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【無料】今一度パワハラと真剣に向き合わなければ全てのエンタメは終焉する

立場的に逆らえない部下・同僚(優越的な関係)に対して、仕事の範囲を超えたいじめや嫌がらせを行うこと。

端的にパワハラの定義とされているものですが
これだけを見れば、時代は関係なく絶対に許されることではない。

しかし、パワハラに関しては今一度真剣に考える必要がある。
事実、パワハラは一面から語られるものではなく、その実情は複雑に入り乱れすぎている。
立場の優位性を活かしての嫌がらせは言語道断だが、何でもかんでもパワハラを訴えたものが有位にマウントを取れるのもおかしい。

昨今はパワハラが発端でテレビ番組やラジオ番組の存続に関わるなんてこともしばしば…
報道だけをネットニュース等々で見ている件に関しては何が起こっているかは分かりませんが、私はその手の事故に昨年巻き込まれてしまいました。
パワハラに巻き込まれ事件に発展するまでには何が起きていたのか?

完全なる自分の実体験として書き綴りますが、これは現代の社会を生きる上で誰もが他人事ではない問題ですので、今一度深くパワハラを考えるキッカケにしていただけたらありがたいです。

まず、私が巻き込まれたパターンの場合、最初の段階から大人の事情が大きく関与していたという変則的かつ不可解な入り口だった。

それは、ある演者を実力以外の部分でレギュラーに抜擢してしまったこと。
これは最後の最後に分かったことだったのですが、その人を抜擢した企業が、ある弱みを握られていたことがレギュラー起用の経緯だったとのことでした。

その抜擢された演者を仮名としてAさんとさせてください。
Aさんは数年前にある不祥事があり、仕事を干されるほどの致命的なダメージを受けました。
内容は当然伏せますが、その一件は相当悪質だったので世間からも激しく糾弾されました。
その不祥事を招く大元のキッカケを作ってしまったのが、その企業だったとのことで、お詫びの意味を込めてのレギュラー抜擢となったとのことです。

ここで出てくる問題は2つ。

①Aさんは能力や人気を評価されての抜擢ではないこと。

②Aさんを抜擢した企業側は、裏に隠された事情を伏せたままAさんを守り抜く必要があること。

この2つの問題を抱えたまま騙し騙し続けるには限界がある。永遠にごまかすことは絶対に不可能。
企業側の皆さんも大人なので、そんなことは織り込み済みだったと推測はできる。

もう、騙しきれなくなった時に全てを終わらせよう…
あの時言っていた不可解な発言の数々から推測するに、企業側がこう考えていたことが今なら分かる。

まず、実力不足の人間がプロのリング上で戦えるはずもなく、ただただなす術なし。
センスや技量に関しては仕方ないとしても、途中からはモチベーションすらも失われていき、日を追うごとに立場はなくなっていく。

当然、裏ではスタッフや他の演者もAさんへの不満を言い始める。
「他にもっと能力高い人いるのに、なんでAさんがレギュラーで居座ってんねん!」「なんであそこまで面白くないねん!」
いくら陰口とは言え、もうパワハラと呼ばれる入り口は始まっている。
何年にも渡って罵倒にも近い陰口を言い続けていれば、言われている本人だって勘づき始める。

本来のプロフェッショナルの世界ならば「戦力外通告」という形で辞めていただくのが筋道だが、Aさんを守り抜かなければいけない事情が裏には隠れている。
どこかで活躍場所を作らないと、Aさんを起用し続けるプロジェクトが頓挫してしまう。

そこでAさんは打ち上げ専門の宴会部長になった。
本番中は鳴りを潜めるが、食事会の席だけは誰よりも盛り上げ続けた。
「Aさんの輝ける居場所がようやく見つかった」と企業側は安堵する。

しかし、その輝ける場所はお客さんにとっては関係ない。
お客さん側にとっては、Aさんが目に見えない場所で打ち上げを盛り上げていることなど知らないし興味もない。
ただただ、クオリティの高いものを観たいだけ。

毎試合ヒットを一本も打たない野球選手が、「飲み会では重宝するから」という理由だけで毎度打席に立たれてもチームのファンは喜ばない。
それはファンの気持ちを無視する行為であり、球団自体に泥も塗っている。

結果、ファンを無視したくない人間と、ファンよりも企業の裏事情を優先する人間が真っ二つに割れることになる。
思想が根本から違えば不協和音が生じて当たり前。
内部にも目に見えない亀裂が入り始める。
私は企業が抱えている裏事情を知らされておらず、ファンを無視する行為に反対し続けました。

そして、コロナの襲来。
突如として打ち上げがなくなり、Aさんは活躍場所を失いました。

ウィルスの蔓延をキッカケにAさんの役目は消滅してしまったので現実的に辞めてもらうしか道はなくなったのですが、それでもAさんは自分から辞めようとしない。
当たり前の話ですが、ここはプライドが邪魔をします。
「打ち上げがなくなったので、もう僕に居場所はありません」なんて本人が言えるはずないのです。
そこまで潔い人間なら、最初から打ち上げのパフォーマンスだけでしがみつこうとしません。

しかし、Aさんが本番で活躍するには時すでに遅し。
今まで食事会の席専門で戦ってきた人が、いきなり通用できるほど甘い世界ではありません。
さすがに企業側は役目の消滅したAさんを辞めさせようと水面下で動きますが、長年隠されてきた裏事情の問題が目の前に塞がり身動きが取れません。
大きな組織の内部には様々な思惑を持つ大人が複雑に絡んでおり、一筋縄でいくはずもないのです。

コロナが来てからのAさんは痛々しいくらいに針のむしろ状態となり、残酷なまでに実力が露呈されます。

マジで今後Aさんのことどうすんの…?
役目の消えたAさんは風前の灯火でした。

Aさん本人は
みんなから辞めてほしいと思われていることも分かっている。
本番では通用しない自分の実力も理解している。
打ち上げがなくなって自分の活躍場所が消滅したことも知っている。

長年に渡ってごまかし続けてきたツケが突然回ってきたのです。

そして…

なぜ辞めないのか?みんな長年に渡って辞めてほしいって言い続けてるのに、これは一体どういう状態なのか?
裏の事情を知らない側の人間はどんどんヒートアップしていきます。
コロナで食事会がなくなったなら、もう役目は終わりなのでは?
1人でも戦力になる人を本番のステージにいれないと、これからの戦いは勝てない!

長年に渡って自分から辞めると言ってくれないAさんへのイライラが爆発するのに時間は必要ありませんでした。

結果、事情を知らない側の人間からの「さすがにそろそろやめてほしい」という圧がAさんからすればパワハラとなってしまい、企業は絶対に怒らせてはいけないAさんを怒らせてしまったのです。
このタイミングで初めて企業が抱えている裏事情を聞かされた私は万事休す。

Aさんが烈火の如くキレてしまえば、企業側は弱みを握られているAさんを必死に守らざるをえません。
パワハラを認定して私に責任を全て押しつけ謝罪を強要し、企業はAさんとAさんの事務所と手打ちする道を取り、幕を下ろすことでお詫びの気持ちを表明しました。

その結果、突然の終幕。
企業はあの手この手を駆使してAさんを守り抜いたのです。

だいぶボヤかしているので少し意味が分かりにくかったかもしれませんが、これをパワハラだと認定できるなら全てがメチャクチャになります。

実力勝負の世界だと言われていても、実力で抜擢しないケースなどは往々にしてあります。
それ自体は業界の通例だとしても、実力勝負を根本から否定し、お客さんを無視してまで企業の事情を優先し、全く機能しないAさんを過剰に守り続けるやりかたは本当に正解でしょうか?

裏事情を聞かされていない人たちからすれば、ここまで全員から不満が噴出してるのに、なんで辞めてもらわないの?とイライラが募るのは当たり前です。

そんなに辞めてほしいなら辞めたるわ!と刺し違える覚悟でパワハラを訴えてくるのだって何かしらのハラスメントに当たります。
円満に辞めてくれれば何事も起きなかった。
企業も早い段階で上手に辞めさせていれば、ここまで大きな事態にはならなかった。

不可解な理由で抜擢し、不可解な理由で守り抜いた企業側。
役に立てていないのに最後までしがみ続けて「精神を崩壊させられました」とメンタル面に支障をきたしたと大声で主張しながら爆弾を落として去って行ったAさん。

何があってもAさんを守らざるをえない企業と、企業の弱みを握っているので守ってもらえることを把握しているAさん。
ハッキリ言って、これはパワハラのトラップを仕掛けられたようなもの。
もはやプロの当たり屋の手口にも近いので、一度ハメられてしまったならば八方塞がり。

クオリティを追求するチームVS大人の事情を優先するチームは絶対に相容れませんが
リアルな社会においては、クオリティを追求するチームは完膚なきまでに叩き潰されます。

今の時代は何かと訴えたもん勝ちになりがちだが、本当に上司や先輩からのパワハラに苦しんでいる方もいる。
苦しんでいる人を社会全体で助けられる世の中にもならなければいけないが、どこまでいってもハラスメントの線引きは難しく、受け手の言い分次第なのも現実。

それゆえに答えは存在しないのだが、一つだけ言えることは、お客さんを無視する行為だけは何があろうと許せない。
私が巻き込まれた話の根幹にあるのは、「お客さんなどどうでもいい」という姿勢。

お客さんファーストで戦っていれば、私の件に関しては何も起きることはなかった。
クオリティの向上を求めている人に対して、そこまで厳しく非難する人は存在しておらず、中身を良くするための叱咤ならばむしろ健全とも言える。
前向きな議論にも発展し、クオリティの向上をひたすらに目指す人は建設的な意見に対してパワハラだと訴えることもない。

どこまでいっても大切なのは中身にこだわる姿勢と志。
それを全員が持っていれば理不尽なトラブルは起きない。
宴会部長で居座ろうとする人間を一度引き入れてしまったなら、それは終わりの始まりを意味する。
なぜなら、宴会部長でしがみつこうとする志に人間性の全てが溢れ出ている。
ハッキリ言って、そんな人間が誠実なはずがない。

私は中身やクオリティをしつこいくらい追求する人で
不義理な人を見たことがありません。

その逆もしかり。
中身やクオリティを軽視する人は
立場が危うくなれば不義理なことを平気でやらかす。


理不尽にパワハラだと訴えられる恐怖にビクビクしているならば
誰よりも中身にこだわる志を持つ人たちと仕事することで回避できる。

腐り切った社会には迎合できそうもないので、とにかくお客さん1人1人と誠実に向き合える環境に身を置くこと。

絶対に売ってはいけない魂が人間にはある。

つまり
クオリティファーストで生きる人間とだけ共存することで、筋の通らない破茶滅茶なトラブルには巻き込まれないと。そう信じております。
気をつけてください。


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