末期ガンのおばあちゃんが教えてくれた夫婦円満の秘訣

訪問介護先の利用者さんで、「私、末期のガンなんです」というおばあちゃんがいる。でも、お年寄りのガンは、進行が遅いというのは、本当で、「末期のガン」と言われても元気そうだ。

でも、進行が遅いと言っても、大きなストレスがかかると、あっという間に進行する。
この末期ガンのおばあちゃんに大きなストレスがかからない出来事が起こらないといいなぁと思っていた。

けど、運命はそうもいかず、半年前に、末期ガンのおばあちゃんの旦那さんが亡くなった。

亡くなった直後は、さみしそうで、ガンが進行しないか、心配だったけど、友達がしょっちゅう来たり、ヘルパーが来たり、デイサービスに行ったりと、刺激があるので、半年たった今も元気だ。

けど、今も、さみしさがあるのか、亡くなった旦那さんの話をする。
話を聞くと、旦那さんは、なんの病気もなかった。
前日まで、元気にご飯を食べていた。亡くなった当日、お風呂場で倒れていたとのことだった。

その時に、おばあちゃんが言った。
「末期ガンの私が先にあの世へ行くと思ったのに、まさかなんの病気もないお父さんが先にあの世へ行くとは思わなかった・・・」

人生何が起こるか分からない。

それは、年を重ねても一緒だな。

年を取ると、まさかの出来事はなくなるかな・・・と思ったけど、まさかの出来事が起こる人もいる。
私の人生も、この先まさかの出来事はおこるかな？

出来たら、いまが穏やかなので、今の穏やかな状況が続いてほしいと願う。

そんな、つまらないことを、私の頭を駆け巡っている間も、おばあちゃんは、亡くなった旦那さんの話を続けた。

「優しいお父さんだった。ケンカにはならなかった。ケンカになりかけたら、お父さんが、ケンカは気分がいいものじゃないからやめよう。と言うから、一度もケンカにはならなかった」と言った。

その話を聞いて、一度もケンカをしなくてもいい相手に出会えたおばあちゃんが、羨ましいと思った。
でも、このおばあちゃんも、優しい人だから、こういう人と出会えるのかな～と、思ったら、お互い、いい人同士がひかれあうと、やっぱりケンカしないのは、本当のようだ。

亡くなったお父さんの名言
「ケンカは気分がいいものじゃないからやめよう」

人生何が起こるか分からないけど、この先の人生、極力、人とトラブりたくない私は、この亡くなったお父さんの言葉を心の名言にして、末期がんのおばあちゃんのように、人に優しく生きていこうと思った。