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長女と傘を買いに行った日のこと

昨日の雨は何処へ行ってしまったのだろう。ブランコの下にあった水溜りは、太陽に誘われて朝から遊びに来た子どもたちによって泥になり撒き散らされ、ほとんど乾燥していた。滑り台には、逆走したときに付いたような泥の跡がたくさんあった。3つの高さが並んでいる鉄棒は、真ん中の高さの足元にだけ水溜りができていた。これが一番多く遊ばれているんだな。いつもは気にしないようなことに水溜りができたことで気付かされる。長女は一番右側の低い鉄棒で前周りを見せてくれた。カメラを向けることは無くなったけど、たまに「写真撮って!」と言ってくれる。達成感が得られたときに声を掛けてくれることが多いので、成長の様子がボクのiPhoneに記録されていく。今日も前周りの様子を撮ってと頼まれたので撮った。本音を言えば練習風景のような場面も残したいけれど、残して欲しいと頼まれたときだけでも記録できることを幸せに思う。

夕方、ショッピングモールにおもちゃを一緒に見に行った。4ヶ月先の誕生日プレゼントを探しに行くというドキドキするイベントだ。「誕生日まで待てない!」と言われることを覚悟していたけど、パウパトロールのおもちゃを即決してくれて、せがまれることもなかった。安心した気持ちと、どこか寂しい気持ちがあった。おもちゃ売り場の隣に子ども用の傘が並べられていた。雨の季節になったら買おうねと約束していたので、紫陽花のような彩りの傘を順番に開きながら彼女の判断を待つ。まだまだ小さいと思っていたけれど、傘はちょうど良い大きさだった。今日まで雨の日に一緒に出かける場合は、雨ガッパを着て、ボクと一緒の傘に入ってもらっていた。傘を持ちたいと言われたときは、ボクがしゃがんで、側から見たら滑稽な格好でスーパーやホームセンターまで並んで歩いていた。思い出に浸っているボクの隣で、彼女はピンク色のお気に入りの傘を見つけたようだ。駅までの道のりは、傘を振り回さないように体に傘を沿わせてしっかり持ち、ときどき「まっすぐ持ってるから、周りに傘が当たってないでしょ」と教えてくれた。電車に乗っても眠ることなく、初めて持つ自分の傘をずっと見つめていた。

「これからはパパの傘に一緒に入らなくていいね」。何気ない一言だった。彼女は自分の傘を手に入れたのだから当然のことだ。そのために買ったのだから。ボクがしゃがみながら同じ傘に入ることはもうない。寂しいけれど、互いに自分の傘を差して雨の散歩をするという新しいイベントが待っていると思えばいい。今後もたくさん同じような感情になるだろう。そんな時は変化によって訪れる新しい出会いを楽しみに過ごすようにしよう。

雨の日が待ち遠しい。

写真や旅のことだけじゃなく、今ボクが気になっていることをnoteに書いています!読んでいただきありがとうございます!