「ラーメン赤玉」

「ラーメン赤玉」が美味いと仕事帰りに上司に聞いた。
なんでも、店ではなく自動販売機で売っている冷凍ラーメンらしい。
どこにあるのかと聞くと上司も貰い物みたいで知らないと言う。調べてもそもそも「ラーメン赤玉」がヒットしない。
上司は幻のラーメンなんて呼んでいたが、何かの勘違いではなかろうか。

そんなことも忘れたある日、かなり田舎の営業先に行かなければいけなくなった。
車で行くことも出来たが思ったよりも電車があることが分かり、ローカル線にも乗ってみたいので電車で行くことにした。

比較的大きな駅の2つ隣だった。のだが、駅前には何も無かった。見える範囲にコンビニとガソリンスタンド、ちょっと離れたところに大きめのファミレスがひとつあった。

幸い営業先は近く、徒歩20分程だった。電車で来たことを伝えると不思議そうな顔をされた。

営業は無事に終わり、もうすぐ駅に着く。
その時だった。

あったのだ。「ラーメン赤玉」が。

線路沿いにズラっと並ぶ「ラーメン赤玉」の文字。
四角く黄色い背景に黒い太文字でハッキリと記されている。

でもなぜ?「ラーメン赤玉」は自動販売機のはず…そう思い近づく。

よく見てみるとひとつの「ラーメン赤玉」は大きめの電話ボックスくらいの大きさで中に入ると自動販売機がひとつ置いてあった。
何故こんなに並んでいるのか、何故自動販売機単体ではなくボックスに囲まれているのか。疑問は尽きないが、とにかく味が気になった。
種類はそこそこある。1番人気は味噌のようだった。

帰るうちに解凍されてしまうのは承知の上でふたつ購入。ひとつの今日の晩ごはん、もうひとつは上司へのお土産だ。もっと買ってこいよとか言われるかな。

冷凍されたラーメンをふたつ抱えてボックスを出る。
次の瞬間、大量の「麺」を抱えていた。

脳の処理が追いつかない。は???
ふたつの冷凍ラーメンは?どう見てもこの麺の量はふたつ分ではない。店の在庫くらいあるぞ。

なにか、どうにかしないと、

ずっしり重い麺を抱えのしのしと歩き、隣の「ラーメン赤玉」を覗く。さっきのとなにも変わらない。その前に両手が塞がっているし麺を地面に置くのも気が引ける。
何をどうするのが正解なのか分からない。特殊な作法でもあるのか?

こんなの、どう持って帰ればいいんだ。

次は車で来よう、と決意した。

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この前見た夢に加筆してSSみたいにしてみました。わかんね〜SS
起きてすぐラーメン赤玉調べたけど出てきませんでした。美味しそうだったな。

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