高齢者の性

　高齢者にも性衝動があり、恋愛もする。当然と言えば当然なのだが、一方では年齢を重ねるにつれて性的欲求がなくなっていく、と考える人もいて、ときに性愛につながる行為、言動を高齢の家族が見せた場合、とまどう人も多いという。

　高齢者福祉施設では実にさまざまな問題が持ち上がっているそうである。入所者間のトラブルもあれば、施設職員とのトラブルもある。

　入所者同志が性行為を行っているのが確認されたが、片方が認知症で同意があったとは考えられなかったケース。

　施設職員が仕事として行っていることを、入所者が恋愛感情を持っているからだと誤解し、その職員に対してさまざまなアプローチをしたケース。

　上記のような問題が起きても、施設側が家族に知らせないこともあるという。

　さまざまなトラブルが起きているとはいえ、もちろん高齢者には人権があり、尊厳がある。適切なケアや支援が必要なことは言うまでもないが、実際に福祉施設等の現場でどう対応するかとなると、まだまだ知識を収集し模索している段階なのではないか。

　では福祉に関わらない仕事にある人間は、ひとまずどうすべきなのだろうか。それは、高齢者にも性衝動があり、恋愛感情を持つこともあるということを、最小限の知識として憶えておくことなのかもしれない。