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MV「マリーゴールド」

あいみょんを知った曲は「君はロックを聴かない」だったが
彼女の爆発的な魅力を知ったのは、この「マリーゴールド」になった。

とにかくメロディーから、歌詞からたまらなかった。
当時はどうやっても頭から離れない、超ヘビーローテーションだった
このMVを改めて考えていきたいと思います。

MV監督はあいみょんとはこの後、数々の映像でタッグを組むことになる
山田智和監督。この時代のアーティストにとって、今一番重宝されるMV監督なのかもしれないと思うのは、非常に作家性が強いと感じるからだ。

マリーゴールド、若い女性が歌う、夏のイメージ、ここから連想していって暗い部屋のフィックスから入ってくるなんて、まず私の発想にはない。
監督のインタビューでは

「すべての要素が対比構図になっている。
 内と外、明るい部屋と暗い部屋、雨と晴れ、
 撮影機材もデジタルとフィルムを交互にいれている。
 爽やかな曲に潜む暗部と明部を、角度や色によって意味が変わってくるようなシチュエーションを並べている。」

というような内容を書いていた。
特にあいみょんというアーティストの魅力としてよく言われるのが
30、40代にとっても「懐かしさ」があることだと思っている。
なぜ20代の彼女が、
全世代の人をノスタルジックな世界に連れて行ってくれるか?

そういったアーティストならではの魅力を引き出す構成として
特に16mmフィルムを挟み込んだり、暗い表情かと思ったら、
無作法に明るい表情だったり、なるほど、対比構図かー!

鬱屈した気持ちのままだが、Bサビの「柔らかな~♪」からの外に切り替わるのが自分的にはその解放感がたまらないが瞬間。
そして、そのあと、こんな歌詞よう書けるなと
当時すごい好きなフレーズだった

「あーI Love youの言葉じゃ足りないからキスして
 雲がまた2人の影を残すから
 いつまでも、いつまでもこのまま」

ワンショット、あいみょんのかわいらしさをアップでとらえつづけることで
あーもう、どっぷりはまりましたよ。
みたいところ抑えてるわーと、感心からの嫉妬。

山田監督MVでは「光と影のコントラスト」が特徴的に用いられているが
自分の発想は最初から夏の外ロケで、明るいあいみょんが歌うぐらいしかならなかっただろうなという安易な発想でしょう……

まあそれはそれでファンは見てみたいと思うんでしょうが
2021年6月9日時点で再生回数2億4000万回越えしてるってことは
見れば見るほど、再度発見がある映像だからだろう。

何度も見返したくなる仕掛けを、どう作るのか?
作り手として非常に参考になるMVでした。

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