【いきいき】『コンサル一年目が学ぶこと 新人・就活生からベテラン社員まで一生役立つ究極のベーシックスキル30選!』【書評】

この記事は、J LABの活動義務を怠ったわたくしYujinが、能力開発のために執筆した文章です。


まずはざっくり感想

コンサルではない、というか、24ちゃいにして社会に出たことがない僕がこういう類の本を読むと、いつも社会に出る自信を失ってしまう。

本書に書かれているようなスキルがないとか思考力がないとかいうのもあるのだが、そんなことよりも、この社会では僕はきっと生きづらいだろうなあと思う。

特に「感情より論理を優先させる」「相手に理解してもらえるように話す」「相手の期待値を把握する」など。

そのどれもがきっと社会(会社?)では大事なんだろうということはよくわかるのだが、一方で僕にはおそらく全く足りていないスキルであると思っている。

僕はまあまあselfishな人間である。自己の感情を優先してしまいがちである。他人の意思、意図、感情を(知ってか、知らないでか)意に介さない。理系のくせに。

最近はようやく僕も成長して大人になってきたようで、相手の気持ちを少しは理解してみようという気になっている自覚がある(個別の塾講バイトをしていたのが良い経験になったかも)。

いま大学生の時点では、別に人とそんなに関わらなくてもやりたい勉強はできる。実際に1週間のうち実験がある2日以外は一言も喋らない日が続いている。大学ではそんなんでも生きていけちゃうのだ(だから大学教員はselfishな人が多いのか)。

しかし社会に出て会社に入って求められるコミュニケーションスキルが備わっているとは考えにくく、それが必要だと強調されればされるほど、社会に出る自信を失ってゆくのだ。

もうひとつ、こっちのほうが重要かもしれないが、20節「コンサル流検索式読書術」の内容、こっちのほうが僕にとっては身に着けるのが大変なスキルかもしれない。

というのも僕は(主に理工学の)教科書を読むにしても論文を読むにしても、特定の結果だけ欲しいという目的があったとしても、その周辺知識やその結果に至るのに必要な原理、論理、こういったものを十分に理解したいと思うタイプである(そして賢くない僕は非常に長い時間それに費やしてしまう)。

本書に書かれているような、重要な部分だけ読むとか、なるべく多くの文献を広く浅く当たるとかができない人間なのだ。

学問の世界では十分な時間を使ってそういうことをすれば良いのかもしれないが、効率的に成果を出す(価値を生み出す)ことが求められるビジネスの世界では、無駄に時間を費やすなんてことはご法度で、いかに短い時間で重要な結果だけを抽出するかが大事だそうだ。

だからこそ結論を話しの初めに持ってこいだのなんだの言われるのだと思う。

いずれ学問の世界から離れることがあれば、そういったスキルを身に着ける必要があるのだなと感じた次第である。

…というのが感想である。この足りない部分を学生の間に頑張って補わなければいけないのだろうか。社会人になってからでいいよね♪

意見

正直あまり面白くなかったので60%くらい流し読み(ほぼ読んでない)のだが、「15節 本質を追求する思考」の項目で疑問が浮かんだ。

このコンサルの思考で本質は追求できるのか?と。

それまでの節では(そしてその後の節でも)、本書では仕事に対する効率化・最適化を求めた結果多くの優秀なコンサルの方々が身に着けたスキルを紹介していたはずだった。僕はそういう認識だった。

例えば10節「『考え方を考える』という考え方」では、あらかじめその仕事への取り組み方、段取りなどを決めておこう、そうすれば安心感が生まれ,後顧の憂いを断つことができるよ、と教えていた。

会社では、仕事ではそういう思考が大事なんだろうと理解するとして、そういう効率と最適を求める考え方で、本質が追求できるとは僕は思えない。

本書では本質を追求した例として、スティーブ・ジョブズがiPhoneを作った話を掲載していた(せっかく数十人のエリートコンサルタントにインタビューをして本を書いているのに、結局こういう高名な偉人で議論を補強するしかないのはとても残念である)。

スティーブ・ジョブズが実際にどのような思考をもってしてiPhoneを発明したのかは知らないが、僕が考えるに、この偉大な発明に、仕事を効率化するような思考は用いていないと思う。

効率と本質を追求することは両立しないのではないかと思うのだが、本書ではこの節をどのような意図で入れたのかが気になるところである。

もしかしたらそういうビジネス思考で本質とやらを掴んだ経験があって(だったらそのエピソードを載せてほしかった)、だから本質を追求すべしなんて書いているのかもしれない。しかし、その本質は果たして本質なのか、そもそも本質とは何か、ただ単に原因と結果が繋がったことを認識しただけではないのか、と思ってしまう。

あるいは本当に効率的に本質にたどり着くことができるのかもしれない。コンサルなら。しらんけど。でもそれって、似たような事例を積み重ねていくからこそできることであって、まさにコンサルしか使えない経験則に基づくものかもしれない。

結論

社会人むずかしそう、なりたくない。

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