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<ラグビー>花園初日雑感

花園初日(1回戦前半)について,ハイライト映像と結果からいろいろと考えたことを記したい。

その前に,試合結果をご紹介。
以下のリンク先から、フルマッチ及びハイライトビデオを観られます。
https://www.mbs.jp/rugby/

佐賀工業64-0大津緑洋
長崎北陽台69-14函館ラサール
川越東7-24明和県央
京都成章129-0米子工業
熊本西0-41早稲田実業
尾道64-12学法(松蔭)福島
城東31-29新田
東福岡55-0長崎南山
筑紫48-5坂出第一
創志学園12-92石見智翆館
岡谷工業0-52四日市工業
桐蔭学園36-7茗渓学園
黒沢尻北3-61日本航空石川
仙台育英50-0富山第一
若狭東0-58青森山田

京都成章対米子工業は,大差の試合になってしまった。もともと強豪校とそうでない学校との力の差は大きい上に,越境入学が普通になって,地元出身選手のみで構成というのが高校野球並に少なくなっているため,余計に実力差が目立つ傾向になっている。

その上で,今年は100回の記念大会ということで,通常より出場校数を増やしたため,こうした大差のゲームが出る要素が多くなった。

花園1回戦は,25分ハーフの50分しかゲームをしないので,試合時間が通常より30分も少ないのだが,その50分で129点も取られてしまうということは,ハイライトを見ればわかるとおり,ほとんどがノーホイッスルのあっさりとしたトライになっている。これでは,トライした側にはアタック&ディフェンスの練習以下にしかならないし,トライされた側には屈辱感しか残らず,ラグビーを嫌いになってしまうのでないかと心配になる。

このような両チームにとっても得るものがなく,第3者としての観客も楽しめないゲームを,一般にミスマッチとして避けるのがラグビーの伝統だが,高校大会では教育上の理由(最後まで良き勝者であり,良き敗者であること)なのか,組むことが多くなっているが,やはり改める方が,教育上も良いのではないかと考える。

その改案は,現状では開催期間と開催グランドが限定されている関係から試合数に限りがあるので,過去の戦績や地区予選の結果から,全チームをABの2グループに分けて,2つのグレードに分けるのが良いと思う。そうすれば,実力差が接近した試合が多くなり,またプレーする両チームにとっても得るものが多いのではないかと思う。

それから,米子工業に限らず,大差で負けるチームに共通するものとして,個々のタックルの弱さもさることながら,ディフェンスのコミュニケーションがとれておらず(また指示するリーダーが不在あるいは機能不全),ボールのあるところに選手が集まってしまい,外に回されたら,それだけでディフェンスがいなくなってしまう場面が非常に多かった。

これについては,普段の指導から改善することができるのではないかと思う。たしかにディフェンスの練習は面白くないが,全国大会に出場するチームであれば,そして,全国レベルで強豪と言えないチームであれば,自然とアタックできる時間は少なくなり,試合の大半はディフェンスになってしまうのだから,練習もディフェンスに特化して良いと思う。少なくとも,こうした練習をすることで,得点差はかなり縮まるのではないかと思う。

それから,今日の試合で一番期待した桐蔭学園対茗渓学園だったが,桐蔭の実力が良く発揮されて茗渓につけいる隙を与えなかったように思う。こういうゲームの中継では,特にWTBの50mの速さを強調してアナウンスする傾向があるが,桐蔭の選手はスピードで振り切っていることは少なかった。抜けるときは,まず有効なパスがあり,次に的確なサポート,そして1対1になったときは,良いチェンジオブペースを使っていた。チェンジオブペースは,スピードの速さに関係なく,また足の細かい運びを要求されるサイドステップ系とは違って,習得しやすいスキルなので,もっと多くの選手が見に付けて欲しい。特に,強豪校でなくまたアスリートではない選手には,このスキルはかなり有効ではないかと思っている。

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