【良書】非デザイナーにこそおススメしたい「まんがでわかるデザイン思考」
デザイナーあるいはデザイン業務に携わっていない方に、一冊だけ何かデザイン関連の書籍を薦めるとしたら「まんがでわかるデザイン思考」(2017/10/30・小学館)を挙げたいと思います。
「デザイン≠見た目」を伝える難しさ
昨年、経済産業省・特許庁が「デザイン経営」宣言(https://www.meti.go.jp/press/2018/05/20180523002/20180523002-1.pdf)を発表し「デザインを重要な経営資源として活用しましょう」と提言してました。けれど、"design"という言葉が意匠ではないという前提知識が無いと、なかなかイメージしづらいのではないかと思います。
「デザイン」という言葉が、見た目という意味で実際に使われてしまっているから。
(↓ デザインについて分かるnoteの記事としては、こちらもお勧めしたいです)
デザインに携わる者として、デザインの本来の価値を正しく伝えたい。
とはいえ押し付けにはしたくないし、楽しみながら触れてほしい。
そんな時に見つけた本が「まんがでわかるデザイン思考」でした。
あらすじ
カフェチェーンの赤字店舗を任された主人公が、たまたま客として訪れたデザイン思考を教わりながら、店長として他の従業員とお店を盛り上げていくというストーリー。
(「マンガで分かる」系の本としては王道のあらすじですね・笑)
※マンガパートの比重は半分以上あり、とてもとっつきやすいです。
主人公と一緒にデザイン思考に取り組んでいるような気持ちで読んで欲しい、ともかく分かりやすく伝えたい、という配慮なのだと思います。
実際に読んでみて
企画をするとき、あるいは自分で手を動かすときの頭の中を、目で見える形にして貰えたように思いました。自分自身でうまく言語化できない部分を補完するための本として重宝しています。
人に薦めてみて
同僚のSEに紹介したら、買って読んでくれたうえに、「以前、観察が重要だと言っていたけど、なぜなのかが理解できました」といった話をしてくれました。
デザインを理解できると何が嬉しいのか
非デザイナーがデザインの本質を理解していることは強みになると思います。
なぜなら、あらゆるモノ・サービス・制度・しくみ等々は、それを利用する人間にとって「嬉しい」「心地よい」などポジティブな気持ちになってこそ価値を発揮するから。
デザイナーやその周辺職の人々が無意識的に行っていたことを、再現性のある知識として体系化されたのがデザイン思考です。
デザインとは、センスとかそういったふわっとしたものではなく、やり方のコツを知れば誰にでも活用できるものなのです。
(デザイン思考は、意味合い的には「問題解決思考」と捉えると、分かりやすいのではと思います)
まとめ
「作った(あるいは運用している)モノ・サービス・制度・しくみを、実際に利用してもらいたい、親しんでもらいたい」
そう思ったことがある方なら、どなたにでもお勧めできる本です。
「イノベーション」といった大げさなものに限らず、日々の定常業務の改善の種を探すヒントにもなると思います。
■本書の主な構成
第1章 創造的覚悟
第2章 着想1「潜在的ニーズ」
第3章 着想2「普通を見直す」
第4章 着想3「カスタマージャーニー」
第5章 発案1「ブレインストーミング」
第6章 発案2「プロトタイピング」
第7章 実現「プレゼンテーション」
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