『大多数の意見』は私には意味が無かった

旅行話は苦手でした。なんとなく、
・旅行は誰もが行きたいものだ
・国内より海外が良い
という大多数の人の価値観があるようで、それに合わないので苦手でした。特に、海外に行きたがらないのは『内向き志向』で良くないという印象があります。しかし、最近になってやっと、苦手感が薄れてきました。それは、「みんなは海外行きたいよね。でも、私は国内派で、そうじゃないんだ」と今なら言えるからです。

その理由の一つは、一番最近の旅行がとても良かったからです。コロナが流行する前、長崎へ一人旅をしました。しかも、一週間ほどの長い期間の旅行は初めてでした。一人で寂しくなるかと心配しましたが、全く問題ありませんでした。むしろ、一人なので人目を気にすることなく行動できました。滞在期間が短くなかったことも功を奏し、気に入った場所に2回も訪れたり、体調が悪い日にはホテルの部屋でゆっくり休み、元気が出た日には予定を変更して観光地に行ったりしました。
その中で自分自身の特性に気が付くことができました。私にとって『風景は思い出に残りにくい』ことと『未知の料理は苦手』ということです。
長崎の観光名所の一つ、『グラバー園』に行きました。昔の商人のグラバーさんたちの家が残っていて、そのあたり一帯が博物館みたいな場所なのですが、私にとっては印象が薄い場所となってしまいました。訪れたときは「素敵な建物!」や「こんな歴史があって、ここに住んでいるのか」などいろいろ感じたのですが、それよりも、『大浦天主堂』と地域の教会に訪れた方が印象に残っています。その違いは、歴史を知ったからです。歴史を知ったと言っても、訪れる前に偶然ネットで少し調べただけですが、なぜ長崎に教会が多いかなどを知ってから訪れたので、感動がひとしおでした。建物の見た目ではなく、歴史を調べて知ったときの感動と合わせて感じられたので、よく印象に残っているのだと思います。
そして、『食事』も旅行の醍醐味の一つだと思い、長崎ならではの料理を食べたいと思いました。
・豚まん(中華街)
・カステラ
・ちゃんぽん
・海鮮丼
・トルコライス
などを食べました。やっと気づいたのですが、私は外国の料理など『よく知らない料理』が苦手です。ちゃんぽんやトルコライスなど、あまり知らない(食べない)けど、どのようなものか知っている、というものは大丈夫です。また、美味しくないものを食べるのは苦手ですが、だからと言って、お腹がすいた状態も苦手です。そのため、知らない・美味しくないかもしれない料理しか無い外国には行きたがらず、ある程度は味が保障されている国内が安心します。

このように、長崎旅行で私は自分自身のことをよく知れるようになり、とても満足しました。いくら「海外は良いよ?」と言われても「長崎も良かったよ」と言えます。また、詳細は省きますが、一度だけ海外旅行をしたことがありますが、そのときの思い出は良いものではありませんでした。
そもそも、大多数の人が「旅行は海外が良い」という価値観を持っていたとしても、それを主張したとしても、私が海外旅行を好きになるかどうかは全く関係が無く、ましてや、合わせる必要も無いのだと気付きました。『大多数の人の意見』は私には意味が無かったのです。