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アフターコロナに向けて、スタートアップが今すべきこと

本記事は、2020年4月7日にHeart Driven Fundが主催した「コロナショックの今、スタートアップがすべきこと」オンラインイベントを経て、Withコロナの今、そしてアフターコロナに向けて、熊谷が理解したこと、思ってることをまとめました。
ベンチャーキャピタリスト丸山さん、グロービス・キャピタル・パートナーズ 今野さんから多分に影響を受けてますが、両氏の意見がそのまま反映されているわけではないことを予めご理解ください。

ちなみに普段はHeart Driven Fundにてベンチャー投資家をやってます。

丸山さん、今野さんはリーマンショック前からVC活動をスタートしており、リーマン前、その後1-3年、そして5-10年の各フェーズを経験されていることから、過去を振り返って非常に示唆に富むイベントになりました。

1.世界経済、日本経済への影響(スタートアップへの影響)


・2020年以前からブレグジット、米中貿易摩擦、中東問題など世界経済に影響が出始めていたが、株価だけは上がり続けていた
・その状況を見ていて一部の経営者や投資家は不況の到来を不安視していた
・そこに2020年1-2月、コロナウィルスの世界的な拡大、そして原油安が重なり、世界経済、株式市場に大きな影響を与える結果となった
・今回のショックは一般的な不況とコロナの広がりの2つに分けて考える
・事業規模に関わらず、不況下において特定の業種は大きな打撃を受ける(下述)
・そこに今回はコロナの影響があり、消費者の移動、集合が必要な経済活動がストップしつつある
・リーマンショックと異なり、すぐに底が来て回復するものではなく、楽観視しても底はもう少し先(2020年夏頃?)。感染症はワクチン出ない限り続くものなので回復するとしても時間がかかる。長期戦を覚悟(12-24ヶ月)
※専門家ではないので充てにしないでください

2.業界別スタートアップの見通し


・過去の不況を見ると「広告」「人材採用」は最初に大きく打撃を受ける。そして「不動産」(不動産は金融市場による。個人向けローンの状況など)
・逆に影響を受けづらい(場合によっては恩恵を受ける)のは家庭内消費系。ゲームなどのデジタルコンテンツ・エンタメ、生活必需品の生産から小売
・それに加えてコロナでは移動が制約されるので、上記以外のEコマース、オンライン通話・レッスン、デリバリーは特需(特需を通常に変えられるか勝負)
・コロナで打撃を受けてるのは、観光、交通(モビリティ)、外食、貿易、リアル資産のシェアリングエコノミーなど
・SaaS(Software as a Service)はエンタープライズのコスト優位性があるので導入が進みやすい可能性大。広告出稿比率が高く、回収期間が長いモデルは資本が集められない可能性があってリスク
・法人営業全般で対面でのリード獲得・クロージングに依存してた会社は営業体制見直し必須
・広告収益依存は事業見直しが必要(課金モデル強し)

3.危機に直面したスタートアップの過去を紐解く


・まずは固定費の見直しを徹底する。ただしコスト削減により、攻めが弱くなりすぎないように注意
・広告モデルから個人課金モデルにピボット、または受託からSaaSモデルにピボットで成功事例あり。大胆なビボットも有効な一手
・ビボットに成功した会社は直前に大きめの資金調達ができてる(ことが多そう)
・逆に広告モデルから脱却しなかった、C向けで元々収益が上がっておらずユーザー拡大を続けようとした会社は苦しい

4.資金調達への影響(投資家・銀行の動向)


・事業会社で本業に影響が大きいところは投資を控える傾向あり
・エンジェルは個人資産が影響受けてる人は控える可能性あり
※いずれも会社や個人によるので一概には言えない。ただ必ず変化はある
・投資ファンドは直近1-2年で大きな資金を集めてるところは引き続き積極的に投資活動が行われる可能性大
・ただし上場企業の時価総額が下落する中で、出口に近いラウンドから徐々にバリュエーションが調整されるのは必至(すでに影響あり)
・シリーズA以降が最初に影響受けるが、時間差でシードにも影響が及ぶ可能性大
・バリュエーションが下がり、調達額がそのままだと希薄化(ダイリューション)が加速する
・次ラウンドだけではなく、IPOまたはM&Aまでの資本政策を描くことが大事
・会社が生き延びるにも、大きな一手を打つにも現金が最重要なので、コロナ以前のバリュエーション感に囚われすぎずに、大きめの資金調達が吉
(※投資家が言うとポジショントークにもなるので、最後はご自身でご判断を)
・不況時の銀行借入は国の政策による。コロナ融資は多くの制度が整いつつあるので有効活用すべき。今後支援が少なくなる可能性もあるので(上限があるから)早めに動くこと

5.スタートアップがすべきこと(経営・採用/人事・プロダクト開発)


・とにかく資金を確保すること。最低12ヶ月のrunway、18-24ヶ月あると理想的
・コスト、事業計画の見直しを徹底的に行い、あとは上を向いて事業推進を行う(悲観的になりすぎない)
・スタートアップはとにかくプロダクトに集中する。磨いて磨いて、また景気が上向いた時に一気に勝負
・プロダクトの完成度が高まり、キャッシュが潤沢にある会社は逆に大チャンス。獲得効率良く広告を打てる。逆張り。
・日々のニュースヘッドラインに踊らされすぎないこと。自分がやるべきことに集中する
・社会変革されるときはスタートアップに大チャンス。アフターコロナ時代の新たなニーズを掘り起こせ!

以上です。いかがでしたか?
こんな時代だからこそ、外部環境のせいにせず、自分ができることをしっかりやりきり、次の時代に進みましょう。
Heart Driven Fundは価値観、社会が大きく変革する今だからこそ、骨太な起業家の皆さんに積極的に投資していきます!

xxについてもっと詳しく議論したい、資金調達の相談乗って欲しい、などお気軽にご連絡ください。

丸山さんは経済からスタートアップ動向まで色々tweetしてくれるのでオススメ

今野さんの深い思考力と経験には僕はもちろん、投資先がいつもお世話になってます(URL先は今野さんですが、アイキャッチは仮屋園さん。お間違いなく。。)

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