見出し画像

2016年8月/映画「ケンとカズ」

渋谷ユーロスペースにて映画「ケンとカズ」を観てきました。
親しい友人であるカトウシンスケくんが主演、ということで、これは、親友として公開初期に観にいって、勢いつけたらなあかん、という使命感も勝手にあったんだけど、明日行くわ、というと
「それ俺も観たいんやけど」
と(ふだんそんなんあんま言わない)Marcyも言い出し、その日の午前中にカラーしてたら、イベント・PPCM!! でお世話になってる9project(ヘアメイクチーム)の2人も
「今日行きますよ~」
とのことで、局地的に私の周囲で注目度がバリ3(死語)に高い「ケンとカズ」。

 あの、早めに結論いいますけど、すっげえ面白かったですよ!!!
もしシンちゃんのこと知らなかったら、すっげえ嫉妬して逆にほめなかったかもしれない、ってくらい。大好きな友人が面白い作品に出てて誇らしいので、できたらこの日記を読んでくれるような希有な存在の貴方様には是非観ていただきたいんです……。
ノ ワール映画、ってんで、もちろん暴力描写はあるのですが、「どやどやバイオレンスやで~」みたいな露悪的な描写や悪趣味な表現は全くないので、血が苦手、 痛いの怖い、のわたし(キック・アスやキングスマンがぎりぎり)でも、なんか、もう、目を逸らせないよね……って感じでずっと観てしまった。
わたしは前情報をまったくいれずに観にいって、本当にどうなるねんどうなるねん……って観たので、なるべくネタバレも何もせずにこの文章を終えたいのですが、それで皆さん観にいって下さるかしら……どうでしょうか……。
「前情報ないんやけど、どうなるねん映画」といえば、ライアン・ゴズリングが出るから、ってだけで観にいった「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」(これでデイン・デハーンを知った)と、デハーンつながりで観にいったトムハの禁酒法時代のやつ(追憶の……みたいな……題名さえ出てこない……)とかなんですけ ど、それらに匹敵するくらい「どうなるねん……」の緊張感がすごかったので、ほんと、私のこの駄文が皆さんにとって、なんの情報にもならないことを祈ります!
 そして最後に言いたいのは山王連合会(『HiGH&LOW』)のみんな!けじめっていうのはこういうことを言うんだよ!お前らのけじめは赤ちゃんのけじめだぞ!ほんとはすごい怖いぞ!
ハイローをみて不良とか喧嘩に憧れる子がいたら、わたしはケンカズをみせて「こっちが現実じゃけん」と教えてやりたい。※舞台は千葉です。広島ではないです。
韓国映画の『息もできない』がすごく好きだったな、というのを観終わったあとに思い出したので、『息もできない』が好きだった人には特におすすめ。似てるわけじゃないけど、絵空事じゃなさ、本当の息苦しさ、が共通している気がします。
渋谷ユーロスペースで現在公開中!(※2016年の日記です)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、ここから先は、ただの感想です。ネタバレ気にしないよって方だけ読んで下さい。あとは観た人しか読んじゃ駄目ですよ!
ケンとカズの先輩として、元締めの人が出てくるんですが、すごく機嫌良さそうにニコニコしてて、明るくって、それがすっげえ怖いの。あれ覚えがあるわーと思って、そこでもうずっと怖かったです。そこの「本当さ」にやられて、ああ、これは本当に怖い奴や、怖そうなやつをやってるんじゃなくて、怖いわ、って心臓が冷えた。悪い役の人が声めっちゃ低かったり、いかにも悪役ヅラだと、「ああこれは映画だなあ」って思えてちょっと安心できたりするじゃないですか。でも本当にこの人ヤバい人だわ、っていうのが、怖そうにしてないぶん伝わる、っていうか。年の頃の感じとか、雰囲気とか、あの怖い人いた、地元にいた、怖い! ってわたしの前頭葉がビビりだしました。もう生命の危機を感じるレベルで怖かったよ。
室内の感じとかも、もう、ああこういう場所に行ったことあるな……っていう。なんか……懐かしささえ感じるような地方都市の、わるいひとたち、が、いるところ、がすっごく本物に私にはみえて、苦しくなりました。あのね、あそこから逃げ出す、抜け出す、っていうのは大変だよ……。
高校の時、一瞬だけグレて、ふらふらっとそっちに行きかけたことがあって。女だし、子どもだし、そこまで気合いが入ってなかったので「さーせん」みたいな感じでへろーっと仲間と疎遠になって、それでうやむやに戻ってきたことがあるのですが、その頃のことが思い出されて「あのままいってたらあっちにいるな……」と思ったらほんと怖すぎて吐きそう。ラスト近く、ケンが歩いてるシーンがあって、歩いているだけなのに怖いし悲しいしで泣いたんだけど、あれは現実にあることだろうなっていう、「絵空事じゃない感」がすごかった。
これは観賞後に監督に伝えようとしたら「わたし昔グレてたんですけど……」から始めたせいで謎の身の上話になっちゃったので反省しています。そうじゃないんだ。すごく面白かったってことを言いたかったんですよ……

--------------
追記*2020.5.22

この頃、なぜ文章なのにこんなに関西弁がつよいんだろう? 映画めっちゃおもしろかったなあ。カトウのシンちゃんは本当に大事な友人です。そしてトム・ハーディの禁酒法時代の映画、タイトルは『欲望のバージニア』でした。


日記が好きなので書き続けているわけですが、読んで、面白がっていただけたら、それほど嬉しいことはありません。いつもありがとうございます。