植物を愛するおばあちゃんと天空の城ラピュタ
花や植物をこよなく愛するおばあちゃんの家に訪問した時の話だ。
画像の花が、花瓶に刺さっていた。
この花は、なんですか?(?_?)と聞くと、
おばあちゃんは、「踊子草(おどりこそう)と、言います」と嬉しそうに教えてくれた。
このおばあちゃんは、花が大好きで、事細かに花の名前を教えてくれる。
このおばあちゃんの花や植物を愛する気持ちは、すさまじく庭にある花を、話題にすると20分は語ってくれる。
この踊子草という花。
私は、初めて聞いた。だから、感想は「きれいな花ですね~(*´▽`*)」くらいしか、感想はなかった。
そんな、無難な私の感想に対して、おばあちゃんは、「いやいや、踊子草は、花やのうて雑草や!」と訂正し、突然語りだした。
穏やかな口調だけど、一言言わせて!という勢いだった。
「雑草も花が咲くと、こんなにきれいになる。人に向いてもらえるようになる。私も、ただの雑草やったら、見向きもせんかった。でも、花がついて、はじめて、人の目に触れる。
でも、最近は、こういう花がつく雑草も道路をつくるために、刈り取られて埋め立てられて、どんどん、植物がなくなっていく。
花がつく前に、消されていく・・・・悲しいことですわ。
土があるから、植物が育つ。植物がおるから、人間は生きていられる。
人は、土がなかったら、生きられません。」
それを、聞いて「天空の城ラピュタ」を見たことがありますか?と一瞬聞きそうになったけど、このおばあちゃんは、90代だ。
知らないだろうなぁ、という先入観と聞いて、「なんですの?それ?」と言われそうで、聞くのをやめた。
熱く語ってくれた後に、「天空の城ラピュタを見たことがありますか?」と聞いて、「知らない」と言われると、恥ずかしい(*ノωノ)ものがある。
このおばあちゃんが言った最後のセリフは、シーターが言っていたセリフによく似ている。
「人は、土から離れて生きられないのよ」と。
花や植物をこよなく愛すると、心の中に自然とシーターが登場するのだろうか?としょうもないことを思いながらも、このおばあちゃんの言葉の中に、もう一つありがたい言葉が隠れていた。
「雑草も花が咲くと、こんなにきれいになる。人に向いてもらえるようになる。私も、ただの雑草やったら、見向きもせんかった。でも、花がついて、はじめて、人の目に触れる。」
雑草は、人目に触れず、踏まれて消えていく。けど、そこに花が咲いただけで、踏んでいく人は少ない。
むしろ、「綺麗だね」って言ってくれる。
介護の仕事をしていて、いろんなおじいちゃん・おばあちゃんの人生の話を聞く。
雑草のような辛い時期を乗り越えて、花が開いた話を聞くたびに、希望や勇気をもらう。
私の人生も一度花がついたけど、自らの手で枯らしてしまった。
いま、雑草からやり直している人生に、もう一度花が開いたらいいなぁと、花をこよなく愛するおばあちゃんの言葉に元気づけられる。
そして、自分の心の中に花が咲くように、今度は枯らさないように、簡単に引っこ抜けないように、強い土を自分の心の中に耕そうと思った。
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