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Web3での起業を目指す人に、一度は読んでほしい話

2022年5月12日、Web3特化ファンド「Emoote(エムート)」を設立したことを発表しました。

実際にファンドを立ち上げたのは、半年以上も前にさかのぼります。その期間に、約20のプロジェクトに投資実行しました。

その中には、日本でも話題のMove-to-Earn(動いて稼ぐ)プロジェクト「STEPN(ステップン)」があります。STEPNはβ版スマホアプリのローンチからわずか半年で月間230万人のアクティブユーザーを獲得し、2022年4月時点の完全希薄化後時価総額が2兆円を記録するなど、急成長しているグローバルのWeb3プロジェクトです。

またEmooteの投資先には、米トップVCであるアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)などがリードするゲームギルド「BreederDAO(ブリーダーダオ)」などが含まれています。

Emooteポートフォリオ(抜粋)

ファンドをスタートして間もない時期に、なぜ世界トップレベルのWeb3プロジェクトに投資できているのか?

こう書くと「Web3について相当に詳しいのだろう」と思われるかもしれませんが、わずか1年前の僕はイーサリアムのコントラクトアドレスの意味すら知りませんでした。

でも、今は家族とともにシンガポールに移住し、この記事もシンガポールの自宅で書いています。この1年間で、いろいろなことが起こりました。

シンガポールのコワーキングスペース風景

僕がWeb3ファンドを立ち上げて、"グローバルで勝負しよう"と決意した理由をnoteに書く。その記録が、これからWeb3領域でチャレンジしようと思っている人の参考になるかもしれない。そう思いました。

まずは、最大の転機となった「STEPN」との出会いから、話を始めようと思います。

自分史上最速でSTEPNに投資できた理由

2021年は、誰がどう見ても「GameFiイヤー」でした。GameFiは「Play-to-Earn(ゲームして稼ぐ)」など、ゲームと金融が合わさった仕組みのことです。

きっかけとなったのは、ベトナムのスタートアップ「Sky Mavis(スカイ・メイビス)」が開発・運営を手がけるNFTゲーム「Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)」です。2021年8月の1ヶ月だけで3億4200万ドル(約380億円)を売り上げて、前年同月比で約3000倍という記録的な急成長を遂げて世界を驚かせました。

アクシー・インフィニティ、シリーズBで166億円調達──企業評価額は3340億円|coindesk JAPAN

僕らのファンドも当然のこと"GameFi"に注目して、ゲームはもちろん、マーケットプレイス、ゲームギルド、分析ツールなどの"つるはし型プロジェクト"にも投資しました。

「GameFiの次のテーマは何だろうか?」──そこで2022年頭に出会ったのがMove-to-Earnのキャッチコピーで颯爽と登場したSTEPNです。

「これは無理かもしれない……」これがSTEPNの第一印象です(笑)。ランニングアプリはゲームほどの市場をつくっているイメージがなく、当初はトークノミクス(トークンが回る経済圏)を形成するほどの力強さがあるようにまったく思えませんでした。

でも、Web3は体感してみないとわからない。これは以前、Axie Infinityに初めて触れたときにエンタメ性に疑問を感じ、”流行らないだろう”と決めつけてしまったことからの反省でした。

当時は限定公開だったSTEPNアプリをTestFlightからダウンロードし、さっそく数万円のNFTスニーカーを買って、走ってみました。すると、UX(ユーザーエクスペリエンス)のレベルが断トツに高いことに気づきました。

App Store「STEPN」より

これがきっかけとなり、しっかりとホワイトペーパーを読み込んでみると、相当に綿密にトークノミクスが設計されていることに気づきました。ゲームではないにもかかわらず、その構造がAxie Infinityをアップデートした完成度の高いものだったのです。アプリも高頻度でアップデートされており、開発チームの強さも感じました。

「すぐに会いたい!」と直感した頃、ちょうど知り合いから「STEPNが資金調達してる」との情報を聞き、共同創業者のヨーン・ロン(Yawn Rong)との投資面談が実現しました。

最初、15分ほど話した段階で、彼がどれだけ深く思考し、スピード感を持ってプロダクト開発しているかを理解できました。すぐにお互いに通じ合えたのは、おそらく彼だけじゃなく、僕もトークノミクスやGameFiの次を模索するためにチーム内で深く思考してディスカッションしてきたからだったと思います。

「このチームといっしょに、トークノミクスの"新たな在り方"を創る旅がしたい」。その場で投資を決めました。おそらく、自分史上最速の意思決定だったと思います。その後、たった数ヶ月で急成長を遂げたことは、冒頭に書いた通りです。

もちろん、STEPNの新たな経済圏は発展途上にあります。たくさんの課題があり、Yawnもチームメンバーも、その一つひとつと向き合っています。ファンドとしても、最大限にサポート・支援していきたいと思っています。

現時点で一つ言えるのは、この出来事が私にとって非常に大きな転機となった、ということです。なぜなら、Web3は”ゼロイチを創る”ことだと体感できたからです。Web2以前のこれまでの世界では、ゲームして稼ぐ人もいなければ、動いて稼ぐ人もいませんでした。Web3だから、初めて実現できることがある。これがファンドを「絶対に成功させる」と決意した、僕のなかでの揺るぎない拠りどころになっています。

この”ゼロイチを創る”ことが、実は起業家としての僕の原点です。話はさらに、大学時代にさかのぼります。

連続起業家が”ゼロイチを創る”原点

大学に入ってすぐ、僕はプログラミングを始めました。大学2年生になったとき、ソーシャルゲームなどエンタメサービスを開発する、当時は上場前のドリコムと出会いました。運良く、アルバイトのプログラマーとして入社しました。

ちょうど「Web2.0」が流行った頃で、ドリコムはそのWeb2.0を体現するようなブログサービスが主力事業でした。僕は、B2Bで企業向けのブログ開発・カスタマイズするプログラマーとして仕事を任されました。大学の授業以外、ほとんどの時間を仕事に費やしたと思います。

当時、売り上げが年間10億円に満たない会社規模にもかかわらず、1億円規模のプロジェクトを任せていただきました。自分が書いたコードがボタンひとつで反映され、たくさんのユーザーが触ってくれるあの感覚がすごく楽しかったのを覚えています。

1社目を起業する機会が訪れました。大学3年生になったとき、検索エンジンやクローラーを開発する会社を設立しました。自然言語処理を専門にする友人や、プログラミングが得意な友人いたことから、掛け算でチームの力が発揮できるテーマを選びました。

現在はインキュベイトファンドにいらっしゃる本間真彦さん、和田圭祐さん、そしてGMOベンチャーパートナーズの村松竜さんに投資いただきました。毎週のように議論させていただいたことは、今、思い返してみればとても貴重な時間でした。

創業時の事業は黒字化しましたが、伸び悩みました。その後、何度かのピボットを経て、最後にHTML5のソーシャルゲームに挑戦し、その事業が頭打ちになったところで、1社目をギブアップすることになりました。

2社目は、スマートフォンが登場し、普及のカーブに乗る時期に、スマホメディアの会社を創業しました。共同代表に就任し、小さな成功体験を積み重ねました。その後、会社は大きな飛躍を遂げて、最終的にはディー・エヌ・エーに会社を売却する結果となりました。

3社目は、もともと大好きだったスポーツやeスポーツ分野で起業しました。試行錯誤を続けながら3年ほど経営し、最終的にアカツキに会社を売却してグループに入りました。

アカツキでの1年目は、バルセロナをベースにeスポーツの海外事業を立ち上げました。2年目以降は、CVCであるハートドリブンファンドで国内投資を担当し、2021年から並行して海外を中心にR&Dと投資を行うチームを立ち上げました。

ここまで、自分の人生を振り返ってみて、一貫しているのは”ゼロイチを創る”ことに喜びを感じてきたということだと思います。

Web3の衝撃──ゲームして生活する人々

この”ゼロイチを創る”という僕のアイデンティティに近い思いが、Web3ファンドを設立する最大の理由となりました。

2021年6月頃のことだったと記憶しています。前述のNFTゲーム「Axie Infinity」をプレイする人たちを映した一本の動画に、目がくぎ付けになりました。これはゲームのプレイ動画ではなく、ゲームをプレイして稼いで生活している人たちを映した動画です。

Play-to-Earnが単なる趣味ではなく、実際の職業となり、フィリピンの人々の生活を支えているという姿が記録されています。もちろんPRが目的の動画だとわかっていても、その嘘ではない事実には心の底から驚きました。

世界では、ゲームして生活する人が登場した。

僕にとって、これほどまでに衝撃を受けたゼロイチはありません。テクノロジーによって生活が便利になるというレベルではなく、人々(エンドユーザー)の生活そのものを大きく変える。これがWeb3(当時はクリプト)の衝撃でした。

ちなみに、僕が「いちばん印象に残っているWeb3プロジェクトは?」と聞かれたとき、ゲームギルドの「Yield Guild Games(イールド・ギルド・ゲーム:YGG)」の名前を挙げるようにしているのは、こうした背景があるからです。

PLAY-TO-EARN - NFT Gaming in the Philippines|YouTube

さて、Web3の可能性に気づいたときから、いても立ってもいられなくなりました。さまざまな事業の可能性を検討し、投資事業の立ち上げを決めました。

すぐに賛成してくれたアカツキ代表取締役の香田哲朗(てっちゃん)、そして取締役・コーポレートチームの大胆かつフレキシブルな対応には、この場を借りて感謝したいと思います。本当にありがとうございます!

「Web3ファンド」での戦い方

こうして立ち上げたのがWeb3ファンドの「Emoote(エムート)」です。

最初にいちばん頭を悩ませたのは、「どうすれば有望なWeb3プロジェクトに投資することができるのか?」「どのようなチームを組めばいいのか?」ということでした。

ここで登場するのが、キービジュアルにも描かれている、共同創業者となったコムギMiss Bitcoinこと藤本真衣さんの2人との出会いです。

イラスト左から藤本真衣さん、熊谷、コムギ

コムギは、もともとアカツキ新規事業のR&Dチームのリサーチャーとしてアカツキに入社しました。WebtoonやVRなどもリサーチしてくれましたが、特に実力を発揮してくれたのがWeb3(当時はクリプト)領域です。

元クリプトメディア編集長であり、テックビジネス系ブロガーとしても名が知れていたコムギは、Axie InfinityやYield Guild Gamesが起こした革命にいち早く気づき、丁寧に言語化・図解してくれました。誰よりも早くWeb3の可能性に気づき、”ゼロイチを創る”テクノロジーであることを確信できたのは、彼が隣にいてくれたからだと思います。

Web3トークノミクスのモデル化|コムギ作成、以下同

グローバルファンドには、業界の最新動向やテクノロジーなどを徹底的に分析し、投資判断や投資先支援に貢献する"リサーチャー"という職業があります。Emooteはそれにならい、ラボをつくることで新たなベンチャーキャピタルの形をつくろうと考えました。コムギには、この役割を担ってもらうために、共同創業者として参画してもらいました。

ラボという初の試みに、多少の不安はありました。でも、半年以上を経営してきて、今は彼がいたから「良いスタートダッシュを切れた」と胸を張って言えます。

Web3は、第2のインターネットと呼ばれるほど範囲の広いコンセプトであり、毎日のように最新情報のアップデートがあります。専業として情報のエッセンスをまとめてくれるおかげで、コムギのリードによりチーム全体の"知"が体系化されていることを日々、実感しています。その活躍は、WIRED日本版の誌面に寄稿するほどに広がっています。

WIRED日本版 VOL.44 「Web3 〜所有と信頼のゆくえ〜」 に図解・文章を寄稿

藤本真衣さんは、Emooteにとってもう一人の大切な仲間です。Miss Bitcoinの愛称で世界中のクリプトコミュニティから親しまれている、この業界の有名人でもあります。

出会いは、僕がハートドリブンファンドに参画して間もない頃にさかのぼります。ちょうど、自分にとっての第1号の投資となったのが、日本のマンガ・アニメIPのNFTを制作・販売する「Anique(アニーク)」でした。僕らがシードラウンドでリード投資をさせてもらったとき、彼女はそのエンジェル投資家でした。

「進撃の巨人」NFTが米国リリースへ、講談社とAnique|あたらしい経済

Web3ファンドを立ち上げようと思ったとき、真っ先に頭に浮かんだのが真衣さんでした。すぐにお互いが描くビジョンや戦略に意気投合し、アドバイザーとして参画してくれました。

Axie Infinityを運営するSky MavisやYield Guild Gamesのエンジェル投資家として名を連ねることができる日本人は、彼女しかいないはずです。世界のクリプトコミュニティに名が知られており、"コミュニティでの信頼"をとても大事にするグローバルのWeb3カルチャーに長く身を置く真衣さんの存在は、僕にとっても非常に心強い存在です。

コムギと真衣さんという2人の存在が、僕にとっての「グローバルでのEmooteの戦い方」そのものです。

Web3にとってアジア・日本が重要な3つの理由

グローバルのWeb3で勝負するのに、日本人だけのチームでいいのか──これは僕が悩んだポイントです。

結論を言えば、Web3にとってアジア・日本というポジションはとても重要なのではないかと僕は考えています。理由は3つあります。

1つ目は、Web3ではビックテック=アメリカ中心の「インターネット経済圏」からの脱却が必要だからです。PCとOSはMicrosoftとApple、スマートフォンとアプリストアはAppleとGoogle、広告はGoogleとMeta(旧Facebook)──これまでのインターネット世界では、彼らがつくったルールに順応できた企業が生き残ってきました。つまり、シリコンバレーに代表されるようにビックテックがアメリカに集積し、彼らに近いスタートアップが有利に成長する市場でした。

Web3は、Decentralized(分散型/非中央集権)の思想が一つのカルチャーです。現時点では、プロトコルレイヤー(Layer0-1-2)や暗号資産取引所がハブとなってエコシステム全体を牽引していますが、世界中のどの国にいても、Web3ビルダーとしてほぼ同じスタートラインに立つことができる。Web3では「アジア・日本だからこうだ」という話がそもそもないのです。

2つ目は、Web3のビルダー・エンドユーザーはアジア圏にたくさん存在するからです。ベトナムのAxie Infinityを開発するSky Mavis、フィリピン発の世界最大のゲームギルドYield Guild Gamesが急成長した背景には、Web3との相性の良さがあったのだと考えています。

たとえば、銀行口座を持たない(Unbanked)人が多かったり、Play-to-Earnで1日1,000円稼げることの経済的なインパクトが強いのは、アメリカやヨーロッパなどの先進国ではなく、彼らのような開発途上国です。やがて時間差で、南米やアフリカに広がるのも必然でしょう。

Web3は単なるビジネスモデルではなく社会を変革する一つのムーブメントであり、エンドユーザーの生活や文化をきちんと理解しているからこそ良いWeb3ビルダーが育つのではないかと考えています。そうした国々と日本は地理的にも近い場所にあり、エンドユーザーを多く抱えるDapps(分散型アプリケーション)などのレイヤーでは世界をリードできるはずだと信じています。

Web3のエコシステム

3つ目は、Web3とアジア・日本のカルチャーとは親和性があるからです。突き詰めていくと、Web2以前の世界でも欧米発のサービスと日中韓などアジア発で流行ったサービスでは、異なる特徴を多く見出すことができます。たしかにアメリカ人のアントレプレナーシップは強く、特にプロトコルなどインフラに近い多くのビルダーがアメリカに集まっています。でも、西洋と東洋の文化の違いは、エンドユーザーが多いサービス・アプリケーションレイヤーにいくほどに顕著です。

また、日本のクリエーター・エンターテイメント/メディア企業の方々が築いてきたカルチャーは、Web3世界でこそ活きてくるはずです。前回のnote「日本がWeb3で勝つ理由」に書いたことなので詳しくはそちらをご覧いただければと思いますが、Web3でさまざまなコラボレーションを創るための素地が日本のカルチャーにはあると考えており、アジア・日本からグローバルを攻めるのが僕らの勝ち筋だと思っています。

2022年の注力テーマ3つ

最後に、Emooteが注力しているテーマを3つ挙げたいと思います。僕らはDapps(分散型アプリケーション)レイヤーを中心に、エンターテイメント・メディア・ライフスタイルなどの分野に注力することを最初から決めていました。

「世界をエンターテインする。クリエイターと共振する。」をミッションに掲げるアカツキとして、短期的なリターンのために投資ではなく、未来のエンターテイメントやメディアを共創するための長期的なWeb3投資を行いたかったからです。

以下に挙げる3つのテーマが、これからWeb3でチャレンジしようと考えている方々の参考になれば嬉しいです。

(1)Web2 x トークノミクス

「トークノミクスこそWeb3の革命だ」という話は、前回のnote「日本がWeb3で勝つ理由」に詳しく書いたので、このテーマに興味がある人にはぜひ読んでほしいです。本テーマの代表的な事例こそ、Move-to-Earn(動いて稼ぐ)プロジェクト「STEPN(ステップン)」だと思います。

Web2プロダクトの中でも、ランニングアプリのようにWeb3のトークノミクスと相性のいいサービスがあることをSTEPNが証明しました。彼らは、NFT・ユーティリティトークン・ガバナンストークンという3つのトークンによる「価値」の三権分立を、繊細なバランス感覚でコントロールしています。

Web2 vs. Web3

上の図は、Web3リサーチャーのコムギが整理した「Web2とWeb3の比較」です。「X to Earn」という言葉だけが先行してしまっていますが、その本質はトークノミクスにあるというのが僕の考えです。この1枚だけでいくらでもディスカッションできるため深入りしませんが、シンプルながら奥深いテーマです。Emooteとしても、この分野はもっともっと追求していきます。

(2)Web3 x IPクリエイション

Ape(類人猿)をモチーフにしたNFTプロジェクト「Bored Ape Yacht Club(BAYC:ボアード・エイプ・ヨット・クラブ)」が独自トークン「Ape Coin(エイプコイン)を発行し、メタバースプロジェクト「Otherside(アザーサイド)」をスタートさせたことは2022年上半期のホットトピックでした。

もはやNFTはプロフィール画像(PFP)のためのJPEGではなく、これまでの手法とはまったく異なる新たなWeb3ネイティブのIP創出プロジェクトになる可能性を秘めています。

Web1/Web2 IPs vs. Web3 IPs

NFTホルダー、クリエイター、スタジオ、投資家をトークノミクスで巻き込む形でのIP創出プロジェクトが続々と生まれるのかもしれません。僕たちEmooteは、 NFTのコンテンツはもちろん、そのエコシステムを築くための基盤となるようなインフラやツール群にも広く投資したいと考えています。

(3)NFT x デジタルファッション

以前のnoteにも書きましたが、Epic Games(エピックゲームズ)が提供する人気ゲーム「Fortnite(フォートナイト)」では、ユーザーが自分を表現するためにアバター系の課金で数千億円の売り上げがあると言われています。

NFTはTwitterなどSNSで自分を表現するPFPとして大きな市場を形成しましたが、同じようにデジタルファッションがNFTになることで市場が拡大すると考えられます。デジタルスニーカーブランド「RTFKT(アーティファクト)」は、2021年12月にNIKE(ナイキ)によって買収されました。

現時点ではNFTにデジタル上のソーシャルな場が少なく、時期尚早に思える側面もありますが、メタバースをはじめとする空間が拡張するほどに、デジタルファッションへの需要は拡大すると思います。将来を見すえて、Emooteでもデジタルファッションのブランド・DAO・インフラ・ツール群など幅広く投資していく予定です。

最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。長くなりましたが、今の気持ちは、今しか書けないと思ったので全部を言葉にしてみました。僕のWeb3にかける”思い”を文章から感じていただければ、とても嬉しいです。

Web3には、さまざまな戦い方があります。

だからこそ、僕たちEmooteは、Day1からグローバルで戦おうと考えていました。DeFi(分散型金融)の存在などWeb3市場全体の詳しい話はまたの機会にしますが、世界中のどの国にいても、Web3ビルダーとしてほぼ同じスタートラインに立つことができます。商圏、人材、資金──Web3のグローバル市場に出ることで、すべてにアップサイドがあることは言うまでもありません。

もちろん、日本でWeb3プロジェクトを立ち上げることもできます。しかし、同時に規制や税制と向き合うために、ある程度の時間やコストが必要となることを覚悟しなくてはなりません。

そうした規制や税制と真摯に向き合い、”新しいルール構築”に尽力されている方々には、心から敬意を表したいと思います。僕も日本の上場企業の子会社として、日本の法務、会計・税務を関係各所と議論しています。個人としても、国内のワーキンググループに所属しており、1人の日本人として微力ながら"新しいルール構築"には貢献したいと考えています。

一方で、僕たちEmooteと同じようにDay1からグローバルのWeb3で戦おうという方々への投資・支援もしたいと思います。僕と同じようにシンガポールやドバイに移住したい起業家がいればアドバイスしますし、海外でトークンの発行体を設立するためのHowが必要ならばテクニカルな支援もします。必要なのは圧倒的な行動力と、Web3のパラダイムシフトに順応できる柔らかな思考力、そしてグローバルなマインド(心の持ち方)です。

Web3は、数十年に一度しか訪れることのないパラダイムシフトです。

実は、Web3ファンドであるEmooteも”投資事業”という立場で、Web3のエコシステムに貢献するためのコンポーネントの1つだと僕は考えています。つまり、レゴブロックのようなコンポーザビリティが求められるWeb3において、僕ら自身も新興のWeb3ビルダーの一員だということです。

Web3での起業を目指す人に伝えたかったのは、あなたと僕の立場はまったくいっしょだということです。1年前にイーサリアムのコントラクトアドレスの意味すら知らなかった僕でもスタートラインに立てたのだから、きっとあなたもスタートラインに立てるはず。

このnoteが、次に世界を驚かせる”あなたの偉大なる一歩”につながることを願っています。

(了)


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