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倍音次数と音階の関係03 第11倍音も使える!

01で倍音次数ごとにどのくらい音程がずれているのかを述べた。そして02で約31.7セント低い第7倍音の実用化について述べた。
今回も同様に 発音音程=基音音程x自然倍音音程 の原理に沿って 第11倍音を実用化していく。

第11倍音は上記五線譜に書いたように、約51.3セント高い「ファ」・約48.7セント低い「ファ#」、実質ど真ん中である。ということは、約50セント基音の音程がずれている状態にすれば良い。

実例:テナートロンボーンの実音高Es

B管テナートロンボーン、実音高Es(シューマン交響曲3番で頻出する音)
・よく知られる:第3ポジション(正確な基音As)x 第12倍音
・必殺!:第2ポジションと第1ポジションの中間(基音AとBの中間)x 第11倍音

実例:ホルンの実音高D(要gest)

B管ホルン+gestバルブ、実音高D(ブラームス交響曲2番やマーラー交響曲1番で頻出する音)
・よく知られる:12(正確な基音G)x 第12倍音
・よく知られる:0(123を押さない)(正確な基音B)x 第10倍音 ※大抵音程が低め
・必殺!:0(123を押さない)+gest(基音AsとAの中間)x 第11倍音

基音 x 第11倍音 による 実音高Es、高D

トロンボーンはスライド長の微調整が効くため、第10倍音で高Dを出す際はポジションを近め=基音を高めにすれば正確な実音高Dを発生することができる。しかし、ホルンやユーフォニアムと言ったバルブ式楽器では基音を高くする側の微調整がほとんど効かないため、運指0 x 第10倍音による高Dは理論上低く実際低い楽器がほとんどである。そのため、教則本や「先輩の教え」では禁則としている場合も多い。
いっぽうで、運指12x第12倍音 の場合、倍音次数が高い分打率が下がるリスクがある。
上記の第11倍音による高Dは、第10倍音のような音程のぶら下がりはなく、第12倍音より打率も上がる。管長が12より短い分発音もはやい。

実例:ユーフォニアムの実音高D

例外的に、ユーフォニアムで実音高Dを運指2 x 第11倍音 で取ることがある。計算上 約51.3セント高いのだが、運指0 x 第10倍音での高Dがよほど低く嫌っている場合と思われる。以下の1:33、1:44、1:47、1:55。

実例:運指123x第11倍音による実音B

基音がとても高くなる運指123 x 第11倍音でも 計算上はピッタリの実音Bが得られるが、実用上のメリットはないと思われる。

次回は第13倍音について書きたい。

以上


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