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美津江さんの影を追って ――由利子の広島紀行①

Day1 その1

広島にはじめて行ってきた。
何を隠そう、今まで行ったことがなかったのだ。
 
広島の街の路面電車が走る道路はどこも広くて、極度の方向音痴の私は、たちまちどちらを向いているか分からなくなる。
雨の中、まずは原爆ドームを目指した。
 
この旅は美津江さんに関係するところを回ることが目的なので、準備は念入りに行なった。彼女の通った女子専門学校がどこにあったのか、舞台になっている昭和23年当時図書館の場所など、戯曲に書き込まれている場所を調べた。それをどの順に回ればいいのか頭を悩ませていた時に見つけたのが、
「ひろたびプランナー」
https://planner.hiroshima-navi.or.jp/
行きたい場所を選ぶと最適のルートを割り出してくれ、マイプランが完成。それをスマホに送っておけば、現地でさくさく回れるという優れものだ。マップアプリもなんとか駆使し、美津江さんを追った。


広電で原爆ドームに到着。駅を降りるとすぐだ。やはり写真で見るのとは全然違う。ひしひしと迫ってくるものが生々しい。竹造さんの台詞が聞こえてくる。ネタバレになるからどの台詞かは書かないが、岩渕くんの声で聞こえてくる。
 

地図では距離感がつかめなかったが、爆心地はすぐ近くである。この580メートル上空で炸裂した一発の爆弾。1万2千度の熱線、爆風、そして放射能。
ほぼ真上から被爆した「被爆地蔵尊」は側面が熱線でザラザラになっている。
そこには人もいたのだ。人々の日常の暮らしがあったのだ。


平和の灯」を過ぎてさらに行くと、「原爆死没者慰霊碑」である。慰霊碑の石碑前面に、「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」と刻まれている。昨年5月G7広島サミットの時にG7首脳がここで献花した。あの時は歴史的な瞬間だと思った。しかし、まだ何も変わっていない。一体いつ変わるのか、変えるのか。
美津江さんも子どもの手を引いて、ここを訪れたかもしれないと思った。
あれ? そうだった、美津江さんは実在の人ではなく、井上ひさしさんの戯曲の登場人物だった。私の中で現実とフィクションが入り混じってきていた。

〈つづく〉→Day1その2へ https://note.com/yuimano/n/ncda13489e5c8

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芝居屋ゆいまの京都公演「読み語り『父と暮せば』」
2024年4月6日(土)17:00~ /4月7日(日)14:00~
会場:法光寺(京都市上京区中長者町通西洞院西入中橋詰町172)
全席自由 料金:1,000円 中高生500円  上演時間:約1時間40分
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