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2才8ヶ月の娘が語った胎内記憶らしきもの

胎内記憶とは、母親のお腹にいた時の子どもの記憶のこと。20代の頃に妊婦&新米ママ向け雑誌の編集をしていた時期があり、記事の企画にもよく上がるトピックだったので、昔から頭では理解していた。

でも、それが我が子の体験として現れることになるとは思ってもみなかった。そもそも私も夫も第六感のようなものとはさっぱり縁がなかったし、感受性が高いとか生まれながらにして何か特別な子だけに起こるものだと思っていた。胎内記憶の研究で知られる池川明先生によると、3人に1人の子どもが胎内記憶を話すらしいが、実際周りの10人の子ども(と親)の顔を思い浮かべても、そんな話はほとんど聞いたことがない。50%くらいは、まゆつばモノとして読んで(聞いて)いたフシがあった。

コトの発端は、夜、寝かしつけをしていた布団の上で。私と娘は、娘の希望で、小学館の図鑑シリーズNEOのミニ冊子(マックのハッピーセットの付録でもらったもの)の巻末ページを開いていた。図鑑のラインナップ紹介として、『昆虫』『植物』『きのこ』といった同シリーズのあらゆるタイトルの表紙画像を紹介しているページだ。娘は表紙の画像だけを見て(娘はまだ字が読めない)片っ端から「これはなに?」と尋ねるので、私は各タイトルを読み上げ意味を説明していく。『宇宙』に差し掛かった時だ。

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宇宙だよ、と説明した後で、宇宙という言葉を娘に説明したことも使ったことさえもなかったのに気づいて、「宇宙っていうのは、お月さまとかお星さまとかがいるおそらのことだよ。わかるかな」と慌てて付け足した。すると娘はおもむろにこういった。

「○○○(自分の名前)、うちゅうのかぎ、あけたんだよ。そのとき、だだっち(パパの呼び名)、あけてよーっていってた」

いつ?と聞くと「あかちゃんのとき」と言う。ママはそのときどこにいたの?と聞くと「だだっちといっしょにいた」と言う。ママとパパが開けてよーと言うので、赤ちゃんの娘は一人で宇宙の鍵(扉?)を開けた、という一連の流れがつかめたところで、胎内記憶という言葉が頭をかすめ、自分の心臓がバクバク音を立てているのがわかった。

宇宙の鍵の話、もっと聞かせてとお願いすると、それが嬉しいのか「いいよ」と得意げに詳細を話してくれた。それでわかったのは以下のことだ。

・宇宙は真っ暗だけどキラキラしていること。ピンクのキラキラ

・宇宙には娘の他にカエルがいた

・宇宙の鍵は黄色でキラキラしている。鍵は小さくていくつもある

・娘は緑の帽子をかぶり黄色の靴を履いていた

この後、娘にお願いすると宇宙の鍵の絵もノリノリで描いてくれた。そもそも最近○のようなものがようやく描ける(ひとつの線を繋げられる)ようになったお絵かきレベルなので、果たして真相はわからないが、丸囲みした図形の中にあるものが「キラキラ」なのだと教えてくれた。

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もっと深掘りしたかったが、ここでタイムアップ。この話に飽きてしまったようで、布団の上で転がるなどふざけ始めた。私は「宇宙の鍵の話、とても面白いからまた聞かせてね」とだけ伝えて、娘は就寝。

一番の驚きは、そもそも宇宙という概念がまだない(と思っていた)娘が、宇宙を自分の体験として語ったことだ。2才8ヶ月の子どものなかに、宇宙の感覚が存在している。そのことに僅かでも触れることができたのは、とても神秘的な体験だった。娘が話の続きをしてくれるのを楽しみにしたい。









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