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それでも…若い子に媚びを売ってはいけない理由

めずらしいことなのかどうかは分かりませんが、自分よりはるか年下の人に媚びを売る人がおります。
「あなたは天才」だの「あなたは覇王」だの大袈裟な言葉を薄っぺらく使いながら、いわゆる太鼓持ちと呼ばれる行為を年上ではなく年下にやれる人。

利用価値に年齢は関係ない。そう言われればそのとおりです。
若い子で強大な力を持つ人もいれば、年配の方で強大な力を持っていない人もいます。

利用価値を感じる若者に太鼓持ちすることを、「みっともない」の一言で片づければ話は終わりなのですが、それはどこまで行っても美学やプライドの問題。
「オレは若い子に媚びることを全然みっともないと思わない!」と言われれば、本来この話は終了します。

ようするに、美学やプライドの話は大抵「人それぞれ」という世界一不毛な着地になりがちなので、否定も肯定もしにくい事柄であることは間違いない。

ただ、そういった美学やプライドを「人それぞれ」と安易に結論づけ、きちんと向き合ってこなかった歴史が品のない人間を増殖させてきたのも事実。

だから、「人それぞれ」で逃げちゃダメなのだ。
一度逃げてしまえば、もう二度と帰ってこれない。

この若い子に媚びるおじさんが増えた背景は、ネット社会において若くして成功を収めた人が増えたことに起因している。
いわゆる、インフルエンサーと呼ばれたりもするSNSのフォロワー数やチャンネル登録者数を多く抱えている知る人ぞ知る若いユーチューバーなどが一回り以上年上のおじさんからペコペコ擦り寄られる構図を作り上げた。

さらには、ツールの多様化簡便化によって、ペコペコ媚びている様が動画等々で簡単に観れてしまう恐ろしい世の中。
若者に媚びている場面が世界中に向けて配信され、その上にアーカイブまでされてしまう地獄時代の到来である。
今までならまかり通ってきた「そんなカッコ悪いことしてるか!」という嘘の言い訳が通らなくなってしまい、動画として残れば認めるしかない世知辛さ。

だからこそ、振り切って馬鹿を騙す道に突き進む。

詳しくは過去に書きましたので割愛いたしますが、目利きの人間や感性の鋭い人間から支持を集める道に進むことは諦めざるをえない。
結果、尊敬している人からも軽蔑されてしまい、一生もののダメージを負うことにはなる。

しかし、尊敬している人からいくら軽蔑されようとも、「俺は馬鹿を騙してお金持ちになるんじゃい!」と開き直れる人も実際に存在します。
たしかに、私が書いている事柄は先述したように美学やプライドの話であり、「そんなもんはどうでもええんや」と生きられる人には響かなくて当たり前。

やはり「人それぞれ」の呪縛からは逃れられないのか…と諦めかけるのだが、、、

いや、
それでも若い子に媚びてはいけないと私は言い切れます。

なぜか?

人は誰でも等しく年齢を重ねるからです。

私の知っている40歳くらいの男性で一回り年下くらいのインフルエンサーに媚びまくっている人がおりました。

その人は40歳くらいなので、実際は若くないけれど「自分はギリギリ若い」と言い張ろうとすれば言い張れなくもない。
現代における40歳は昔とは違いますので、頑張れば若者代表のような顔をすることは可能です。

まだ40歳前後ならば20代に媚びてもいいのでは…そんな謎のごまかしも手伝い、その媚び売り作戦は大成功を収めるのですが、年齢というのは40歳で止まりません。
一年経つごとに年齢は重ねていき、若さの勢いが完全に無くなる頃、人は真正面から生き様が問われ始めます。

そんな利用価値のある人間にだけ尻尾を振り倒しながら一回り年下の若者の子分のような立ち位置にいた40歳男性も、いずれは50代になる。

想像しただけで身の毛もよだつのは私だけでしょうか?

ようするに、年齢を重ねてなお、言葉の力を持つことが不可能な人生。円熟味も皆無なまま、いつまでも小物感が拭い去れないおじさん。

生き様、キャリア、経験、説得力、美学、プライド、その人の過去の行いが言葉の重みや存在感を運び込むなら、言葉も存在感も軽くなってしまう絶望的な未来からは逃れられない。

そうなってしまえば、何を言おうが、何を語ろうが、「いやいや、誰が言うてんねん」と相手にしてもらえない。
その上、年齢も重ねているがゆえ、そのことを指摘される機会もない。
心の中で「オマエが言うな」と鼻で笑われ続ける人生が待っているのです。

影響力のある若者に命懸けで媚びたことによって、40歳で得をしたとしても絶対に50代からは取り返しがつかない人生が待っている。
言葉に重みのない50代は正直つらい。小物感漂う50代なんて誰からも尊敬されない。
誰だって、話をまともに聞いてもらえず誰からも尊敬されない50代にはなりたくないはず。

テクニック?知識?

そんなもんは二の次三の次。

人は年齢を重ねれば重ねるほど生き様が問われ始め
それは恐ろしいほどにリアルで絶対に逃れられない。

どれだけフォロワー数がいようと、チャンネル登録者数がいようと、人気者であろうと、影響力を持っていようと、メリットがあろうと、お金が稼げようと
若い子には媚びるのではなく、若い子には頼れる兄貴分のようになって、いろいろ人生を教えてやれる年上の人であるべき。

媚びず、驕らず、誇り高く。
言葉に重みあるおじさんに私はなってゆきたい。

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