自分を大事にしてくれる人を大事にしたい

私は昔から感情に敏感だった。
自分に対してだけでなくて他人同士のことでも、小説やドラマでも。
だからドロドロしたドラマは苦手だった。いじめも嫌いだった。

人は、私が思っているほど他人に興味なんかない。
他人の気持ちを察しようとはしていない。
もちろん、本当に心配してくれたり愛してくれたりしているとわかるのだけど、究極のところ、自分にとって都合のいい解釈をしているように感じる。

私は自分の本当の気持ちを出すのが怖い。
否定されたり重く思われたりして離れていかれるのが怖い。
人とのほどよい距離感がわからない。大事な人ほど。

人の気持ちは生ものだから、移り変わっていくもの。
少しの変化も感じてしまうから、変化していくのが怖い。

私は、本気で私と向き合ってくれる人にしか本当の気持ちを出せない。
だから本当の気持ちを出せる相手は数が限られる。
貴重な人、大事な人だから、手放したくない。離れてほしくない。
とっても独占欲が強いと思う、本当は。

永遠なんてものはないから、でも今この瞬間は本当だから、
だから思い出を大事にしたい。形に残せるものが欲しい。

私は、私を大事にしてくれる人を、自分よりも大事にしたい。
もしトロッコがどちらかを轢くなら、迷わず私を差し出したい。
…というのは言い過ぎかもしれないけど、その人が笑っていてくれるなら、私が苦労するのは苦労とも思わない。

その人の幸せに寄り添っていたい。辛いときは助けたい。大事にしたい。
けど、それはその人のためじゃなくて自分のためなのかも。
他の誰でもなくて私が、してあげたいから。

すごい重たい人間。かっこ悪い。
自分を大事にしてくれるかけがえのない人を大事にしたい。
けど私が大事にしなくたって、本当はその人は一人で歩けるって知ってる。