なぜリサイタルをするのか①

音楽を勉強していく中で、誰もが一度は「リサイタルをしたい」と思ったのではないでしょうか。
しかし、実際に演奏の仕事をしていると、伴奏やアンサンブルやジョイントなどの他の形態もあって、最もカロリーの高い「リサイタル」をわざわざやろうとするのが億劫になってくることもあるかと思います。
そこで敢えてリサイタルにこだわる理由を、自分なりに説明してみます。

「勉強の場だから」
表には見えない部分ですが、選曲して練習して披露するプロセスの全てが勉強の機会になります。
特に選曲の段階について、自分はかなり重視しています。
いつも考えることは、「チェコの作品を入れる」「今興味のある曲を入れる」「まだ弾いたことのない作品を入れる」「自分の個性が出る曲を入れる」というような感じです。
そうすると候補がいくつも出てきて、実際に弾いてみたり聴いてみたり、演奏時間がちょうど良くなるように組み合わせたり、全体のバランスを見たり、その作曲家作品や周辺情報について調べたり。
そんなことをやっていると、この段階で結構な量の作品に触れることになります。
そして最終的なプログラムが決まる頃には、作品についての情報もある程度頭に入っている状態なので、練習する段階に進んだ時には、それぞれの作品でどんな音や響きが欲しいか大体イメージできています。
この先の練習と披露は、想像しやすいと思うのでここでは割愛…

リサイタルの度にこのような方法をとっているのですが、この選曲によって自分の音楽性が広がり、表現するための技術が向上し、知識が深まっていくことに繋がっていくのではないかと思っています。

どこまでも勉強は終わらない。
それが楽しい。

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