見切り発車で、会社を辞めた。

2020年のおわりに、13年間務めた大手化粧品会社を退職した。

ゆく当てもなければ、次にやることも決まっていない中での退職。五里霧中。軽はずみにもほどがある。

ただ、軽はずみとはいえ、いったん停車しない限り、走り続けている列車の進行方向を大きく変えることは出来ない。緩やかなカーブを描きながら進行方向を変えるなんて器用なこと、あいにく私には出来なかった。


過去5年くらいの間、ずっと、雲の中にいるようなモヤモヤを抱えながら働いていた。仕事を楽しむという感覚は、もはやどこにもなかった。

でも、かと言って、他に何かやりたいことがあるかと問われれば、そんなことは何も思いつかなくて。

私が勤めていた企業は超絶ホワイトで、職場環境も最高、同僚にも恵まれ、何一つ、働く環境に不満はなかった。仕事の内容も、程よい緊張感を必要とする海外子会社とのやりとりで、私は得意の英語を活かし、周囲を巻き込んでグイグイ仕事を前に進めていたように思う。

有難いことに20代で海外駐在も経験させてもらったし、子会社の取締役をしたこともあったっけ。とにかく、今までは、とりあえず、会社が求めることに、日々淡々と、私なりのベストを尽くして向き合っていた。気付いたら、そこそこの仕事を任されるようになっていて、いわゆる出世街道を歩かされていた、と思う。

ただ、どうしても、この会社で、あと5年、10年、20年と勤め続けるイメージが湧かなかった。会社の求める仕事を、自分の意思とは無関係に、なんとかやる気を奮い立たせて処理していくような、そんな働き方に対して、どうしても、自分自身 納得いかなくなっていた。

いや、このご時世、とんでもなく贅沢な悩みだっていうことは、十分承知しているのだけれど。それでも、これ以上、自分に嘘をつくことはダメだって、ホコリかぶって聴き取りにくくなった私の心が叫んでいるような気がした。

とりあえずは、貯金を切り崩しながら、パサパサに乾いた心に水遣りをするように、感じるままに生活していこうと思う。

今までは、脳(=理性)が私という船のキャプテンだった。これからは、心(=感性・感覚)に舵取りを任せようと思う。長いこと理性主体の人生を歩んできてしまったから、うまく感性に自分自身を委ねられるか、全然自信ないのだけれどね、、

とにかく、私の葛藤の日々が、誰か一人にとってでも参考になれば、という思いで、つらつら書いてみました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?