見出し画像

指と描き手


描き手Yの呼びかけに、“右手の人差し指”は静かに反応した。
「長い間、私はあなた共に美しい絵を作り上げようとしてきました。しかし、もう疲れたのです。痛みが私を襲い、一歩も踏み出せなくなりました。」
もうダメだ。描けないよ…痛みと疲労が“右手の人差し指”を支配した。
描き手Yは、肩凝りや腰痛を持っていたが、それらを一時的に忘れられるほどの、“右手の人差し指”の痛みと違和感だった。

描き手Yは、“右手の人差し指”を慎重に扱い、労わり続けた。
病院へは、まだ行かなかった。
おそらく医師は鼻で笑い、ふっ、腱鞘炎ですかね。と言いそうだったからだ。

しかし“右手の人差し指”は静かに回復してきた。時間と休息が“右手の人差し指”元気づけた。なにやら、清涼感のある湿布が貼られ、テープで巻かれた。

最終的に“右手の人差し指”は再び働くことになるだろう。その時、描き手Yと“右手の人差し指”の絆は強化され、未来の共同作業に新たな深みをもたらすことを信じて。

※フィクションです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?