今の仕事に至るプロセスを簡単に自己紹介してみる
最初の記事は「note」始めましたよ。2つ目の記事は、たまたま新しいカメラを購入したので作品の写りの違いをなんとなく書いて。そして3つ目にして「自己紹介」を簡単に(多分)書いてみようかと思います。
仕事のネーミングは色々と有るかと思いますが、今現在は自らデザインして自ら作っていますので「ジュエリー作家」と名乗ることが多いでしょうか。主たる展示の内容や場所によって「金属造形作家」でもありますが、根底には「職人」が一番しっくりくるのだろうと。さて、始まりは阪神淡路大震災のあった1995年、ジュエリーの業界へ足を踏み入れ早25年目。実務経験年数で言えば中堅どころもすぎた頃ですが、自身でも想像をしていなかった現在の仕事へのスタンスです。なぜなら自らを「作家」と名乗るとは10年前は全く思っていなかったから。
「好きこそものの上手なれ」
幼い頃から工作ばかりしていて、ボール紙とハサミとセロテープがあれば、車や電車やなぜか扇風機やステレオなど、なんとなくプロダクトなものばかり作っていました。医者や建築家など憧れた職業はいくつかありましたが、小学生の頃にはすでに工業デザイナーを目指していたと思います。高校まで部活は美術部を通しデザインや絵を描いていて、17歳の時から専門的にデッサンの学校へ行き、描いたり作ったりが楽しく大好きだったのでほとんどなんの苦労もなく美大に入学しプロダクトデザインの道へ進み、当初は「カーデザイナー」を目指していました。
「やりたい仕事」
就職に向けた大学4年、大手家電メーカーのデザイン部を当時の教授からは打診されましたが、この土壇場にきて「デザイナー」が本当にやりたい仕事なのか分からなくなって結局就職せずに卒業してしまい、当時のバブル崩壊で就職氷河期真っ只中に就職浪人となりました。仕方なく学生時代から続いていたアルバイトで生活しながら、将来を決めあぐねていた若輩はとあるファッション雑誌の記事に目を留めます。「ジュエリー作家」です。自分でデザインしてシルバーを手作業で加工してリングやペンダントにする仕事。そしてそのショップが近くにあったのです。すかさず学びたくてそのショップの作家を訪ね、弟子入り希望。半年近く店番をしながら作り方や道具などを見て学び、その後大枚をはたいて必要最低限の道具を揃え、自宅で独学に勤しむのです。
今の時代のようにネット環境などなく、自ら知りたいことは街の図書館で彫金やデザインや金属加工の本を片っ端から借りこんで、読み漁り、全ページをコピーして道具の使い方から制作方法まで独学で作品制作を始めます。自分の手で作る楽しさを憶えつつも独学での限界もすぐに知り、全く縁のなかった貴金属加工の会社を探し始めます。探す手段といえば、生活の収入を得るために続けていたアルバイトの途中で毎週火曜日か水曜日に書店に立ち寄り販売していた就職情報誌を毎週見る(立ち読みする)こと。そしてジュエリー系の会社情報探すこと一年。とうとう「貴金属加工見習募集・未経験可」の会社を見つけます。挫折せず一年間独学で作り続けた作品を持って面接を受け、会社の社長から「独学でここまで作れるなら職人になれる、明日から来なさい」と一発採用。
「職人から作家へ」
そこから怒涛の下積み7年が始まり、他人の3倍仕事をして技術の習得に明け暮れました。円満退社後、新しい職場で8年働き、ずっと「職人」が続くものと思っていました。が、時にリーマンショック、宝石屋の仕事はもうほとんど成り立たなくなり、周りでも廃業が続く中、会社を辞めました。他の職業は考えず半ば強制的に独立して、全く仕事のない二年間をしのぎ、その後街を離れ、憧れていた田舎の古民家生活とショップ開店で地方へ移住。開店したショップは当時ちょっと珍しかった古民家のジュエリーショップとして少しずつお客さんがついて、ありがたくも順調に進みました。そんな中、職人としての請負いの仕事はキッパリ辞めて、自らデザインし作るスタイルに変えて、作品やオーダーを直接作る「作家」へと転身しました。
そうして作家10年目、ジュエリーのみならずジュエリーメイキングを生かしたオブジェも制作し毎年個展もさせていただき、様々な作家とも縁が繋がり、地元のアートフェスなどデザインや工芸のイベントを運営する側の仕事にも関わるようになり、現在に至ります。
ワタシの25年をざっと文章にして、やはりいささか長文となりましたが、これが今のワタシの仕事の経緯です。自分で切り開いてきた自負もありつつ周りの支えや協力やご縁で繋がってきたことに感謝し、これからも作品を楽しみにしてくれる方々に作家活動を続けていきたいと思います。
非常に簡単ですが自己紹介(?)でした。以降、制作風景や今後の仕事についてお伝えできたらと思います。SNSでも作品や制作中、またイベントのお知らせなど発信していますので、ご興味ございましたらご覧ください。
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