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アメリカ留学、ドイツ人パートナーとの出会い。私の価値観が変わった2つの転機

人生の中で、誰にでも転機になる出来事はある。私の場合、10年に1回くらいのペースで、人生観を変えるような転機が来る。

20代の頃、ダンスを本格的に学ぶためにアメリカのロサンゼルスに留学した。エンターテイメントの本場で毎日のようにレッスン漬けの日々を送り、オーディションにも果敢に挑戦し、アメリカの舞台で踊る夢を果たした。人生で一番努力して、一番苦労して、一番感動した時期で、私にとってはかけがえのない大切な思い出だ。

帰国したのは2012年でもうすっかり昔のことではあるけれど、濃密な3年間過ごしていたので、アメリカの経験が今の自分を形づくったとも言えるほど、人生のターニングポイントとなった。

怖じけずに新しいことに挑戦できるようになったのは、自分から行動しないと何のチャンスも与えられない国で、生き抜いてきたからだと思う。もちろん日本にいても、壁にぶち当たることは多々あるけれど、乗り越えられるサバイバル能力のようなものが身についた。

そして、2022年に第2の大きな転機が訪れる。現在お付き合いをしているドイツ人のパートナーと旅の途中で出会い、一緒に住み、交際して3年が経った。彼は歩く百科事典と言われるほど知識が豊富で、アウトドアや自然、文化、歴史のことなど、たくさんのことを教えてくれた。登山の世界に引き込まれたのも彼のおかげだ。

そして、彼と過ごすうちに、ドイツ人の考え方や働き方、ライフスタイルに興味を持つようになり、それ関連の本をいくつか読んだりもした。

私がドイツ人のいいなと思ったところは、ライフを大切にすることだ。日本人とドイツ人は似ていると言われているけど、働き方には大きな違いがある。日本ではワークを中心にしてライフを入れ込むことが多く、プライベートの時間が少なくなりやすい。でも、ドイツでは真逆の考え方で、ライフの中にワークがあるという感覚が根付いているようだ。

20年もの間、ドイツで暮らし、現地の企業で働いてきた隅田さんの本にもこのように書かれていた。

ドイツ人は言ってみればライフを優先させる「ライフ・ワーク・バランス」という考え方なのです。


『ドイツではそんなに働かない』隅田 貫著

これには、深くうなずいた。実際に、私が彼やドイツ人の人たちを目の当たりにしてきて、そう感じる。

ドイツ人は日本人と同じく真面目で、集中力が高く、仕事はきっちりこなすけれど、できるだけ効率的にスピーディーに終わらせる。そして帰宅後や休日は、仕事ではなく、家族や友人、パートナーとの時間に集中する。旅行のときにメールチェックなどしないし、休暇中は仕事関係の連絡はしないのが普通らしい。

さらに彼はポルトガルの血も半分入っているので、また違う価値観にも触れられる。ポルトガル自体はまだ行ったことがないのだけど、聞いている限り、落ち着いた雰囲気のドイツ人よりも、ポルトガル人は感情豊かなのが伝わってくる。彼は、美味しい食べ物を口にしたとき、手振り身振りで感動を表現する。ドイツ人の友人に比べると、かなりオーバーリアクションだ。

アメリカ留学とドイツ人パートナーとの出会いが、私の価値観を大きく広げてくれた。

子供の頃からずっと、説明しようのない生きづらさを抱えていたけれど、今は一番自然体でいられる。自分の意見を堂々と言えるようになり、芯が強くなった気もする。日本人ならではの謙虚さが少しだけ控えめになり、アメリカ人やドイツ人の自己肯定感の高さを取り入れ、ちょっとずつバランスがとれてきた。

他国の人や文化に触れることで、日本の素晴らしさにもたくさん気づける。いいところはそのまま残し、足りないところは海外から学んで取り入れていく。伝統を大切にしながら、新しいことを受け入れていけば、日本人はもっと心豊かに生きられるし、幸せな国になれるんじゃないかと思う。

夢中になると仕事を優先しがちなことがあるけれど、ライフを大切にしながら、ときに感情を解放し、のんびりと暮らしていきたい。






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