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星芒鬼譚《完全版》

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「どうにかして探してほしいんです、九尾の狐を」 源探偵事務所に舞い込んだその依頼は、世間を騒がす連続神隠し事件とも関係があるようで…? 調査に乗り出した探偵事務所一行が出会ったの…
1章ずつのお買い上げよりお得で、順番どおりに並べられているので続けて読みやすくなってます。
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2021年9月の記事一覧

星芒鬼譚29「…な?やってみなきゃわかんねーだろ?」

星芒鬼譚29「…な?やってみなきゃわかんねーだろ?」

「…な?やってみなきゃわかんねーだろ?」

光太郎はにっと笑うと、息を吐きながら刀を下ろした。
武仁の手から短刀が滑り落ち、乾いた音が響いた。
不思議なくらい静かだった。

「なんで…なんでだよ。俺なんか斬り捨てればいいのに」

憑き物が落ちたようだった。
先ほどまでの武仁とは違っていた。
急に毒気を失ったそのさまは、なんだかひどく小さく、頼りなく見えた。

「お前を斬るなんてできるわけねーだろう

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星芒鬼譚30 「引っ張ってでも帰るんだよっ!こんなところにいたら命がいくつあっても足りん!」

星芒鬼譚30 「引っ張ってでも帰るんだよっ!こんなところにいたら命がいくつあっても足りん!」

どさり。二体の妖怪が折り重なるように板張りの床へと転がった。
出立ちからして、アジア圏の者たちのようだ。
下敷きになっている妖怪は青い衣服を纏い、痩けた頬や細い腕に鱗がぎらぎらと光っている。
その上に重なった妖怪はからし色の衣服で、大きく丸い腹と短い手足が特徴的だった。
両者とも白目をむいたまま動かない。
それぞれの額に埋め込まれていた黒い宝石ーーー殺生石は、ヴァンヘルシングとカーミラの攻撃で割れ

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