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Piergiorgio Casotti 『Emanuele Brutti, Index G』 (2018, Skinnerboox) 【写真集レビュー】
タイトルの『 Index G 』とはジニ係数のことで「おもに社会における所得分配の不平等さを測る」指標であり、居住地における人種差別の測定にも用いられる。イタリア人写真家、ピエルジョルジオ・カソティとエマニュエル・ブルティは、ミズーリ州セントルイスを例に取り上げ、現代における経済的不平等さ、人種差別による社会の分断とその見えにくさについて、車内から撮影した(ように見える)「カラーの風景写真」、アフリカ系アメリカ人男女のポートレイトと室内を写した「白黒写真」、それに加えて「映画
Rein Jelle Terpstra『Robert F. Kennedy Funeral Train, The People’s View』(2018, Fw:books) 【写真集レビュー】
ポール・フスコ(Paul Fusco)の『RFK Funeral Train』は、アメリカ人ではなく、ロバート・F・ケネディの信奉者でもなく、当時をリアルタイムで経験したわけでもない私から見ても、不思議なぐらい胸が熱くなる写真集だ。1968年6月5日、ロバート・F・ケネディ上院議員は大統領予備選の選挙活動中に暗殺され、葬儀はニューヨークで行われた。その後、棺を乗せた列車はワシントンDCまで8時間かけて移動した。『ルック』マガジンの専属カメラマンとして、この葬儀列車に乗っていた
M L Casteel 『American Interiors』 (2018, Dewi Lewis Publishing)【写真集レビュー】
深刻かつ複雑な問題に向きあうとき、簡潔で明快なコンセプトに基づいた控えめな表現が、刺激的で生々しい表現に比して、むしろ説得力のある強いメッセージとなる場合がある。アメリカの写真家 M L Casteel は『American Interiors』において、退役軍人が所有する車のインテリア写真をとおして、彼らとアメリカの抱える苦痛やその問題の深刻さについて静かに問いかけている。この本を構成しているのは、小さなデジタルカメラで車の内部を撮影した写真だけだ。それらは写真家が、退役軍