振り切り ~応用編~
こんにちは。
今回も振り切りの話です。
以前投稿した基本編をもとに、さらに難度の上がった応用編として、僕が振り切りの時にやっていること、意識していることを話していこうと思います。長くなったので発展は入れるの諦めました書いているうちにだいぶ内容が難しくなってしまいました。
基本編を理解してもらっている前提の話になるのと、論文で使う専門用語がいくつか出てきますので、先に基本編を読んでいただけるとありがたいです。
基本編はこちら↓
応用①:円盤の軌道
ハイ・ローポイントをズラす
一般的にターンをして円盤を投げる際、円盤の軌道は投てき方向を12時とすると6時の地点がローポイント(最も低くなる)、12時の地点がハイポイント(最も高くなる)となるのがセオリーです。
これはリリースポイント(イメージ)が12時~1時のあたりにあるため、その地点をハイポイントにすることで投射高を高くしつつ、投射角もつけるためと考えられます。
そしてハイポイントと対角にある6時の地点をローポイントにし、ターンの開始からロー→ハイ→ロー→ハイと抑揚をつけながらリリースへと繋げていきます。
ですが、僕はローポイントを7時から8時の間、ハイポイントを1時から2時の間にくるような軌道をイメージしてターンしています。
具体的にはターンしてきて左足をついた瞬間がローポイント、そして実際のリリースポイントの位置がハイポイントです。
これまでリリースポイントは12時~1時のあたりと何度も言ってきましたが、これはあくまで(イメージ)の話であり、実際のリリースポイントはだいたい1時~3時の間だと思います。
リリースポイント(イメージ):12時~1時
リリースポイント(実際):1時~3時
イメージと実際は違うんだよという話を深掘ると、話が脱線して帰ってこれなくなるので割愛させていただきます。いつかやります
この技術は2011年、大学4年の春先から使いはじめ、自分のモノにできたなと感じるまで1年と少しかかりました。
この技術を習得するためにM.ウィルキンスやW.シュミットの投げを参考にしました。
どんな利点があるのか
このハイ・ローポイントをズラす技術を使うことで、リリース時の円盤の迎え角(姿勢角)を抑えつつ投射角と投射高を高め、高い軌道の円盤を投げることができます。
通常ハイポイントが12時でローポイントが6時の場合、右手が3時の地点、身体の真横を通過するタイミングでは円盤はだいたい両肩のラインと同じくらいの高さにくるはずです。
12時が高度+10、6時が高度-10と仮定すると3時が高度+-0になるみたいなイメージですね。
ですが仮にハイポイントを2時(高度+10)、ローポイントを8時(高度-10)とすると、身体の真横を通る3時の瞬間は明らかに右手が両肩のラインより高い位置にくることになります。
(単純計算だいたい高度+8とかになります)
このことからハイ・ローポイントをズラしたことにより、投射高が高くなっていることがわかるかと思います。
また、横から平面的に右手の軌道を見た際に、通常振り切りは下から上に向かって一直線状に進んでいきます。
ですがハイ・ローポイントをズラした振り切りだと、上の画像の青い矢印のように弓なり状に進んでいくことになります。まあ実際は多少違うかもしれませんが
この右手の軌道とパワーポジションの後傾姿勢からの上体の起こし動作(まっすぐ立ち上がること)により、円盤をリリースした瞬間の飛び出し方が変わるのです。
うまく表現できないのですが、実際に僕の投げを見たことがある方であれば、僕が円盤をリリースした瞬間にボンッと高く飛び出していく感じがわかるのではないでしょうか。
さらに、弓なり状に進むことで先に円盤の高さを確保し、リリース間際でよりまっすぐ前に投げる感覚(地面と平行に投げる感覚)を作ることにより、円盤の姿勢角を抑えられ、空気抵抗による失速を防ぐ意味合いもあります。
注意しなければならないこと
めっちゃいいじゃん俺もこの振り切りやろ!
と思うかもしれませんが、当然ながら注意しなければならないポイントがあります。
注意すべきポイント
①手首の角度
②上体の起こし動作
まず①ですが、通常振り切りの際は肩から手のひらまでまっすぐに伸ばし、指先を円盤に引っ掛けて行いますよね。
それでまっすぐ前に投げれば円盤の姿勢角は抑えられ、円盤と地面が平行に近い形で飛んでいくのです。
ですがリリースの際右肩上がりに腕が伸びた状態で振り切ると、当然ながら円盤も自分から見て右肩上がりに飛んでいってしまいます。
この状態では空気抵抗による浮力を得ることができず、いわゆる「風に乗る」円盤を投げることができません。左にそれながら円盤が縦になって地面に突き刺さるアレね
そのため、リリースの際は手首を手のひら側に折り曲げ、円盤が地面と平行になるように調節する必要があります。
これが結構難しい。
写真で見れば少し手首を曲げているだけに見えるかもしれませんが、リリースの瞬間には遠心力で手首が伸びようとするので、僕は手首を直角に曲げる感覚で振り切っています。
さらに円盤を持つ親指でしっかり円盤を抑えていないと、円盤の向かい角(姿勢角)を保てません。
いわゆるお月様って言われる投げになります。
僕はリリースの瞬間だけ手首を曲げるなんて高度なことはできないので、ターンを始める前の腕振りのときからずっと手首を固定する意識を持っています。
その②はもう少し単純です。
いくら投てき方向(前方向)へまっすぐ投げようと思っていても、リリース時に上体が上を向いていたら円盤は上に飛んでいきます。
そのためパワーポジションで後傾した上体を、起こし動作で地面と垂直に立ち上げる必要があります。
僕自身は上体を垂直に立てるというより、上体を被せるくらいの意識でこの動作を行っています。
以前チューブ引きのトレーニングを紹介しましたが、僕はこのトレーニングで先述の起こし動作の意識付けと動きの習得を目指しています。
応用②:肩甲骨
肩甲骨で押す
振り切りの瞬間、僕らは強く、速く、思い切り腕を振ります。
ただ僕は、腕を振る際に肩甲骨で腕全体を押し出していくことを意識しています。
上の写真では少しわかりにくいですが、肩甲骨で押し出すことを意識することで振り切りの際に右肩が先行します。
そしてそのまま肩甲骨を外側に押し出し続けることで、円盤の遠心力に引っ張られるのと相まって肩から先が伸びていくような振り切りを行うことができます。
うまく投げられると右肩から先をまるごとスポーン!と投げ飛ばすような感覚が得られ、投げの次の日に菱形筋(りょうけいきん)という肩甲骨の内側にある筋肉が筋肉痛になります。
自分の身体に向かって引き込むような振り切りをすると、自分の感覚では力感のある強い振り切りができた気がするのですが、意外と初速は出ていなかったりします。
ターンで得た推進力と遠心力を失わず、少しでも身体の遠くで振り切るために肩甲骨を使って腕を通常よりもさらに伸ばして投げることを意識しています。説明が難しいな
そして発展へ
基本編に比べてだいぶマニアックかつ感覚的な話が多くなってしまったので、分かりづらい内容になってしまったかもしれません。
すみません。
基本ができて、応用。
応用ができて、発展へ。
発展編ではさらにカオスな難しい話となるかもしれませんが、こんな技術(考え)もあるんだなーと思って温かく見てくださればありがたいです。
今回のお話は以上になります。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
またね。
不定期で投稿したりしなかったりします。 気が向いたらまた見に来ていただけると嬉しいです。