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舞台「アラジン」レビュー① 劇団四季の…コメディ!

●笑っていいのね!劇団四季のコメディ
劇団四季、と言えば…例えば
・オペラ座の怪人
・ライオンキング
・キャッツ
これらの人気作の作風にも現れるように、劇団のテイストは「シリアス路線」が鉄板。
新劇系の舞台では、時事ネタやコント的な手法を用いて、笑いを誘い、お客さんを惹きつけていく…というテクを使う劇が多い中、劇団四季は文化的というか、いわゆる「真面目な演劇を圧倒的なクオリティで上演する劇団」と思っていた。
なので、自然と真面目で笑いの無い作風になり、海外ミュージカル輸入の場合も真面目系をあえてチョイスしていたのかなーと思っていたのです。

今まで、私もいくつか劇団四季の舞台観ましたが…印象は

歌姫クリスティーヌ…まさにオペラ歌手の歌唱力!(惚)

ジェリクルキャッツ共が本物の猫のようにリアル!(驚)

シンバに力強く言われると心配ないって気がする!(震)

…と、どの作品も驚嘆や感動こそすれ、おなかを抱えてギャーハハハ!と大笑いすることはなかったわけです。

が、ですよ。
その劇団四季の常識を打ち破るかのようなオモシロ路線。

はい、この三枚目感。伝わりますかね!?

まずは何よりもランプの魔人、ジーニー。
映画でもぶっ飛んでいて喜劇の塊みたいな役どころではありますが、舞台でもパワフルさは健在。
上演開始時の注意ナレーションの「楽しかったら周りを気にせず笑いましょう」とアナウンスが入ったあたりから場を温めはじめ、
「(メイドカフェ風に)ご主人様~♪」とかわいこぶったり、
「(ランプから登場したジーニーに、アラジンが)どこから来たの?」との問いに「関西の方から出て来ましてん」と答えていたり(このセリフはジーニー役の人ごとに出身地言っているもよう)
「(アラジンに)裸にベストをポリシーとするそこの君」と呼びかけてみたり、
ジーニーのビッグナンバー「フレンズ・ライク・ミー」を歌って踊った後にへたり込んでハァハァしていたり…と、面白いしお茶目でかわいい!
上演2時間半の間に100笑いくらいさせてもらったかと思います。

また、ジーニー以外の役でも芝居中、至る所にコメディ要素が散りばめられていた。真面目路線なのはアラジンとジャスミンくらいで(とはいえアラジンも多少の笑いはあり)悪役ジャファーと手下のイアーゴ、アラジンの友人3人組でダチョウ倶楽部のような感じのカシーム、オマール、バブカックあたりはお笑い要素かなり多め。

悪友3人組(左からバブカック、カシーム、オマール)とアラジンの登場シーンかな。まるでプリクラ撮ってるよう。よく見るとアラジン、ライザップ意識してる…!?

そんな感じでドッカンドッカン笑わせてもらいつつも、やはり劇団四季の醍醐味にあたるダンスのキレや歌唱力、演技は健在。
また、劇団四季独自の母音法(ぼいんほう)という活舌トレーニングで、どんな呟きセリフも漏らさず聞きとれた。だわらこそ、圧倒的な作品に仕上がってるのですよー!

普段真面目な人が笑わせてくれたときのギャップ萌えも合間見えて、凄いことになっちゃっていました、この舞台。

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