見出し画像

<国内ラグビー>大学ラグビー選手権決勝の結果から(物語は続く)

 初めにお断りしますが、私は明治OBなので、徹頭徹尾明治応援の視点から書いていますので、帝京ファンの皆さんには不快に感じるものがあるかも知れませんが、大変に失礼ながらそのような方は本稿をお読みにならないことをお勧めします。

大学選手権決勝

明治14-27帝京

 このスコアだけで十分。もう、試合の細かい内容を書く気分にはとてもなれない。とにかく思ったのは、対抗戦で負けたリベンジを大学選手権で達成するという、かつてのモハメド・アリ(ボクシング)のような物語の完成を願っていたが、ジョージ・フォアマン(帝京)は、想定外に強かったため、物語は完成しなかった、ということ。

 しかし、今年に物語が完成しなかったことで、来年にリベンジの物語が継続することになった。年寄りとしては、長生きするための理由が出来たと喜ぶべきかも知れない。高校ラグビーでも、国学院栃木が初優勝という物語を来年に継続している。

 もし故北島忠治先生なら、試合後の感想をTV局から求められて、こう答えたと思う。いつものように煙草の煙をゆっくりとくゆらしながら、泰然自若として「学生らしいラグビーができて良かった」と一言だけぽつりと述べ、プレーの詳しい内容とか、試合のあや(レフェリングの運不運)、チームとしての出来などは、一切言及しないと思う。それでよいのだ。

 これがプロのラグビーならそうはいかないが、学生ラグビーとは本来こういうものだと思う。ラグビーの質やチームとしてのレベルを云々する時代は、とうの昔に過ぎ去っている。大学ラグビーが日本を代表するチームプレーを創案し、また代表入りする選手を育成する時代は、昭和を経て平成の時代初めでとっくに終わっている。これを認識しなかったために、過去の日本代表はさんざんたる成績しか残せなかったが、ようやく学閥の枠と日本人指導者にこだわることを諦め、こうした現実を直視出来たことが、2019年RWCの成果につながった。

 ということで、今年はもう学生ラグビーを母校愛で応援する「正月」は終わった。学生ラグビーの物語は来年までのお楽しみにしよう。そしてこれからの国内ラグビーは、本来のラグビーを楽しむためのリーグワンを見ていくことになる(と言っても、さっそく新型コロナウイルスでミソをつけてしまったが・・・)。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?