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ハロー、28歳

中学生の頃は日付が変わって深夜0時ぴったりにデコメールを仲良しの友達に送りあっていた。
それが仲良しの印みたいに。
高校生になり、中学生の時の友達と離れ離れになると0時ぴったりに来るメールの数は減って、28歳は0。
それでもこの時間までに何件かおめでとうLINEが届いて、頬を緩めながら一通一通返信をした。SNS上でもおめでとうが届いて嬉しくなる。
まあ、SNSでアピールしていたのでおめでとうのカツアゲをしていただけなのかもしれないが。

生まれたことがめでたいかは28歳になってもよく分からないけれど、おめでとうと伝えてくれる人がいることは確かにめでたいことだと思う。


今日は10万円の給付金の申請書をポストに投函し、本屋さんで2時間近くうろうろし自分への誕生日プレゼントに5冊購入した。
読まなければいけないものも、読みたいものも、読みかけのものも積ん読が増えていく。
人生で一体あとどのくらいの活字作品を読むことができるだろうか、ぼんやり考えた。

それから普段通り家族の晩ご飯を作った。

おそらく母に頼まれたのだろうけれどKくんが仕事帰りにケーキを買ってきてくれて、晩ご飯の後に私がウバを淹れて一緒に食べた。
ケーキを切っているほんの僅かな間にもクリームがとけそうになるほど暑い。

数年振りに家族揃って誕生日にホールケーキを食べた誕生日らしい一日だった。

ポルノグラフィティか誰かの曲の中で0時になった瞬間冷蔵庫の中の牛乳の賞味期限が切れて飲めなくなるのかそんなことないよな、みたいな歌詞があったと思うのだけど(記憶違いかもしれない)誕生日のこともなんだかそんな心地になっている。

28歳を迎えたからといって27歳までの私とは全然違う、素晴らしい人間に急になれるわけではないから。
それでも28歳の一年をかけて、ちょっとずつ成長していこうね私。

こうして書いている間にもLINEの通知が出てきて目頭がぐっと熱くなる。
誰かの誕生日を祝えるあなたが尊い。ありがとう。
有ることが難しい、と書いて、ありがとう。
おめでとうと言ってもらえることの幸運さを噛み締めて28歳1日目を終えることにする。


母と父への手紙は今日は渡しそびれてしまったので明日渡そうと思います。忘れないように。

私の親になってくれて28年目だものね。ありがとう。

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