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【有料】認知科学についての解説

こんにちは、小島有史です。

今回は
・認知科学に興味関心がある人
・コーチングを学んでいる、取り入れている人
・プロコーチを目指している、活動している人

向けに、認知科学と、それに基づく人の可能性にフォーカスしたコーチングをより深くまで理解できる内容で書いています。
なので先にお伝えしておくと相当ボリューミーです。詰め込んでます。そんな情報を待ってましたというマイノリティな方々に読んでいただければと今回は思い有料記事にしました。

コーチングを実施する際、クライアントが「してもらうマインド」ではなく主体性を持って自分自身に向き合う場が設定できないとコーチングは機能しません。なので、今回の内容のような事前学習をクライアントにしてもらうことが非常に重要です。これが抜けていて、なんちゃって認知科学コーチングになっている人もいるのではないでしょうか?

今回の記事を読み終えた時、手に入るものは
「点で理解していた内容が、線で説明できるようになる」
ことです。一度でなく何度も読むことで、自身の言葉で説明できるようになるのではないかと思います。余談ですが、コーチを目指している人以外でも人に教えるつもりで読むとインプットの質が上がるのでおすすめです。


認知科学とは

そもそも認知科学とは何か?
認知科学とは「心とは何か、心はどのように働くのか」を情報処理の観点から探る学問のことです。

人は世界から多くのの情報(外圧による刺激も含む)を受け取って、それを元に行動していますが、認知科学では世界から受け取った情報をどのように心で処理をしているのかを探ります。認知科学を理解するためは、行動主義心理学と比べるとわかりやすいので、まずは行動主義心理学について、簡単に説明します。

行動主義心理学と認知科学

行動主義心理学は、世界から受ける情報(外部刺激)と行動の関係性を説明する学問で、認知科学と大きく異なるのは「心」という存在を認めていないところです。科学が扱うのは「客観的に観察可能な行動に限るべき」という考え方なので行動主義心理学では「心」という客観的に扱うことができないものは考えられていません。(目に見えない=事実確認ができない)

一方、認知科学では「その間にある心がどのように働くのか」を探り、目には見えないが心の存在があるものとして考えます。行動主義心理学は「心」という事実確認しきれない存在を認めていないので、ここが大きく異なります。

認知科学と行動主義心理学の違いを身近な例でいうと、例えばコーヒーショップの近くを通った時にコーヒーのいい香りにつられてコーヒーを購入したとします。

コーヒー購入

行動主義心理学では、
「コーヒーのいい香りを嗅ぐ」→「コーヒーを購入する」
と世界から刺激が「コーヒーの香り」で、その結果「コーヒーを購入する」という行動を起こしたと考えます。

認知科学では、
「コーヒーのいい香りを嗅ぐ」→「少し眠いからコーヒーを飲んでリフレッシュしよう(仮)」→「コーヒーを購入する」
と世界からの刺激と行動の間に「心」があると考えます。
この例に関しても(仮)と記載した理由は、これ意外にも「サイズは何にしよう」「いくらかかるの?」「意外と高いな」「でもWi-Fiあるし、ここで作業すれば良いか」「よし買おう」のように、コーヒーを飲みたいかどうか以外の時間、コスト、効率、あらゆる領域でもっと複雑な情報処理が自動的に走っているからです。

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認知科学ではこの「心」を情報処理の観点から探りますが、行動主義心理学では「心」は客観的に扱うことができないものなので、深く考えても意味はないと考えます。(事実確認ができないので、目に見える事実しか認めない行動主義心理学とはそもそも前提が異なります。)

さて、みなさんは普段の生活を振り返ってみてどう感じますか?どんな行動でも「心」が関わっていると考えた方がしっくりくるのではないでしょうか。先程のコーヒーの例は、皆さんも一度は体験したことがあるのではないでしょうか?

ここから本題に入っていきます。認知科学でまず抑えておくべき「情報処理」からしっかりインプットしていきましょう。

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