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九州民藝旅4日目①

盛りだくさんだった昨日で幸せ気分に続き、今日は山本さんに紹介してもらったお茶農家の「ゆげ製茶」さんへ行く。お茶農家さんは一回行ってみたかったのでうれしい。
Origeから山本さんの車について行き、割とすぐ着いた。


着くとそこはお茶の工場とその隣に小さな販売所が併設されていた。
生産者のゆげさん夫婦に挨拶した瞬間、「若いな!!」と驚かれた。最近行くところが渋い場所(年齢層が高い場所)が多いせいか若いと言われることが多い。
もういっそのこと渋い路線を極めていきたい。


賞状がたくさん掲げられている販売所


お茶をいただく前にご主人が工場を案内してくれた。
他の工場にはない、ここにしかない機械や茶葉を収穫してからお茶にするまでの機械を見せながら説明してくれた。(機械だけでも何億もするそう!)
日本茶の勉強をしていたこともあってなんとなく知っていたけれど、実際見る巨大な機械たちはテキストで見ていたものたちとは全然違う気がした。



普通はお茶の工場を一般公開しているとこはないらしく、一般公開しているゆげさんの工場は珍しいらしい。コロナ前はハワイから団体客なども来られていたと聞いて驚いた。

夏は熱中症になるくらい工場内が暑く、ご主人も何回も倒れたらしい。。。(心配)
そんなすばらしいお茶工場も稼働するのは40日らしく、採算が合わない世界。(緑茶の取れる季節が終わればあとはずっと紅茶らしい。)なので、廃業しているお茶屋さんも多いらしい。切ない…



お茶の準備ができたので、さっそくお茶をいただく。
ご主人が一煎目、ニ煎目と丁寧に入れてくれた新茶は飲みやすくておいしかった。




お茶をいただいている間、ゆげさん夫婦はたくさんお話してくれた。どちらもすごくたくさんお話される方たちで、マシンガントークがすごく、ときどきご主人がを奥さん止めたりして、夫婦漫才を見ているみたいで面白かった。そんなマシンガントークに加え、九州に来てから一番方言がすごい筑後弁を聞いたので必死になって聞いていたけどすべてを理解するのは困難だった。。


茶葉とお酢を混ぜたもの


ゆげさんたちの安心安全なお茶を作るためへのこだわり、情熱がすごかった。
話を聞いていると、いろんな苦労、困難を夫婦で乗り越えてきたんだなと思うと胸が熱くなった。

他の人のことは気にしない。自分たちの道を行くのが大事。何をしたいのか。

この言葉にはお茶だけでなく、人生においてとても大切なことでハッとした。

そういった苦労もあって様々な賞を取ったり、出張でお茶の淹れ方教室に出向いたり、結果につながっているんだなと思った。

他にも、おいしいお茶の淹れ方や、選び方を教えてくれた。販売されているお茶はいろんな産地のものが混ざっていたりとブレンドされているものが多いと。そういったものは裏面の原材料を見ると特定の場所で記載されていないのでわかるらしい。これからお茶を買うときの参考になる!と思った。


紅茶もおいしかった。


山本さん、ご主人と順に用事があると去って行った。
最後は奥さんの人生相談に近かった。

・お茶を通して、「健康が大切」ということを伝えたい。健康を悪くするような知らないことがたくさんあるから気づいてほしい。そして、気づいたことを周りに伝えてほしい。

・お茶は小さな茶器で飲むと何回も淹れなければならない。それが相手のために淹れているというおもてなしになる。

・職人さんはみんな親切に話してくれる人が多いけど、合わない人には話さない。結局、人が大事。

・日記を書いた方がいい。日記を書くとどこに感動したかわかる。考えて整理して書いたことで他人に伝えられる。自分の引き出しになる。


まさかこんなにも人生の先輩から勉強になるお話が聞けるとは思っていなかったのでありがたかった。
気がつけば、ここに来てから2時間半ほど経っていた。たまたま忙しくなくて長時間にも渡ってお話ができたので幸運だった。

最後に、

「人生には好きなことをしてゆっくり考える時間が大切。また連絡してね。」

と言ってくれた。なんて親身になって考えてくれる人なんだろうと涙が出そうになった。

お母さんのような存在のゆげさん。「あなたは素直ね。」と言ってくれたゆげさん。

まさに広川町のゴッドマザーだった。

この体験を通して、改めて広川町の人のあたたかさ、またゆげさんに会いに来よう、これから自分のやりたいことをやってゆげさんに報告しよう、そう決意したのだった。

②へつづく。


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