2013年 伊香保でソフィとミランダと
ハラミュージアムアークにいくために、伊香保温泉までバスで行ってきました。
伊香保の石段街の潔いまでの寂れっぷり、最高でした。平日なのもあってか、8割の店があいてない。それなりに観光客はいたんですけどね。旅館のお風呂でも、 屋上の露天で一度だけ若い女の子と鉢合わせたくらいで、あとはほぼ貸し切り状態。
夕方、布団敷きタイムになったので外に出たら、石段街にまったく人がおらず、霧も濃くなってていやはや壮観でした。大自然の中、とかじゃなくて、本来たくさん人がいるはずのところに全然いない、ってうのが、やっぱちょっとシュール。ちょうど旅館だと夕食の時間で、みんな建物の中にいたんだと思うけど。
素泊まりプランだったので、夕食は地元の食堂を旅館の親切なお姉さんに教えてもらって、三軒ハシゴ。特にお勧めされた「ふきのとう」のメンチカツと山菜しゅうまい、おいしゅうございました。温泉街で素泊まり、むかーし箱根で失敗したことがある(どこも入れる店がない!ってなった)から警戒していたのですが、伊香保、最高でした。お店の人たちの着かず離れずな接客もよかった!
朝ご飯もついてなかったのですが、日頃の暴飲暴食で荒れてる身には逆にこれが吉と出たような。ゆっくり朝風呂につかってチェックアウト。一路、ハラミュージアムアークへ(ちなみにこの美術館はグリーン牧場の敷地内にあります)
街を巡回するワンコインバス(¥100)、「これ牧場いきますか?」と尋ねれば、「行くけど30分かかりますよ、普通のバスだと5分です」とのこと。それも よし、と乗り込む。今から歯医者だ、というおばちゃんと、昨日○○さんとこで飲み過ぎたから車を置いてきた、というおじいちゃんが乗ってくる。家や畑が立ち並ぶ、ローカルすぎるポイントをめぐるバス。道行く住民達は運転手さんに会釈。おじいちゃんは完全に家の前にバスを停めてもらっていました……なんだこれは……素敵なバスに乗ってしまった……。
そしてグリーン牧場からのハラミュージアムアーク。緑の中に黒い建物がスッ!とたっていた。黒くてまっすぐな建物。朝なのと平日なのとで、ほかに誰もいないなか好きなだけ作品を見ることができたのが嬉しかった。ソフィ・カルのもミランダ・ジュライのも、「観る」だけでなく「読む」ことが作品を受け止めるために絶対に必要なものだったから、とんでもなく静かななかでそれらに向き合えたのは本当に幸せだった。「読む」ことが作品にかかわる、というのが、今けっこう気になってることのひとつで、先日の範宙遊泳の作品とか、この日の夜にみた森進一ゲームと か、文字やテキストがむくむくとそれ以上のものになってこっちに迫ってくるものって面白いな、っておもう。
どこにも行けなくて苦しかった子供の頃、ドラクエのゲームのなかでの無機質な会話のやりとりにすごく救われたことがあって、そのことをすごく思い出したりするのです。
グリーン牧場では、シープドッグショウ(目玉らしかったのですが)を見逃してしまい、広大な敷地に迷子になりかけ、手作りバター教室にも間に合わず、せっかくだから、とアーチェリーに挑戦しました。もう一度来たい、と素直に思えるいい牧場でした。すいてるのが何よりいい!
http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html
http://www.ikaho-omori.com/
http://www.greenbokujo.co.jp/