ポストコロナの成長ビジネスをY Combinator w2020採択企業で考えてみる
まとめ
本記事ではベイエリアのトップアクセラレーターである、Y Combinatorの2020 winterバッチ採択企業を振り返る中で見つけた、ポストコロナに加速しそうな企業・事業領域を10社を紹介していきます。
結論としては、全く新しいビジネスが生まれるというよりも、これまで水面下で各産業のDX、そしてキャズムを超えられてなかった人々の新たな価値観に刺さるサービス・プロダクトに注目しました。
前者はヘルスケア、ロボット、ドローン、FinTechなど、後者はメディテーション、コーチング、ビデオチャットコミュニケーションなどです。
注:筆者はdemodayに参加してないので、あくまで各社のホームページ等で収集した情報を元に判断してます。
ちなみに私は熊谷祐二(クマガイユウジ)、Heart Driven Fundにてベンチャー投資家をやってます。
今回参照したスタートアップは下記の約190社。
そこから10社ピックアップしました。
https://www.ycombinator.com/companies?batch=w2020
1. Avion(医薬品のドローン配送)
サンフランシスコ・
https://www.avionuav.com/
主にアフリカでの運用を想定してる、医薬品のドローン配送サービス。
ドローン配送は法規制もあり、まだ普及はしていませんが、特区等で実証実験が進められています。
コロナ禍においても配達員の皆さんは変わらずサービスを提供頂いてますが、感染・拡散リスクは言わずもがなです。
この領域はイノベーションの加速に期待です。
2. Breathe Well-being(ヘルスケア)
インド
http://www.breathewellbeing.in/
インド版Noom。
個人向け健康管理アプリ。減量、血糖低下など予防医療プログラムや個別相談を提供。
複数人でグループ化され、進捗共有やコミュニケーションできる場も用意。
コロナ禍で運動量が減り、不健康になってることへのソリューションはもちろん、もっと中長期で健康で長生きしたい、というニーズを満たすサービスはもっと成長すると思います。
3. Deep Meditate(瞑想アプリ)
US/California
https://deepmeditate.com/
シンプルなメディテーションアプリ。iOS/Android
Calm、Headspaceのような先駆者が市場を切り開いてます。
身体を動かすエクササイズ、心や感情を扱うメディテーション、マインドフルネス、対話型のコーチングなどあらゆるソリューションがあります。
心の病は今に始まったものではありませんが、人々・世の中が徐々にその存在を認めるようになり、ニーズもソリューションも増えてきたようです。
広い意味でこの領域は大きく成長するでしょう。
4. EduRev(オンライン教育)
無料のオンライン学習サービス。eラーニング。
先生がドリル、動画授業、ノート、本などを投稿できるのでコンテンツが豊富。
逆にいうとUGCなので、北米のLambda Schoolのようなクオリティは追求できていない印象があります。
5. GIGI Benefits(個人向けFinTech)
インド
https://www.gigibenefits.com/
ギグワーカー、スタートアップ従業員向けのフィナンシャルサービス。
少額貯蓄のための資産運用、健康保険を提供。
ほとんど貯蓄がない人、今日生活するためのお金を今日稼いでる人に向けた金融サポート。
よく考えてみれば今月働いた給与が翌月振り込まれるのもおかしな話で、お金の流れがなめらかになるサービスはこれからも増えそうです。
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では残り5社行きましょう。
6. Glimpse(コミュニケーション)
1対1の2分間ビデオチャットアプリ。
特にコロナ禍は対面で会うことができず、雑談の絶対量が減ってると思います。
いちいちアポイント設定して、カレンダー登録して、というようなキッチリ用件ではなく、ふらっと・サクッと雑談できるのはGood。
パブリックルームに入れば見知らぬ人との出会いも実現。
1機能、シンプルUIで使いやすい。
知り合いでも新しい出会いでもビデオON/OFF問わずボイスチャットは伸びると思います。
オンライン上で誰かと繋がりたいニーズを満たすサービスに期待です。
7. Kosh(ソーシャルレンディング)
インドのコミュニティ型レンディングプラットフォーム
機械学習を使ったアルゴリズムで貯蓄プランを提供。
友達など身の回りのコミュニティでソーシャルレンディングを設計することで、利子を低く抑える。
テクノロジーによる解決も去ることながら、あらゆる社会問題を解決するためには「地域コミュニティ」の再発展が不可欠だと思っており、コミュニティ型ソーシャルレンディングは面白い。
8. Laserfocus(CRM)
サンフランシスコ
https://www.laserfocus.io/
効率的なCRMツール。
クライアントの一元管理、過去アクション履歴はもちろん、電話、SMS、メール、SNSメッセージなど次にいつ・なにをアクションするのか、を管理できる、またシステムが提案してくれる。
対面営業機会が減少する中で、新たな営業チャネル、ツールの登場は必至。
リード獲得、オンラインセミナー(ウェビナー)、クロージング(契約締結)などポストコロナのSales Techに注目してます。
余談ですが、同社ウェブサイトにHBOドラマ「シリコンバレー」のメンバーが出てくるのが個人的にツボです(笑)
9. Somatic(お掃除ロボット)
ニューヨーク
http://getsomatic.com/
トイレのお掃除ロボット開発。
オフィスビルなど商用施設向け。8時間/日、$1,000/月
VRでロボット操作。水スプレーや拭き取り作業ができる。
同社比で従来の50%コストダウンが実現可能。
ルーティンタスクがロボット化されるのは必然の流れ。人同士が接触なく掃除を完了できるのでこの分野も導入が加速するでしょう。
10. Trustle(教育xコーチング)
親御さん向けのコーチングサービス。
子供教育の悩みをビデオチャット、テキストチャットで専門家が相談に乗ってくれる。
コーチングといえばエグゼクティブ向けの印象も強かったですが、最近はジャンルを問わず誰でも利用できるライトな存在になってます。
ライザップのダイエットもコーチング要素が含まれます。カジュアル化と分野の多様化がより進むでしょう。
以上です。いかがでしたか?
今回取り上げた領域でいうと個人的には、
・バーティカルなビデオorボイスチャット(教育・ゲーム・フィットネス等)
・個人向けFinTech(レンディング・保険・資産運用等)
・ヘルスケア(とにかく健康で長生きする)
が興味強めです。
会社のステージ問わず(プレシード〜シリーズB以降まで)事業相談・壁打ちなどお気軽にご連絡ください。
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