マガジンのカバー画像

エッセイ

3
ゆいまるんのエッセイ集
運営しているクリエイター

#小説

指と描き手

指と描き手

描き手Yの呼びかけに、“右手の人差し指”は静かに反応した。
「長い間、私はあなた共に美しい絵を作り上げようとしてきました。しかし、もう疲れたのです。痛みが私を襲い、一歩も踏み出せなくなりました。」
もうダメだ。描けないよ…痛みと疲労が“右手の人差し指”を支配した。
描き手Yは、肩凝りや腰痛を持っていたが、それらを一時的に忘れられるほどの、“右手の人差し指”の痛みと違和感だった。

描き手Yは、“右

もっとみる