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シン・雑草コラム〜私の推し草〜

自己紹介をするときに、好きな音楽や本を言うことはあっても、好きな草を言おうなんて考えたことすらない人がほとんどだと思います。ボクも雑草部を始めるまで、好きな草について考えることなんてなかったから。だけど、人って面白くて、意識するとどんどん深みにハマってしまうんです。たとえば、草を擬人化してみよういって、ヨモギーと命名したオリジナルキャラクターを数分で作り、ボクが好きな草はヨモギだと暗示をかけることも容易です。恋は盲目というけれど、草に恋してしまうと、街を歩いていても草が気になって他のものへの注意がおろそかになってしまい、ポールにぶつかりそうになることも増えます。塀の上の方から生えている草を見つけた日には、どうしてあなたはそんなところに生えてしまったの?と問い掛けてしまうほどです。側から見たら怪しい人か、雑草研究家のどちらに見えてるのか考えてしまうことがあっても、それ以上に雑草の神秘を見ていたいという気持ちが勝り時間を忘れて観察することが楽しみになりました。草を見て何が楽しいのか分からないという気持ちは分かりますが、次に外へ出たら「雑草さんどこにいるの〜?」と思いながら歩いてみてください。きっと見える世界が変わりますから。

シン・雑草部では、部員が見つけた草を共有する部屋をLINEにつくっています。不定期で思い立ったときに投稿していて、誰かが投稿するとそれに応えるように皆が目の前の草のある風景を共有する一連の流れが大好きです。この部屋のルールは、投稿された写真にはコメントやスタンプで絶対にリアクションしないこと。だから、「こんな素敵な雑草見たことない!」と思っても、それを相手に伝えることはできないんです。そう決めた理由のひとつは、生えてきた環境で雑草の価値が変わってしまうような錯覚に悩まされたくなかったから。同じ草なのに、路地の隅っこで誰にも見つけられずヒッソリ生えるものもあれば、大阪駅の花壇でたくさんの人に見られながら毎日賑やかな場所で過ごすものもいます。環境ガチャと言って仕舞えばそれまでですが、その様子を写真に撮ってしまうと、人は経験から勝手にその草がどういう存在か判断してしまおうとするのです。草の気持ちを分からないのに、影でひっそり過ごしている雑草に対して、「私はジメジメ陰気な草だから、好んでこの湿度の中に身を潜めているの。誰にも会いたくないから一人でいたいから、ここにいるの。」と台詞を言わせてしまう。草の世界はこんなに単純じゃない。人間と同じくらい、草も本音とは裏腹な行動をしているとボクは思う。

ここまで書いてしまって紹介しづらい雰囲気になってしまったけれど、今月ボクが出会った推し草を紹介します。

もはや雑草ではないですが、周りとの色合いとか、関わり方がなんか素敵だなと思った。

皆さんにも、植物との素敵な出会いが訪れることを祈っています。

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