1年間のマネジメント経験を通して重要だと思ったこと

前置き

ジモティーでエンジニア組織のマネジメントをやるようになって1年が過ぎた。
この1年間の振り返りと実体験を通して重要だと思った事についてアウトプットしてみようと思う。

マネージャへの就任

当初、エンジニア組織はWebグループとAppグループで分けられていた。
そしてWebグループの下にWebチーム、インフラチーム、Appグループの下にiOS、Androidチームが存在している形。
人数構成でいうと、Webに12人、Appに8人ぐらいの組織だ。

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そんな組織形態でしばらく続いていて、自分は1年ちょっと前にAppグループのマネージャになった。

Appグループのマネージャになってやったことは、

・1 on 1
・ 評価
・組織に関する会議体への参加
 ・マネージャ・リーダー会議
・案件の差配・リソースの調整
・採用面接

等である。

自分の場合は元々もっていたプレイング業務にこれを上乗せした。完全なるエンジニアマネージャだ。

完全なるパワープレイ

マネージャになってもプレイングの比率を落とさずにコードを書きまくっていた。
また、なにか障害が発生すれば周りへの共有と自分で解決まで持っていくし、他部署から質問がくれば率先して回答していたし、リファクタリングの戦略も自分でたてるし、メンバー教育もプラン立てと実行までするし、で言わばなんでも屋だった。
それで組織は回っていたし、メンバーの技術レベルも上がっていった。

ちなみにジモティーでは技術力の目安として「技術評価点数」なるものが存在していて、主に自社で使っている技術スタックに沿って技術項目のチェックリストを設けて、できている・いないを月次で上長が判断して点数化している。
技術項目の達成には、実践(= 案件をこなして)だったり、自社のブログにアウトプットする形でメンバーに達成を促していた。
そこでも月次で達成項目数を目標としてもっているので、メンバーのアウトプットが不十分であれば直接指導したりすることもあった。

「自分がチームを導く。手段はなんでも良いだろ。」
そんな考えに浸って満足していた。実際メンバーからの信頼も厚かった(と思う)。

範囲を広げてさらにパワープレイをした挙げ句、パンクした

だんだん自分のパワープレイが効率化されてきて、余裕がでてきたタイミングでWebグループのほうが気になり始めた。
メンバーのコンディションが悪かったり、ソースコードの改善が進んでいなかったり、障害がしばらく放置されていたり、そういったことがエンジニアのマネージャ・リーダー会議で議題にあがるたび、「よし、自分がなんとかしてやろう」といった気概だった。

今年4月からはAppグループにサブMgr とリーダー候補をつけて、自分の仕事を移譲しつつも引き続きマネージャをやりながら、Webチームのリーダーに就任した。

また、App グループのほうもサブMgr とリーダー候補をたてて権限移譲を進めた。

だが、これが完全にパンクした。

Web側のマネジメントが想定よりキツかったのに加えて、App のほうで仕事の移譲をしたつもりだったが、こっちの負担が全く減っていないのだ。

何かあれば全て自分にSlack でメンションが飛んできて意思決定を求められる。

そしてそれに答えていたのが何よりの問題だった、と認識している。

結果パンクした。特段まずいことはおきなかったが、全然計画通りに事が運ばなかった。

・ワンマンすぎて意思決定をする人間は育っていなかった
・ 中途半端な権限移譲だった

というところが敗因だったと思う。

良い組織を作る上での心得

その領域に強い人間が1人いて、パワーで組織を回しちゃっているみたいなのって10人〜20人規模の組織であれば、結構多いのではないだろうか。

そこからその人が成長をするために領域をずらしたり、違うことをすると考えたときに、後継を育成しようと考えるのは当然だ。

そのときに自分と同じレベルで仕事をこなせないとダメと考えていないだろうか。

その結果、何か気になることがあれば、自分で仕事を巻き取ったりしていないだろうか。

少なくとも自分はそうだったのだと思う。

失敗はするかもしれない。だが、やらせてみる、というスタンスが重要だ。

失敗についてはどうリカバリするのかが見えていて、どう次に活かすを考えられればよい。そこはちゃんと設計すべきである。

なので、
チャレンジしよう。失敗のデメリットよりもその仕事を任せることにより生まれるメリットを重要視しよう。

ちなみに、結構前に株式会社ディー・エヌ・エー創業者の南場智子さんの回の「プロフェッショナル 仕事の流儀 」を見たのだが、南場さんはチームの大黒柱をいきなりぶっこ抜いて他のチームに移動させるということをよくやるらしい。

周りは一番力のある人間に頼ってしまうが、いなくなるとそれまで頭角を現していなかった人間が急にでてきたりするので、思い切って抜いたほうがよい

とのことだった。

頭をハンマーで殴られたような感じだ。

最後に

今回は1年のマネジメント経験を通しての振り返りと学んだことのどっちかというと精神面の部分をアウトプットさせていただきました。

良いチームを作るための、失敗に関する設計だったり、メンバーの視座をどう上げていくかとか、自律的な組織をどう作っていくかだったりについての具体的方法論は別途書きたいと思います。


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