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2013年 日記 浅草

 先日のこと。zine仲間のえみさんと浅草で待ち合わせ。
浅草演芸ホールに並ぶご老人たちに気圧されながら、列の最後で入場。この日はとても人が多くて、入り口近くで立ち見、会場のスタッフさんいわく「たいへん混雑した中でのお立ち見」。
 おじいさんたちの間でもそもそと持ってきたおむすびと唐揚げを食べ、落語や講談に耳を傾けるふりをしながら気になるのは周りのおじいさんおばあさんだったりして、ほどよきところでロビーに退散。二人で座っておしゃべりをしたり、人をながめたり、ときどき中をのぞきに行ったりして過ごす。

 開け放された入り口からはピーカン晴れの照り返しと、梅雨のあいまにしては乾いた風とが入ってきて、懐かしい夏の感じ。学校の体育館の日陰にいるみたいな気持ちになって、いつまででも過ごせそうだったりもしたけれど、せっかくなので町歩きしようかね、と、えみさんの先導で外に出る。

 まずは「アンヂェラス」でコーヒー。昔ながらの喫茶店、でも懐古主義に陥らず現役で喫茶店やってます感があるのが浅草っぽいのかな、と思う。なんだろう 「え、この古いのがいいの? あ、そう!」みたいな……。年は寄せども時間が止まってないのが、よかった。ここでひとしきりおしゃべり。
 浅草をそぞろ歩く。日本もアジアだなあ。暑くなると外でごはんを食べたくなるんだなあ。まだ明るいのにけっこうな人が乾杯している。店員の女の子が「ここらで一番ビール安いですよ」「ここらで一番おいしいですよ」と声をかけてくるのをかわして、わたしたちはイリヤコーヒープラスへ。ここでもひとしきりしゃべ る。えみさんは聞き上手で、わたしはぺらぺら話してしまう。リリカルになりきれない、っていう話をひたすらした気がする。
日が傾いてきたので、「ぽんぽこ」というお好み焼き屋で夕食を食べて、この日は解散。

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*追記*2018/8/17
当時の「リリカルになりきれない」というのは、叙情的であることを自分に許すことができない、というか。自分に起きた出来事をポエティックに語るのが苦手だった、ということでしょうか。演劇界隈のポエジーな雰囲気にあてられていたのかもしれません。なんせこちとら家に帰れば病人がいるのでございます。四の五の言ってられねえ、とにかく金だ金だ! って感じでした。渡辺えみさんが話を聞いてくれるのがだいぶセラピーだったなあ。この頃えみさんのお腹にいた子ども、すくすく育って、私の小さな友人となっています。

#浅草 #2013 #アンヂェラス #イリヤコーヒー #浅草演芸ホール #日記 #ふりかえり

日記が好きなので書き続けているわけですが、読んで、面白がっていただけたら、それほど嬉しいことはありません。いつもありがとうございます。