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エジプト遠征

3月8日から16日でグランプリに出場するためエジプト・アレクサンドリアへ行ってきました。
今回はその振り返り・旅編です。
今回は遠征中にちょこちょこ書き溜めていたものを後から編集したものなので、時間的視点が統一できていないかもしれませんが、ご了承ください。

3月8日

午前は筑波大で稽古。関東に越してきたために羽田空港までが近くなり、集合日に稽古してから集合できるようになりました。これはかなり助かります。
まぁ、今回は集合時間がこれまでに比べて遅めというのもあるのですが。

羽田が近くなったとはいえ、その代償にバス・電車・モノレールを乗り継がねばなりません。まずはバス。自宅を出てバス停に向かいます。しかし、越してきたばかりでこのバス停を利用するのは初めて。マップで予習していても正確な位置は把握できていません。しかも、大荷物と昼間の日差し。外を歩くには悪条件が揃っています。
バス停付近で信号を渡り、歩道に入ろうとすると工事中なようで、コーンが置かれています。あれ、、と思っていると、作業員の方に声をかけられました。よほど目が細くなっていたのか、「目が不自由なんですか?」と尋ねられました。
その作業員の方がバス停まで案内してくださり、すごく助かりました。ありがとうございます。

つくば駅から電車に乗り秋葉原、浜松町と乗り換えて最後は東京モノレールで羽田へ。
最近は羽田への出入りには京急を使っていたので、かなり久しぶりのモノレール。今回なぜモノレールを選んだかと言うと、今回はキャリーケースを2つ持って行っているので、荷物置き場のあるモノレールを選びました。また、人の多い品川駅でケースを2つ引きながら移動したりエレベーターを探したりできる自信がなかったというのもあります。

とにかく久々の東京モノレール。
…めっちゃ揺れますね。
すごい揺れる。前に読んだネット記事に、東京モノレールに乗った時は何をして過ごすかというアンケートの結果が載っていました。大半の人が「外の景色を見る」ことが多いと回答しており、その記事では、揺れ過ぎて新聞も本もスマホも読んだり見たりできたもんじゃないからであると考察されていました。納得です。

16時半ごろ羽田空港に到着しました。とりあえず出発ロビーの集合場所へ。ここからは着替えたり、飲料や食料を購入したり、それらをカバンに詰めたり、通貨を両替したり、そんな時間です。
合間を見つけて吉野家でネギ塩豚丼もいただきました。大盛です。おいしかったです。

20時ごろからチェックイン。首都圏の路線図が全く理解できないという話題で待ち時間を過ごしました。総武線?中央線?京浜東北線?東海道本線?山手線?埼京線?宇都宮線?京王新線?都営?メトロ?わけがわからないと嘆いていると乗換案内を使えと一蹴されましたが、とりあえず上野東京ラインが悪いことは明らかになりました。

出発前の集合写真

いつもの時間のいつもの便、ターキッシュエアラインズ199便。この便に乗るのはこれで4度目です。
いつものゲートから搭乗し、出発を待ちます。ありがたいことに定刻10分前に搭乗を完了し出発しました。

機内では概ね予定通り。今回は機内食を控えめに、あらかじめ調達しておいたおにぎりをメインで食べることにして、睡眠時間と胃腸の負荷にも細心の注意を払います。
搭乗して数時間は起きているつもりでいたので、まずはダウンロードしておいた劇場版ポケモン「裂空の訪問者デオキシス」を鑑賞。以前にも観たことはありますが、再度観ても非常におもしろいです。ポケモン映画の中でも好きな3本に入ると思います。それほどポケモンに詳しいわけではないですが…
その後は「東のエデン」の冒頭2話ほどを視聴。この作品は私の中では最も好きな作品のひとつです。何度観ても飽きません。

その後は睡眠。狭い席の上なので熟睡こそできませんが、浅い眠りを繰り返しながら今回はそこそこよく眠れました。2度目の機内食の直前まで眠り、機内食の野菜を齧りながら、こちらは機内で調達したおにぎりをいただきました。
やはり、健康のためには普段と同じような食事が、特に主食には米が必要ではないかと思います。

3月9日

トルコ時間午前6時ごろイスタンブール空港へ到着。予定よりやや早く到着しました。当初の予定ではトランジットは90分。かなりの駆け足になると予想していましたが、この早着と、次便の出発が30分遅れとなったことでそれなりに余裕のある乗り継ぎとなりました。

カイロまではTK690便で2時間半ほどのフライト。ここでは再び劇場版ポケモン「水の都の護神ラティアスとラティオス」を鑑賞。ポケモン映画で最も好きな作品です。ストーリーや絵、キャラクターもとても素晴らしいのですが、特に音楽が好きです。途中のBGMも最後の主題歌も名曲です。
そして、この作品は映画ではしゃべりがちな伝説のポケモンが人語を話さないというのも特徴ですが、それが逆にポケモンの感情をよく表していて、そういったところもこの作品の好きなポイントです。

映画を観終えたころ、アフリカ大陸上空に入りました。カイロに近づきだんだん飛行機は高度を下げていきます。ちょうど窓側の席だった私は外の景色を写真に収めることができました。

機窓から

アフリカの大地はとにかく茶色。
街が近づいてきましたが、それでも地面は全部茶色。
その茶色の中に三角の建造物を捉えることができました。ピラミッドです。

遠くにピラミッド
先ほどよりも少し大きめにピラミッド

大興奮です。窓からパシャパシャと写真を撮り、周りの日本チームメンバーにピラミッドが写ってると報告すると、「後で写真を送ってくれ」とのこと(笑)
そんな話をしていると通路側に座っていた外国人の女性からもその写真をくれないかと声をかけられました。
くれって言われても、、あ、AirDropならば! iPhone? oh,ok! AirDrop, AirDrop! what’s your phone name? whitch?
最終的にはAirDropの画面を開いた携帯を渡しました。セキュリティ(笑)

カイロに着陸。飛行機を降りると現地の案内のスタッフが出迎えてくれました。入国審査前のエリアに入ってきて大丈夫なんですか??

先にビザを取得していたために入国審査はスルーだそうで、提出したパスポートの数とチームの人数を数えたのみで入国ゲート横を通してくれました。うーん、緩い!

INVEST IN EGYPT
謎の像

荷物を回収してここからはバス移動。大会が開催されるアレクサンドリアへ向かいます。およそ3時間の道のり。
本来であればイスタンブールからアレクサンドリアへの直行便に乗る予定でしたが、先日のトルコ地震の影響で減便されているそうで、日程的にカイロ経由しかなかったようです。

現地スタッフがバスに荷物を積んでくれていましたが、全部入り切らないと見るや否や車の屋根の上に積み始めました。おいおいマジかよ、といった感じでした。車がそういうことができる構造になっているとはいえ、キャリーケースのようなものは日本では車上には載せないでしょう。やはり国が違うと価値観や感覚も大きく変わるんだなぁと実感しました。

バスでの移動は約3時間。乗ってしばらくすると、外にピラミッドが見えるようです。私の肉眼では見えませんし、なかなかうまく写真に収めることはできませんでしたが、とりあえず捉えることはできました。

周りの建物と比較するとその大きさがよくわかります

しばらくして昼食。イスタンブール行きの機内で確保していたおにぎりを3個ほど。これと同じころにWBCの初戦が始まりました。prime videoで中継とのことで接続。本来prime videoは海外から繋がらないのですが、今回はVPNを確保できたので、視聴できました。かなり楽しみにしていた大会ですが、タイミング悪く遠征と重なってしまいました。可能な限りprimeで観戦しようと思います。

初戦は対中国。先発は大谷選手。初回から先制。まぁ、負けることはないだろうと思ってはいましたが、序盤はなかなか安心できない展開でした。

野球を見ているうちにだんだん眠くなってきてしまい、少し仮眠。気づけば目的地のホテル周辺でした。

WBCを映したスマホを片手にホテルにチェックイン。謎のマスコットが出迎えてくれました。

今回のホテルはRadisson Hotels。土地が有り余っているのか、なかなか広大な敷地と大きな建物です。

屋外プール
中庭

2つの屋外プールやホールも設置されています。部屋もなかなか広く、快適です。

到着した後は軽食をとって部屋で少し休み、ホテル内を確認に回りました。部屋から食事会場、トレーニングジム、スパなどへの経路をチーム全員で確認します。広いだけあって、宿泊している部屋がある棟から一度外に出て中庭を通って向かいの棟のさらに向こうに食事会場、トレーニングジムなどがあります。
練習用道場は別の出入口から出て向かいのホール内。ところどころ数段の階段があるため、日差しが強い日中の移動は気をつけなければいけません。

施設の確認を終えると夕食。食事のメニューはあまり良いとは言えない感じです。日本人の口には合わないものが多いのではないでしょうか。パンやパスタは美味しそうですが、試合まで小麦を控えたい私には手が出せません。
今回は日本から大量のお湯で戻すタイプのアルファ米を持参しているので、おそらく大丈夫でしょう。

3月10日

朝は6時からチーム全員でストレッチです。時差ボケ解消と体を起こす目的ですが、朝早いのは嫌いです。

集合して外に出ると辺りは濃い霧に包まれていました。
海が近いからでしょうか。ここまでの霧はなかなか経験したことがありません。
あと、蚊がすごいです。まだそれほど暑い季節ではないはずなのですが、かなりの数が飛んでいます。長袖長ズボンという服装でしたが、わずかに出ていた手首や足首を刺されてしまいました。かゆい…

この日から調整練習です。今回もホテル内に畳が敷かれたスペースがあり、使用時間が国ごとに設定されています。

国ごとのグループ分け
各グループの使用可能時間

今回日本チームは3日とも午後に設定されており、午前中は暇になってしまいました。
試合は朝からですから、その準備としては朝に何もしないわけにはいきません。ということで、朝はホテルのジムを利用して走ることにしました。
また、今回は「脱・スロースターター」ということで、朝のランニングで心拍を上げ、柔道で最初から全力で動けるようにしようという作戦を立てました。

アドバイザーの佐藤伸一郎先生の提案で、運動時の心拍を記録して調子との因果関係を記録しようと、心拍の測定器を取り付けて走ります。

朝食を終え、少し休んで9時。ジムに向かいます。
とりあえず準備運動、シャドウピッチングで体を温めます。
ランニングマシーンに乗りウォーキング、ジョグと少しずつ強度を上げて、ランニングとダッシュの間くらいの速度へスピードアップ。
これを30秒〜1分ほど走り一旦ウォーキングまで戻してインターバル。2分ほど空けて再度スピードアップ。同じくらい走りそのままウォーキングの速度まで落とし2分ほど息を整えながら歩いて終了。
スピードを最大にしたあたりで心拍が180前後を目安にしています。

時間にすれば準備運動を含め20分程度の運動ですが、これだけでかなり汗だくです。体もかなり熱い。
ジムを出たすぐ目の前にプールがあるのですが、飛び込みたいという衝動を抑えるのが大変でした。
というのも、勝手なジンクスではあるのですが、これまでの海外での国際大会でホテルのプールを利用した時は結果が芳しくなく、プールがなかった、もしくは利用しなかった際には結果が出ているのです。ですので今回プールはお預け。利用するにしても試合が終わってからということにしました。

午後は17時半から調整練習。正直ここまで暇で仕方ありませんでした。ホテルの周りはほとんど何もありませんし、部屋でゴロゴロしていました。

17時過ぎに集合。宿泊している棟の向かい側の建物に設置された練習会場へ向かいます。なかなかの広さの畳が敷かれており、狭めの6面とその横にさらにスペースがあり、実質9面分。講道館の大道場と同じかやや広いくらいあります。しかし、畳が汚い。約1時間半の調整練習でしたが、今日使用した道着はところどころ黒?茶色?く汚れてしまいました。

この建物の中がアップ会場でした。

練習を終えて、さぁ帰ろうかというタイミングで大会側のカメラマンが写真を撮るからこっちへ来いと道場の反対側に呼ばれました。

写真を撮るなら道着がきれいな練習前にしてくれよと愚痴をこぼしながら会場の一角に設けられた撮影場所へ行くと、なかなか本格的な照明器具が置かれています。
結構本気な撮影のようです。
この時の写真を後からエジプト視覚障害者スポーツ連盟のFacebookで見つけました。たしかになかなかのクオリティ。カッコよく撮っていただきありがとうございます。

まずは選手6人で
スタッフも一緒に
最後に個人写真
何かポーズをとれと言われたので
腕を組んでみました。

撮影を終えて部屋へ戻り、諸々を片付けいざシャワーを浴びようと全裸になった瞬間、暗闇に包まれました。
どうやら一帯の停電のようで、窓から見るに他の部屋や外の灯りも消えています。
しかし、これはどうしたものか。もし何かしらの事故などによる停電で避難しなければならないとなると非常にまずい。
私は現在全裸であります( ̄^ ̄)ゞ
さっさと服を着ればいいのに部屋の中をウロウロとしていると2分ほどで復旧しました。
その後は何事もなくシャワーを浴びることができました。

夕食後、ランドリーサービスを利用しようと、洗濯物を抱えて宿泊している棟の1階にあるフロントへ。すると、今日のランドリーの受付は終わったというので、部屋へ引き返します。
ここから長い戦いになるとは夢にも思いませんでした…

3月11日

本日も朝のストレッチから。昨日と同じように霧が出ています。

朝食を終え部屋に戻ってトイレへ。便座に腰掛け考え事をしながら用を足していると、フッと電気が消えました。3秒とかからず停電だと理解できたのですが、その3秒間、無意識に体を左右にモゾモゾと動かしていました。
そう、日本では度々トイレで考え事をしていると、センサーが動きを感知しなくなり照明が消えることがあるのです。その際に体を動かしてセンサーに感知させる癖が無意識に出てしまったようです。そのことに気づいた時、一人でニヤついてしまいました。

今日も朝からランニング。8時からジムへ行き昨日と同じように20分程度。なかなか調子が良さそうです。

部屋に戻りシャワーを浴びて、治療を受けて、いざフロントへ。洗濯物です。
昨日と同じように洗濯物を入れたランドリーバッグを抱えます。午前11時までに洗濯物を出すと当日中に返ってくるとのことだったので、この時間に行けば問題ないだろうと楽観的に構えていました。
しかし、フロントへ行くと部屋で待ってろと言われました。おそらくルームクリーニングの際に回収するのだろうと解釈して引き返します。

しかし待てども待てどもルームクリーニングさえやってくる気配がありません。11時を過ぎると当日中に洗濯物は返ってこなくなります。ハラハラして待っているとドアをノックする音。安堵とともにドアを開けるとルームクリーニングのおっちゃん。ルームメイクは必要か聞かれたので「Yes, please」と返すと、「5 minutes」と言われました。
私もここへ来て3日目。十分理解しています。もうわかってしまっているのです。彼は順番に部屋を回ってルームクリーニングが必要か尋ね、必要だと言った客には5分後にルームクリーニングが来ると予告し次の部屋へ同じ質問に行きます。しかし、ルームクリーニングは5分後には来ないのです。
なぜか。私は今日も廊下へ顔だけを出し左右をキョロキョロ。ルームクリーニングのワゴンは4つほど左の部屋の前にあるように見えます。
1時間くらいかな…
洗濯物を今日中に受け取るのは絶望的です。

しかし私にはなす術がありません。
大人しくクリーニングを待ちます。
私の予想通り1時間ほどして再びノックの音。ドアを開けるとルームクリーニングのワゴンを背にさっきとは別のおっちゃんが立っていました。

そろそろチェコ戦が始まるなとスマホでprime videoを開いたり閉じたりしながら10分ほど待つとクリーニングが終わったようでした。
そのまま部屋を去ろうとするおっちゃんに声をかけこれを頼むとランドリーバッグいっぱいの洗濯物を差し出しました。
するとなぜか少し困ったような雰囲気を出しながら電話をかけるから待ってくれと言っています。どうやらランドリーサービスの受付はルームクリーニングの担当ではないらしく、別の係のスタッフを呼ぶようです。
電話をかけ終えた後おっちゃんはここで待ってろと私に言い残して次の部屋のクリーニングに行ってしまいました。少し納得いきませんがこれでようやく洗濯物を受け取ってもらえるとひと安心。
しばらくして制服を着たスタッフがやってきました。彼は隣の部屋にいる先ほどのおっちゃんといくらか言葉を交わした後私の部屋に入ってきては電話をかけろと言ってきました。私が理解できずにいるとズンズンと部屋の奥に進み、部屋の中の電話で内線をかけ始めました。そして向こうに繋がる前に未だ状況を飲み込めない私に受話器を押しつけてきます。
なんとなく状況を掴めてきた私は電話口の向こうの人へ「ランドリーサービスプリーズ」と噛み噛みでカタコトの3つの単語を放り投げます。すると私のリスニング能力を遥かに超える数十もの単語が私の耳を貫きました。
「オ、オーケー…サンキュー」
悪い癖です。わかってもないのにわかったように返事をしてしまいました。
それを見た私の隣の制服の彼は満足そうに帰って行きました。部屋に一人残された私は再度状況を整理。
おそらくあのスタッフもランドリーの担当ではないのでしょう。そして今電話をかけたのがランドリーの受付。そしてわざわざ部屋から電話をかけたということは担当の者が洗濯物を取りに来るのだろうということ。おそらくこれで間違いないでしょう。
ならば部屋で待つしかない。

数十分経ちますが未だに誰も来ません。
そろそろ昼食ですし、ここは一旦諦めて英語のできる誰かに相談することにしました。コーチの阿部先生にお願いしてみると、昼食後にフロントへ一緒に行ってくれるとのことでした。

14時過ぎフロントへ向かい、そこにいた若い女性スタッフにランドリーをお願いしたい旨を伝えました。このスタッフは今朝対応してくれた人と同じ人です。
フロントに電話して部屋で待っていたが取りに来ない、連絡するから部屋で待っててくれ、さっきもそう言われた、そんな問答が続きます。この後練習の予定だから早くしてくれと阿部先生がそこそこ強気に出てくれたおかげで、30分以内にはランドリーサービスの者が取りに行くとの返答をもらいました。
さすがにもうこれで大丈夫だろうと安堵していましたが、思い返せば5分後と言って1時間待たされる先例があります。国民性なのでしょうか…?
案の定というか、厄介なことにやはり30分経っても誰も来ませんでした。
「誰も」と言うのは誤りでした。テーピングをお願いしていたトレーナーの野中先生だけでした。

練習へ行く集合は15時半。まもなく15時。阿部先生に連絡を取り、再度フロントへ。まだ来ないぞと詰めるとさすがに向こうも申し訳なく思っているのかランドリーサービスの担当者を今ここに呼ぶという決着になりました。そして彼女は言います。
「5 minutes」

約10分後、ランドリーサービスのシャツを着たスタッフが到着。ようやく洗濯物を引き取ってもらうことができました。

調整練習は昨日よりも体が良く動いているように感じました。
体のバランスも足腰の感覚も万全ではないにしても昨日よりは確実に良い実感があるのはかなり安心です。
昨日と同じようなメニューをこなし1時間半弱で練習を終えました。

練習を終えて一息ついている時に高垣監督と若林先生と雑談をしていたのですが、監督が唐突に私の方に向き直ったかと思うとこう言いました。
「エジプトという国は…ピラミッドの奥に何が隠されているのかわからへん国やけど、人の心というのも中に何が隠れているのかわからへんもんやなぁ…」
何があったんですか、監督?!

夜になると到着が遅れていた各国の選手がホテルに着いたという話を聞きました。なんでも、元々は昨日到着の予定だったが、霧の影響でアレクサンドリアに降りられず、カイロに飛ばされそこから陸路でやってきたのだそうです。カザフやスウェーデンらの国が被害に遭ったとのことでした。
軽量級は明日が計量で明後日が試合です。大丈夫でしょうか…?
対戦相手の心配をするほど私も余裕ではありませんが。

3月12日

昨日までと同様に朝のストレッチ、朝食、ランニング。今日もまた昨日より調子が上がっているようですが、少し疲れが出てきているようにも思われました。調整練習は昨日より軽めがいいかななどと考えながらシャワーを浴びます。

今日は予定では多忙です。プレ柔道着コントロール、計量、ドローなどがあります。
午後は調整練習もやるし大変だなぁと思っていましたが、若林先生から練習が早まるかもという情報をもらいました。
なんでも、大会運営側から今日の練習時間はフリーに変更するとの通達があったそうで、日本も午前中に調整を行うようです。
結局練習は11時から。

昨日洗濯に出した一昨日の柔道着などの洗濯物は、今日の練習開始予定が14時だったため、13時までに返してくれるようフロントにお願いしていました。しかし、時間が早まったためその道着は使えません。
やむを得ず昨日の練習で使った道着を今日も使うことにします。一応、もしもの時に備えて、かなり強力な除菌スプレー(無臭)を振りかけて干しておいたので、それほど汗臭さなどは感じません。あまり良い気分ではありませんが。
まぁ、聞けば海外遠征時に道着を毎日替えたりするのは私の他に1人2人いるかどうかで、今回の遠征メンバーも大半の選手は練習道着は使い回し、もしくは試合着を練習でも着ているのだそうです。
私が汗の量が多いからなのか、正直ちょっと受け入れ難い。

付け加えておくと、13時までに返してくれるよう取り付けておいた洗濯物はもちろん13時までには返ってきませんでした。
ランドリーサービスとの戦いの最終章がこの後に控えています。

調整練習は軽めに。先生方には、私が動きすぎていると感じたら止めてくださいとお願いしておきました。
動き出すとついつい調子に乗って動いてしまいます。

体の調子はなかなか好調。後から聞いたところでは、動きのキレが良すぎて試合まで保つか心配だったとのことでした。

練習時間がフリーとなっていたからか、練習会場は前2日に比べるとかなり混んでいました。

練習会場

練習は予定通り軽めで切り上げました。

練習を終え、シャワーを浴びて昼食。一応体重を気にしてやや少なめに。いつも通り食べても十分落とせる算段はありましたが、疲労が溜まっていそうだったので、これ以上動きたくない、サウナで体力を削りたくないという心理が働きました。今回は部屋にバスタブがなかったこともこの考えを後押しする要因としてあったかもしれません。

昼食を終えて部屋に戻ってすぐ連絡が入り、今からでもプレ柔道着コントロールに行けるとのこと。早く済むならその方が良いと急遽向かうことにしました。
道着を2着カバンに詰めて会場となる会議室へ向かうとそこは大渋滞。
白道着に着替えてしばらく並んでいましたが列が進む気配がありません。
やむを得ず一時撤退。同じフロアにすこしひらけた場所に丸机と椅子が数セット並んだ場所があったので、先生方とそこで待機します。その間にもWBCを観戦。

待っている間に女子の日本人選手はもうコントロールを済ませて部屋へ帰って行きました。男子の方は人数が多いからかなかなか空かず。
30分経ったかどうかというところで再突入。カザフスタンチームが一帯を占拠していましたが、部屋の一方に偏っていたので反対側から侵入。列などあってないようなものなので、他の国の選手も隙を見ては入り込んでいます。
意外にスムーズに検査のデスクまで到着。まず白道着からチェックを受けます。終わったらその場ですぐに青道着に着替えて再度チェック。
デスクでは担当のおじさんが選手のリストにチェックを入れているようですが、しかし、ここでチェックを受けた道着が試合の時に選手が来ている道着と同一のものか証明する方法などないでしょうから、いったいこれはなんの意味があるんだ?と、30分以上待ったのでなおさら納得できず、ただ疲れただけでした。

部屋に戻って後は計量までのんびりしようと少し仮眠。

仮計量は17:30から、本計量は18:00からです。特に問題ないことは明らかだったので、仮計量は一度乗れれば十分。ということで、17:45ごろに計量会場に向かいました。計量会場は柔道着コントロールを行なった会議室の並びで、それよりも広めの部屋です。
会場に着くとすでに列ができていました。どうやら本計量の列のようでとりあえずはそこに並ばず一番前へ。一度体重計に乗って問題ないことを確認。その後列の最後尾に並びます。
以前の計量は階級ごとに呼び出されて体重計に乗っていたのですが、最近は階級混合で一列に並べる場合が多くなっているように思います。なんと雑な…
最後尾に並ぶと前にはイギリスの選手とコーチ。選手はJ1の73kg級です。彼の頭頂部はすでにやや淋しい感じになっているのですが、イギリスのコーチはそれを指しながら、「こいつはまだ20代なんだ」と笑いながら話していました。
イギリスのコーチは大の日本好きで、毎度フレンドリーに話しかけてくれます。この時も今度日本に行くんだという話を聞かせてくれました。健常者のナショナルチームとパラの選手数人で日本に出稽古するそうです。出稽古の行先を日本と韓国とどっちにするかと聞かれたから迷わず日本と答えたよと言っていました。また、12月のグランプリで来日する際には大会後にいくらか日本に留まって観光をする、クリスマスバケーションだ! とも言っていました。

列に並んでいる間にカザフチームのコーチが列の前から後ろへ並んでいる選手とコーチ達を動画に撮っていました。私の前にやってきた時に「Hello, Seto」と話しかけられたので、こちらも挨拶を返しグータッチ。なぜかカザフチームには気に入られていて、選手だけでなくコーチもフレンドリーに接してくれます。

18時を回って計量スタート。始まってしまえばスムーズです。体重は72.5kg。少なすぎます。

一度部屋に戻ってすぐに食事です。
減りすぎているのでたくさん食べなければならないのですが、思ったより食欲がなく、いつもの量よりやや多いくらいでした。

食事が終わると次は治療を受けます。
調子の悪い足首を野中先生に診てもらっていたちょうどその時、最終決戦のゴングが鳴ったのでした…

そう、因縁のランドリーサービスです。今日の13時までに洗濯物を返してくれると言っていたにもかかわらず、13時どころか夕方になっても返ってこなかった洗濯物をこのタイミングで届けにきたのでした。

洗濯物を受け取るだけだろう、そう思っていましたが、今ここで代金を支払えと言うのです。チェックアウト時に精算すると聞いていたので私はまたも混乱。おっちゃんは300、300と言ってきます。「300エジプトポンドか?」「そうだ」「ドルかユーロだといくらだ」「No」「エジプトポンドオンリーなの?」「^ ^」
必要ないだろうと思いエジプトポンドは持ち合わせていません。どうしたものか…
「カードは使えるか?」「OK、ついて来い」
えぇ…(困惑)

野中先生を部屋に残して財布を片手におっちゃんについていきます。エレベーターホールに着くとここで待てと言われ、どうやら同じ状況であろう土屋選手とその場にあった椅子に座ります。おっちゃんはエレベーターで下へ。そろそろ20時になろうかという時間で、20時からはドローが始まります。YouTubeで配信されますが、スマホは部屋に置いてきてしまいました…。リアタイは諦めます。

しばらくするとおっちゃんが戻ってきました。そして、またついて来いと言ってエレベーターに乗り込みます。
あんたは今何をしてきたんだ…?
てっきりカード決済用の端末を持ってくるものだと思っていましたが、違うみたいです。私は土屋さんを手引きしながらついていきます。おっちゃんはどうやらロビーのフロントまで行くようです。ロビーのフロントまでは宿泊棟を出て中庭を横切り、別の棟の廊下をぐるっと歩いてロビーまで出ねばなりません。歩くと早足でも3分ほど要します。この時点で私はゲンナリ。

部屋から中庭を見下ろした図。
ロビーは左に見える棟のさらに奥にあります。


重い足取りでフロントに到着すると、支払い自体はスムーズでした。
しかし、ここからまた来た道を戻らねばなりません。おっちゃんはにこやかに見送ってくれました。

部屋に戻って野中先生にお詫びを述べつつ治療を再開。同時にドローの配信を視聴。海外に出てもお偉いさんの話というのは長いものですね。

ドローが終わった後は映像分析。
今回も若林先生の部屋にお邪魔します。

毎度同じように対戦の可能性がある選手の映像をチェックして、警戒すべき点などを再確認します。
リトアニアの選手の映像として東京パラの73kg級、永井選手との試合が映されました。テレビ映像をそのまま録画したもので、複数のカメラの映像が切り替わりながら流されています。その中で一瞬、コーチボックスの若林先生が映りました。その瞬間私は「あれ?」と声を発し、今隣にいる若林先生の方を凝視してしまいました。すぐに見られていることに気づいた先生は「なに?(笑)」と意図を察した様子で聞いてきます。
明らかに太いのです。今、目の前にいる若林先生の方が。

私は若林先生のダイエットを応援しています。

3月13日

朝は5時起床。部屋ですこしストレッチをしてから朝食。そのまま部屋で自前の食料を食べます。
6時からランニング。終えたら部屋に戻ってシャワーを浴び、7時から体のケアをしてもらいました。

ホテル出発は8時。ロビー前からバスが出ます。
バスが出発すると、車内には大音量で音楽が流れ始めました。運転手が流しているのか、車内に設置されたスピーカーから馴染みのない曲調の音楽が流れてきます。ご丁寧に車内左右に一列ごとにスピーカーが付いているようで、私の真上のスピーカーの音を絞っても耳に届く音量はさほど変わりません。そんなに神経質になるタイプではありませんが、この時間は好きな曲をゆったり聞きたいんだけど…
国民性なのか、これと似た状況はこの後また訪れます。

試合会場は試合場が3面。アップ会場もかなりの広さがありますが、特にアップ会場はホテルに敷いていた畳をそのまま持ってきているそうで、畳の質はあまり良くありませんし、ところどころ段差や隙間がありました。
というか、なんと、私達が到着した時点でまだ畳が敷き終わっていませんでした。大会運営側も切羽詰まっているようです。

試合の内容等は別記事で。

試合の合間の昼休憩。かなり疲弊し、ダメージを受け、テンションも低い状態の私ですが、さらに悪環境が重なりました。
またもや爆音ミュージック。今度はボランティアの学生達によるバイブスをアゲてくカンジの音楽が大音量で会場に鳴り響きます。
これにはさすがにイライラ。気持ちを乱されるというのはもちろんですが、唐突に爆音が鳴り出したりするので、耳と心臓に良くない。頭も痛くなってくる。そして、音が大きすぎてまともに会話もできない。
しかし文句を言う元気もなく、小さく丸まって耐えていました。

午後の部が近づいたころにはいつの間にか音楽を止んでいましたが、この戦いもまたこれだけでは終わらなかったのでした。

試合を終えて表彰式。あまりテンションは上がらないながらも、3位に入れただけ良かったといくらか気分は持ち直し、しかし体は疲れ切っていました。

表彰式で私がもらった像を撮影する若林先生

ホテルに戻って一度部屋に戻って夕食。試合後までお預けにしていたプールに行くような元気はありません。そもそも気温がだいぶ下がっていたので、寒くて無理だったでしょうけれど…

痛めた手首も痛いので部屋で大人しくしていることにしました。

3月14日

朝は7時前ごろに起床。なかなかしんどいので、監督に相談して他の選手より1時間遅いバスで会場に向かうことにしました。

ですのですこしゆっくり朝食を摂ります。昨日の夜からパンとパスタを解禁しました。朝食も油がたっぷり使われているであろうオムレツを注文します。カウンターで調理してくれるので、その前に並び、ハムとチーズをリクエスト。シェフ(?)が慣れた手つきで複数のオムレツを同時に焼いている様子を見ることができます。カッコイイ…私もこれくらい料理が上手になりたいものです。

痛めた手首を冷やしながらロビー前の正面出入口へ。何台かバスが停まっていますがどれに乗れば良いのかわかりません。

その場をうろうろしているとどこかのチームが車に乗り込んでいくのが見えました。なるほどあっちか、とそちらへ向かうと10人乗りくらいの車にカザフチームが乗り込んでいました。
こちらに気づいたそのうちの1人が「Hey! Seto! Let’s go with Qazakhstan team!」と声をかけてくれました。ほんとにカザフチームからは好かれているようです。車に乗ってからも何度も話しかけられました。「野球が好きなのか?」と聞かれた時には驚きました。中央アジアでも野球というスポーツは認知されているんですね。なぜ野球の話題が出たのかは明白。アップ会場の真ん中で毎度私がシャドウピッチングをしているからに違いないでしょう。アレ、意外とアップにいいんですよ

会場に到着したら一旦アップ会場へ。先生方に到着を知らせます。昨日試合を終えた選手もまだアップ会場で待機していたので私も一旦そこで休みます。
しばらくして昨日を試合を終えた選手と樋口先生とで観客席に向かいました。この会場は建物の中でアリーナがあるフロアから観客席に上がるには、アリーナの本部席裏と観客席最前列をつなぐ小さな階段の他は一度外に出なければなりません。
この日はエジプトなのに雨が降っており、少し面倒な移動でした。
調べてみるとアレクサンドリアの3月の降水日数は1〜2日ほどだそうで、珍しい日に当たりました。ホテルもそうでしたが、あまり雨が降らないからか建造物の床面や路面に水のコントロールをする機能は備わっていないらしく、そこらじゅうに水溜りができていました。

大会会場の外観
試合場

午前中は観客席でおとなしく観戦していました。
日本人選手の試合は全て午前中で終わり、後は昼食。アップ会場に戻ります。

アップ会場をうろついているとイギリスのコーチに声をかけられました。
私の手首の包帯を指してどんな具合かと聞いてきたので、あんまり良くないと答えました。やや残念そうなリアクションをしながら、「You’re good fighter. You are on championship.」と言ってくれました。どうやらこのコーチの中で私の評価は高いようで、数日前イギリスチームとエレベーターで一緒になった時も、イギリスの選手に私をgood fighterだと紹介してくれていました。

午前の試合は全て終わり昼休憩に入りました。昼食を食べていると今日も始まりました。
ボランティアの学生が今日もバイブスをアゲ始めたのです。数十分かけて盛り上がりはエスカレートしていきます。彼らは踊り出してしまいました。

周りを見渡すと休んでいる選手もいますし、コーチとミーティングをしている選手もいます。これは普通に迷惑でしょう…

トイレに行く際に彼らの近くを通ったので声をかけてみましたがまるで聞く耳を持たないようです。
若林先生が大会運営と各国の連絡用のチャットに書き込まれた内容を教えてくれました。「ここは大会会場ですか? ディスコですか?」

さすがに苦情が入ったのか、ボランティアの数人が各国のチームを回って確認を取っていました。日本チームのところにもやってきて、「この音楽は何か問題があるか?」と聞いてきたので、「ノイジーだ、音楽を止めてくれ」と伝えました。ちょっと強く言ってしまったと後から反省しましたが、さすがに頭が痛くなってきていたので許してほしい…
しばらくすると音楽は止みました。

日本人選手の表彰式が終わってホテルへ帰ります。ホテルのチェックアウトは日付が変わって午前1時。かなりタイトなスケジュール。荷造りを進めます。
今回はイスタンブールで20時間のトランジットがあるため、そこに必要な着替えなどは機内持込のリュックに詰めます。

夕食を食べいくらか仮眠をするかと考えていましたが、ダラダラと荷造りしたりYouTubeを開いたりしていると23時半を過ぎていました。集合は0時半です。眠れても30分。どうせ機内でも寝るとはいえ僅かでも寝ておいて損はなかろうと30分ほど仮眠。

日本チームで集合して、全員でフロントへ向かいました。ロビーには意外にも数カ国の選手団が大荷物を抱えて集合していました。
大会スケジュールでは明日1日が休み、明後日から合宿が組まれています。さらに明日の休みは観光の日となっており、観光ツアーが組まれているそうです。日本チームはフライトと経済的な点から早期離脱となりますが、てっきり他の国は観光までしていくだろうと思っていました。

大きなバスに乗り込んで空港へ向かいます。
アレクサンドリアのボルグ・エル・アラブ空港はあまり大きな空港ではないそうですが、国際線も複数定期便が発着するらしく、深夜にも関わらず人が多く栄えていました。

とはいえやはり地方空港。大量の人々を同時に捌く能力はないらしく、空港に入るための荷物検査の時点でかなり混雑していました。
私は眠っていたので気づかなかったのですが、どうもバスが道を間違えたらしく大幅に時間をロスしており、フライトまでの時間はギリギリ。

荷物検査

チェックインカウンターも混雑していましたが、こちらは予想よりスムーズに進んでいます。

チェックインカウンター
チェックイン待ちの列

チーム全員がチェックインを終えると係員に急かされながら出国審査へ。
チェックイン時に渡された出国カードを慌てて記入しながらの移動でした。
せっかく記入した出国カードでしたがほとんど見られることなく通過。入国の時もそうでしたが、そんな適当で大丈夫なんですか?

次は保安検査。この時私はサンダルを履いていたのですが、そのサンダルさえも脱がされました。肩、胴、腰、足も一通り触って危険物がないか確かめられ、なかなか厳重だなと感心していたのですが、慌てていたためにカバンから出し忘れていたペットボトルの水は検査をスルー。2本も入ってたのに。
やはり適当らしい…

搭乗ゲートも国際線とは思えないほどのスペースしかなく、やはり地方空港なのだなと実感。日本でこの規模の空港で国際便が飛んでいるところはあるのだろうかと考えてみたりしました。

ゲート前

イスタンブール行きのTK697便は定刻の3時40分をやや遅れて出発。2時間半ほどのフライト。ほとんどを寝て過ごしました。

3月15日

イスタンブールには現地時間7時半ごろに到着。とても不思議なのは、アレクサンドリアからイスタンブールでは北よりもやや西向きに進むのですが、時刻は進みます。それぞれの国での標準時の基準線の位置の問題ですが、直感的にはしっくりきませんね。

イスタンブールの空港はもう慣れたものです。いつもの経路を進み乗り継ぎ方面へ。しかし今回は一旦入国するということで、1年前以来の入国審査へ。パスポートと次のフライトの搭乗券を提示すると何も聞かれずに審査を通過しました。

フロアを一つ降りてターキッシュエアラインズのトランジットホテル予約カウンターへ。これも私と若林先生とで1年前の記憶を頼りに移動しましたが、意外と覚えているものですね。

無事手続きを完了し、ホテルを確保してもらうことができました。
しばらくするとバスの準備ができたと伝えてくれた係員の誘導でバス乗り場へ。
出入口には1年前と同じく軽機関銃を持った警備員。前に見た時と銃の種類が違うようです。日本ではまず見ることのない物騒な光景に、少し体が強張ってしまいます。

バス移動は約30分。
到着したのは現地時間9時半を過ぎたころ。チェックインの手続きにやや時間を要しましたが無事に部屋で横になることができました。

仮眠をとって13時ごろから昼食へ。予想していたものとは違い、きっちりとコースの料理が出てきました。メインのプレートには大きな肉。付け合わせのプライドポテトが美味しかったです。

昼食後は試合の振り返りということで、若林先生と動画を見ながら試合の反省。お互いに刺激をということで、西村選手と合同で反省会を行いました。
会はなかなか捗り2時間ほど。終わる頃には時差ボケか睡眠不足か、かなり眠たくなっていました。


空港への戻りは21時の出発。
飛行機の出発時刻まではかなりありますが、ホテルでは夕食が出ないとのことで、外に食べにいくより空港で各々食事をとった方がよかろうということで早めに空港へ向かうよう手配してくれました。

istanbul

再び車で30分、空港に到着。
荷物検査を通して空港内に入るとすぐに出国、保安検査。今回は水はスルーされなさそうなので予め捨てておきます。
検査に通した私の荷物は何か問題があったらしくアクリルパネルの向こう側へ送られてしまいました。係員の女性に私の荷物だと申し出るとモニターを眺めていた別の係員に確認を取った後、「medal」と言われました。いつぞやの記憶が呼び起こされながら恐る恐るカバンから銅メダルを取り出し係員に示します。
今回は持って行かれることなくその場でOKが出ました。前回も没収されたわけではなかったのですが、あの時は焦りました…

全員で集合場所と時間を確認して解散。若林先生、廣瀬順子選手と免税店の方へ。店の間にあるエスカレーターを登るとハンバーガーショップフロアに到着。この場所は5,6店舗のハンバーガーショップが並ぶフードコートのようなフロアです。
その中から若林先生イチオシのカールズjr.でハンバーガーのセットを購入。私も順子さんもかなり悩みました。

ドリンクは飲み放題

バーガー片手にミーティング。
おいしい…

1時間ほどここで時間を費やして場所を変えます。
次はターキッシュエアラインズのラウンジ。

ここに来るのも約1年ぶり
おいしいホットミール

ピザのようなミートパイやパスタなどを齧りながらミーティング。
おいしい…
イスタンブールに来たならばやはりここに来なければ。

集合前にはいくらか免税店を物色しましたが、荷物はいっぱいなため大したものは買えず。

3月16日

どうやら飛行機の出発が遅れるようでベンチに座って雑談。2時を過ぎたころに出発ゲートがモニターに掲示されるとのことですが、ネット上ではもう掲載されており、2時を待たず移動を開始しました。

遅れて出発時刻は3時40分。
優先搭乗が認められたので、一番乗りで搭乗。
席は後ろから3列目あたりでした。これはトイレが近くて良いなと思いましたが私は窓側。まぁ比較的トイレは少ない方なので問題はないでしょう。隣は帯同してくれているJISSの映像スタッフの方。その隣は一般の日本人女性。不安要素のない座席配置です。

フライトはおよそ11時間。
前半はほぼほぼ爆睡。気づけば機内食が出る時間でしたし、食べ終えてからも爆睡。
次に目が覚めた時にはもう中国の上でした。
そこからポケモン映画シリーズ。今回最後の劇場版ポケモンは「ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ」
これもなかなか良い作品です。

ポケモンを見終えてもまだ3時間ほどあります。他にダウンロードしていたアニメを適当に見たりスマホでゲームをしたりしていると2度目の機内食。
しかし、機内食ってなかなか量少なめですよね。

再び何をするでもなく過ごしていると、座席のモニターでWBCが見れることを教えてもらいました。準々決勝・イタリア戦です。
大谷選手が投げています。ここからはもう目が離せませんでした。
いつの間にやら羽田上空。

羽田到着は21時前。出発の遅れは少し取り戻したようです。

さぁ検疫。とはいえ、3ヶ月前の時点で既にかなり簡単になっていたので、今回もすぐだろう、との予想通り、予めVisit Japanを登録していたのでその画面の提示のみでOK。一瞬で入国審査まで進めました。

最後に簡単にミーティングをして荷物をピックアップ。解散です。

遠征の全日程を終えました。

いつもなら私はここから羽田で一泊ですが、今回からはとうじつちゅうに帰れます。
空港からモノレールで浜松町へ。さらにJRで秋葉原。そしてTX。
そろそろ慣れてきました。乗換も荷物の割にかなりスムーズ。つくば駅に到着したのがちょうど日付が変わる頃でした。

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