外からも高く評価されていことを、ロンドンを拠点に政策研究をしながら日々感じます。

さらに、一国の政治家、さらには、元首脳が暗殺されるという事件も、異例であり、世界で広く報道されたことをよく覚えています。昨年、この時期、街を歩いていて、’We are sorry to hear about your former prime minister’と声をかけられたりもした。

今後も、このような悲劇が二度と生まれないことを願いながら、日本のインド太平洋地域、世界における平和と繁栄における役割について、一層気を引き締めて研究に励みたいと思います。

最後になりますが、2023年6月に開催された国際問題戦略研究所(IISS)のシャングリラ対話では、岸田政権下における防衛・安全保障政策について共著で分析させてただきましたので、そちらのご紹介させていただきます。

シャングリラ対話に参加をさせていただいたのは、2回目ですが、全ての参加者に配られるAsia-Pacific-Regional Secuirty Assessment (『アジア太平洋地域の安全保障年次アセスメント』)に初めて分析を掲載していただき、個人的にはとても嬉しく思っております。

全て無料で公開されていますので、もしご関心がありましたらご覧ください。

以上。

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