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第百十五話:交渉を拒否される

 次の日、マイケルと昨日揃えられなかった保証人になるための書類を持って警察署へ再度行った。無事に書類は受け取ってもらえたが、今はあくまで保釈中の身のためこれから労働局が訴えを退けるまで、警察署に週に1回来なくてはいけないと言われた。今日もお金を請求されたが、それはなんとか逃げ切った。
 そして、昨日年配の警察官に言われたとおり、労働局の職員と話をするために、労働局へと向かった。最初の日に来たボスの電話番号を貰って電話してみるも応答がない。警察官のアドバイス通り、マイケルがまずは会って話を聞いてくることにして、私は車内で待つことに。
 何時間もして、マイケルがやっと戻ってきた。話を聞いてもらえず、交渉する気はないとはっきり言われたこと。裁判で決着をつけるからと言われ、粘ったが全くこちらと話をする気がなかった旨を伝えられた。 
 ある程度の大金を払うことにはなるだろうけど、どうにかなるだろうと思っていた私は途方に暮れた。マイケルもどうしたものかと頭を抱えていた。

 何人か知り合いの弁護士さんと話をして、法律的には経営者という立場なので、働いていたのではなく、指導をしていたとか開業の準備をしていたということが可能だとアドバイスを貰った。とはいえ、政府と裁判をまともにして勝つというのもまた難しいということだった。
 今の状態では、警察の捜査が完了したら私のファイルは裁判所に送られてしまう状態。なんとかして労働局のボスとつながりがある人を探して、話を聞いてもらえる環境をつくらなくてはいけなかった。

 信頼できて、顔が広い人たちを中心にアポイントを取って、話を聞いてもらい労働局のボスとつながるツテはないか、ひたすら聞きまくった。
 それと同時に、裁判になったときのために自分が有利になるような書類を準備した。また警察署にも定期的に顔を出し、ファイルを裁判所に持っていくのを遅らせてもらえるように頼み、他の警察署に勤務する知り合いの職員からもプレッシャーをかけてもらった。 
 

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