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なんども読み返したいnote

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私が一方的にラヴなnoteたち。ぜひみんなにも読んで欲しい
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2020年6月の記事一覧

花束の中の針

 わたしには言葉くらいしかましなところが無いのに、それさえも対面コミュニケーションの下手さに相殺されていまだにわたしの、本当のきれいなものを本当にきれいだとそれだけをただ話したい心が浮かばれない。今日発売された雑誌さえいざ読むとほんとうにろくなことを言っていなくて、わたしこれチェックとかなんで通しちゃったの!?と一人で青ざめているけれど、思い返せば取材のときも原稿チェックのときも、「初対面の相手の方に通じるような言葉の選び方をしなければいけない」「ここに関わった誰の印象もなる

クチナシと水泳

(見出し画像:Pixabayから)  6月に入ると、そろそろクチナシが来る、という意識が頭の隅に現れる。外を歩くたびに鼻が落ち着かず、目が動いて白い花を探しはじめる。  クチナシの香りが苦手だ。嗅覚が敏感なのも原因だろうが、甘い香りは鼻腔から進入すれば鳩尾の辺りでとぐろを巻くようだし、香りのボリュームが大きいので遠くにいても鼻をかすめる。外を歩いている時、行く手に花が見えたら呼吸を少し控えめにしてしまう。ただ、萎れていく花の周囲にあの香りがただよっていると、花の茶色い傷か